入学式
この日、学園に新たな仲間達がやってくる。
彼らにとって、学園で迎える一番初めのイベント。
「マイク、音が小さいかしら。少し上げてもらえます?」
「会長、もうすぐ時間なんでスタンバイしてくださいね。」
「一年生並び終わったよー。」
「保護者さん入り終わりましたぁ。」
「在校生達黙らせて。」
「よし。吹奏に連絡入れてくるよ。」
「……。」
「うわ、来賓のあの人。頭うっす!アレで隠してるつもりかな。」
「指差さないの。ほら、放送席行くわよ。」
「よし。時間だ。始めましょうか。」
吹奏楽の演奏と共に新入生が入場してくる。
心なしか、緊張している様思える。
理事長、生徒代表挨拶。
来賓からの祝辞。
式は二時間程で終わった。
新入生と、来賓席の人達の退出を見届けてると、在校生達が騒ぎ始める。
それを静めて、片付けの指示をだした。
片づけが一段落したところで、先程の新入生達を思いだす。
ふいに笑みがこぼれた。
ようこそ、山王高校へ。
これからの三年間が、君達にとって最高の時間になることを祈っている。
「あ、会長。何処に意識飛ばしてるんですか。早く片付けて教室戻りますよ。」
「………ああ。」