第七話 怪しい連中
怪しい連中
死ぬほど疲れて、一階に降りると、コーヒーの良い匂いがした。「早くご飯食べてね〜出かけるから」
「あー出てくれていいよ、朝の食器くらいは、洗っとくよ」と言うと、「そう?!、じゃあ、お願いね」と言って、母親はエプロン外して、準備にかかった。今日は何処かに遠出するらしい。
すると、玄関でピンポ〜ンがなった。
「あら、梨子ちゃん、ごめん、隆を頼むね」
「あはようございます。わかりました。隆はちゃんと学校に連れて行きます」と、梨子が言って、台所まで入って来た。
「おい、早速か?!、俺幼稚園児ぢゃねえぞ」と言うと、中学生の妹は、
「あれ〜ぇ、二人付き合い出したの?!ひゅーひゅー」とか、言い出した。それを観ていた親父まで「ひゅーひゅー」とか、言い出した。
梨子は家の中に入って来て、隆の空いた皿とかを片付け出した。
「飯くらい、ゆっくり食わしてくんね」と言うと、
「駄目よ、遅刻ばっか連チャンぢゃん、また教頭に怒られるわよ」とか言われた。
教頭と隆は犬猿の仲だった。なまじっか校長と隆は、仲が良かったので、それが気に食わなかったのだ。男の嫉妬は結構面倒い。
校長も、昔はヘビメタやハードロックをやっていた。それで隆と気が合う。昔のパフォーマーというMacのソフトを使っていて、軽音の部室で、今の比較的新しいデジタルパフォーマーを使っていると、「それオモロイやん、俺にも教えてくれよ」と言われてから仲良くなったのだ。しかも隆の祖父が使っていた、初期のデジタルパフォーマー4を複製してあげると、校長は、知らんぷりして、未だに昔のMacで違法コピーのアプリを使い、多重録音して遊んでいるのだ。
実は校長も、隆と似たような所があるので、二人は割と仲良しだったが、犬猿の教頭とだけは、仲良く出来なかったのだ。笑笑
とにかく、何事にも小さく、細かい男だった。堂々としてる人間が生理的に嫌いだったのだろう。何かにつけ、隆に食ってかかって来た。特に遅刻はうるさかった。
「そろそろ行くか?!」、「うん」で隆の家を出発すると、妹が追いかけて来て、色々聞きたそうだったが、振り切って学校に向かった。学校の手前まで来ると、自転車に乗った二人組がこっちを見ていた。
「なんか感じ悪いなぁ〜」
「ひとりの方は、校務員さんみたい。なんか外国人の血が入っているか知らんけど、目の色が少し変わっているのよ」、
「ふ〜ん」、
あまり気にせず、二人は学校に急いだ。
教頭が門番で、イライラしながらこっちを観ていたが、無視して校舎の中に入って来た。
始業時間が来て、先生ともう一人女の子が入って来た。
続く〜