婚約破棄
ヴェスニッツ学園主催の煌びやかな舞踏会の会場にいる私の隣には、本来ならばエスコートをしてくれるはずの婚約者がいない。
由緒ある侯爵家の子息である婚約者のイグナーツ・ブラームスは、勢いよくホールの入り口の扉を開け放ち、皆の注目を浴びながら真っ直ぐ私の元へと歩いてきた。
その隣には、見知らぬ女性を連れている。
イグナーツが私の前に立ち、気難しそうな顔で何かを言おうとしたその瞬間…
ああ、これはついにあのタイミングが来た…!と察した私は、すかさず言った。
「婚約破棄ですよね?はい、分かりました!
大丈夫です!私のことはお気になさらず。
お二人とも、どうぞお幸せに!」
そう言い放った私の言葉に、イグナーツはポカン…とした表情で
「あ….ああ……すまない。感謝する…」
と呟き、その場に立ち尽くしていた。
パートナー不在になった今では、もはやこの場にいる意味などなく、私は颯爽と会場を後にした。
ストーリー通りに進んでいれば、私が婚約破棄された様子を、どこかでレオン王子が見ていたはずだ。
よし、やることはやった!
後は、レオン王子が話しかけくるのを気長に待とうじゃないか。
私は迎えの車に乗り込み、心軽やかに帰路についた。
その光景を興味深く思った、厄介な人物達がいたとは知らずに…
「ハハッ!面白い女だ…気に入った」
「面白い…おかげでインスピレーションが沸いたよ」
「いや~面白いもの見ちゃった♪ちょっと興味が湧いてきたなぁ」
色々な書き方にチャレンジしてみようと思い、書き始めました。
『モブに転生した私は、ヒロインの取り巻きやめて悪役令嬢を応援します!』の連載の合間に、少しずつ更新していく予定の作品です。
気長にお付き合いいただけたらと思います(^^)




