屋上
「ねね、屋上行ったことある?」
「ううん、無い。てか入れるんだ?」
「ああ。前昼休みに行ったけど、結構賑わってたぞ。」
「へえ。」
「でもあそこ変なんだよね。」
「あー、アレだろ。フェンスの張り紙。」
「そうそうっ。これでもか、ってほどベタベタと。」
「え、何々?何の張り紙?」
『自殺志願者は遺書を残して逝って下さい。』
「は?」
「こういうのもあったよ。」
『フェンス越えは危険です。鍵は消火栓の所に在ります。』
「何の鍵さ。」
「フェンス開ける鍵。」
「屋上のフェンス高めだからさ、所々にドアがあって外側に行ける様になってんだよ。」
「そのドアの所に鍵かかってて、張り紙があるわけ。」
「消火栓のトコにあるって?」
「そう。でね、調べてみたら、あるのよこれが。」
「オレも見た見た。マジで在るからな。しかも開いたし。」
「ええっ、マジで?つか良いのか学校!?」
「だよな。ガッコが生徒の自殺支援してどーすんだっての。」
「だよねー。」
「でもここ数年自殺者出てないんだってさ。」
「えー、張り紙効果?」
「誰が考えたんだろうな。」