第四話 デビュー
デビュー
隆のデビューが決まり、もうテレビ放送もされている。Netflixや、Amazon primeにも上がっていた。
隆は、主題歌を歌ってもいるが、基本は楽曲提供だけで、表には出ない様な感じだった。
しかし、物凄いキャッチャーな曲だったので、
「るびぃ〜ちゃ〜ん♪!!」レベルで、TikTokもバズっている。皆んなが、色々真似している。
なので、時々東京にも来てくれないかと言われているが、面倒くさいので行ってない。
とりあえず、高校だけは卒業したかった。
だが、楽曲は、所詮は怪物に貰った曲だ。自分自身の曲ではない。
怪物の言う様に、これからが勝負だ。もうすぐ夏休みが来る。それまでには、自分の完全オリジナルを作りたかった。最初は喜んでいた隆もやはり自分のオリジナルでないと納得していなかったのだ。
そんな時にまた、怪物が現れた。
「どうだイイ曲だっただろう、世に出れたしな笑笑」
「ああ、でも俺の曲ぢゃないしな」、
「馬鹿だなぁ〜お前、あれはお前の曲だ。
シンギュラリティと言うのを聞いた事があるだろう。
あれはお前が進化して書き上げる曲だ。
なので、少しだけお前の脳みその時間を、進めておいた。お前が気絶してるうちに自分で書いたものだ。時に、人間が神に捧げるのは、最初は、シンプルな知性と文化だけで良かったのだが、コンピューターやAIが出て来て、もう、存在も危ないよな。笑笑、人間が、この世の最高峰で、神のうい奴で居たい時間を長くするなら、少しでも進化するしかねぇよなぁ、お前ら人間は。お前が生きてる間は、お前の音楽のセンスを神に捧げるんだな。必要が無くなったらお前は死ぬが、お前の知性とセンスは後世に残る」笑笑
「ああ、今時の怪物は、哲学者や科学者みたいな事を言うのだな」笑笑
「ただ、調子に乗るな!!今後つまらん曲しか書けないなら、ただのサラリーマンか、「昔は〜」とか言うチンピラミュージシャンで終わりだ。肝に銘じておけよ」、
「わかったよ」、
「それと、気づいていると思うが、次は政治家をやれ!!、他の連中も炙り出さなきゃだから、もう少し時間がかかるかもだが、その前に」
「その前に」、
「その前に?!」
「まあ、雑魚何人かやって貰ってから言う」、
「結局やるんかい」笑笑
「とりあえずお前は曲作ってろ」
「わかった」
正直今の話しで、隆は心の荷が降りた。
自分自身を信じてはいるが、巷には、パクリを平気でやっているミュージシャンを何人か知っている。
そいつらは生まれつき才能がない。どうしてそんな事が平気で出来るのか隆には信じられなかったのだ。
必死こいて、曲作って完成した後に、無意識に誰かの曲や、王道のクラシックに似ていたりする。
その時は本当に泣きそうになる。
知らずに似ていたらしょうがないが、何人か知ってるパクリ野郎達は、確信犯だ。
まあ、人間的にも腐ってる連中だが、そう言う連中と会話した事があるが、見事に反吐が出る彼奴等だった。しかし、自分もある意味同罪である。
同罪どころか、笑笑 最も悪い糞犯罪者に近いのかも知らん。指は売ったが。だから正直心から安心したのはも事実だった。
それと、安心したら、二十歳も過ぎた事だし、梨子にちゃんと付き合ってくんね?!と言おうかなぁ〜と想ってしまった。笑笑
つづく〜