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飲み会優先の女神にPCだけ渡され追放された元球児、検索機能とジャイロボールで最強の兎耳美少女を救い、物理最強の成り上がり!  作者: 月神世一


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EP 23

メンバー不足!? 召喚魔法とエリート騎士の勧誘

 「よし、受けて立つぜ!」と啖呵を切ったものの、俺たちはすぐに重大な問題に直面した。

 ここは天空の城、セレスティア遺跡の広場。

 目の前には、身長2メートルを超える筋骨隆々の竜人族ドラゴニュートたちが、ウォーミングアップと称して岩を素手で砕いたり、雄叫びを上げて地面を揺らしたりしている。

 彼らはやる気満々で、すでに9人の精鋭(殺る気満々)を選抜済みだ。

 対して、俺たち『人間チーム』は……。

「……1、2、3、4。……足りないな」

 俺は指折り数えて、溜め息をついた。

 俺(投手)、キャルル(俊足)、リーシャ(技術屋)、そしてクラウス(勘違い騎士)。

 合計4人。

 野球は9人でやるスポーツだ。あと5人、圧倒的に足りない。

「おい人間! メンバーはどうした! 怖気づいて逃げたか!」

 竜人族の長、ドラケンが巨大な石斧(バット代わり?)を振り回して挑発してくる。

 観客席(遺跡の階段)には、他の竜人たちが鈴なりになって野次を飛ばしている。

「ふむ。多勢に無勢とは卑怯なり。……大地君、私が前線で敵を引きつけている間に、君たちは逃げたまえ」

 クラウスがまたしても「自分が犠牲になるエンド」を勝手に想像して、剣を抜こうとしている。

 やめろ、話がややこしくなる。

「逃げる必要はない。……おいリーシャ、できるか?」

「失礼ね。誰に言ってるの?」

 リーシャは不敵に笑い、白衣のポケットから数枚の魔法陣が描かれた札を取り出した。

 彼女は『スレイプニル』の開発で徹夜続きだったはずだが、こういう時の集中力は凄まじい。

「私の本職は『召喚魔法』と『魔導具作成』よ。……人数合わせのポーンくらい、いくらでも作ってあげるわ!」

 リーシャが札を地面に撒き散らす。

 彼女の膨大な魔力が、遺跡の地面に刻まれた古代文字と共鳴し、土煙が巻き上がった。

「出でよ、我が僕たち! 契約に従い、その身を構成せよ! サモン・アースゴーレム!!」

 ズズズズズ……ッ!

 地面が盛り上がり、土と岩塊が人の形を成していく。

 現れたのは、茶色い岩肌を持つ、無骨な巨人が5体。

 意思こそ感じられないが、その体躯は竜人族にも劣らない頑丈さを誇っている。

「おお……! これは精霊魔法か! 見事な術式だ、リーシャ嬢!」

「ふん、当然よ。……ついでに、PCのデータ通りに『外装』もいじっておいたわ」

 リーシャがパチンと指を鳴らすと、ゴーレムたちの岩肌が変形し、なんと頭には野球帽(岩製)、手にはグローブ(岩製)を装着した姿になった。

「名付けて『アース・ナインズ』! 思考能力はゼロだけど、命令には忠実よ。守備範囲に来たボールを捕って投げるだけなら、プロ並みにプログラムしておいたわ」

「上出来だ。これなら内野は埋まる」

 俺はPCの『作戦ボードアプリ』を開き、メンバー表を埋めていく。

 ピッチャー:俺(大地)

 キャッチャー:ゴーレム1号(頑丈さ重視)

 ファースト〜サード:ゴーレム2〜4号

 ショート:ゴーレム5号

 これで内野守備は固まった。

 問題は、動き回る必要がある外野と、打撃(攻撃)だ。

「キャルルはセンターだ。その足で、外野に飛んだ球は全部拾ってくれ」

「任せて! 空中の球だって蹴り落としてみせるわ!」

 キャルルが頼もしく尻尾を振る。

 リーシャはレフト。魔法で遠距離からの送球サポートができる。

 そして……残る一枠、ライト。

 そして何より、点を取るための『4番バッター』が必要だ。

 俺はチラリと横を見た。

 そこには、一人だけ蚊帳の外で、寂しそうに剣を磨いている金髪の騎士がいた。

「……クラウスさん」

「ん? なんだい? 私はてっきり、応援席で旗を振る役かと思っていたのだが」

 クラウスがいじけたように言う。

 こいつ、意外と繊細だな。

「あんたには一番重要な任務を頼みたい。……このチームの『主砲』になってくれ」

「主砲……? 大砲の役目か?」

「そうだ。敵が投げてくる剛速球を、その剣……いや、バットで打ち返して、遥か彼方へぶっ飛ばす役目だ」

 俺は説明した。

 野球というスポーツ(決闘)のルールを。

 敵の球を打ち、ベースを回り、ホームに帰ってくること。

 そして、4番バッターとは、チームで最も力が強く、頼りになる男が務めるポジションであることを。

「……なるほど。つまり、敵の攻撃(投擲)を剣技で迎撃し、敵陣深くに斬り込む特攻隊長ということか!」

 クラウスの碧眼がキラキラと輝き出した。

 解釈はだいぶズレているが、やる気には火がついたようだ。

「いいだろう! アルヴィン家の騎士道精神、このバットとかいう棍棒に乗せて見せてやろうじゃないか!」

「頼もしいぜ。……ただし、剣は禁止だ。代わりにリーシャ特製の『これ』を使ってくれ」

 俺はリーシャに目配せした。

 彼女が取り出したのは、PCの設計図を元に、この遺跡周辺で採取した『竜骨』と『ミスリル』を合成して作った、特注の金属バットだ。

 見た目は棍棒に近いが、グリップには魔力増幅回路が刻まれている。

「ふむ……重心のバランスは悪くない。だが、剣ではないのが心許ないな」

「大丈夫だ。あんたの『ライトニング・ブレイク』なら、ボールごと空を割れる」

 俺はおだててバットを握らせた。

 これで役者は揃った。

 1番(中):キャルル (スピードスター)

 2番(左):リーシャ (魔導スナイパー)

 3番(投):俺    (ジャイロボーラー)

 4番(右):クラウス (雷光の破壊神)

 5〜9番:アース・ナインズ(鉄壁の守備マシーン)

「おい人間! 準備はいいか! 日が暮れるぞ!」

 マウンドでドラケンが吼える。

 俺たちは円陣を組んだ。

「いいか、相手はドラゴンだ。普通の野球じゃ勝てない。……だから、俺たちの『現代野球(魔改造)』を見せてやるんだ!」

「「「オォォォッ!!」」」

 俺たちはフィールドへと散った。

 さあ、プレイボールだ。

 異世界最強種族VSインチキ混じりの人間チーム。

 絶対に負けられない戦いが始まる!

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