偉人 リノ・レオウルト・カルバス
ほぼ説明回
三人称視点です
リオーネ国際魔術大学。
世界中にある魔術学校とは一線を画す世界一の教育機関である。
魔術大学の名ではあるが魔術、魔導、武術、勉学と全てのことを教えている。
また、国際平和維持連盟と魔術ギルドと冒険者ギルド、さらに200か国の協力のもと運営されているため、費用、人材、質すべてがトップクラス。人材に関していうと、まだ完全に解明されたとはいいがたい魔導研究の最先端であり、世界中の優秀な研究員と王級以上の魔術師たちが20人以上常駐している。
まさに世界一の学校である。
そのため、毎年20万を超える入学希望者が入試に挑む。しかし入学できるのは年によって違うが、大体一万人以下。この狭き門を潜り抜けた者だけが未来の世界を引っ張っていく英雄の卵になれるのだ。
入学できる年齢は10歳以上で種族制限はない。
そんなエリートしかいない大学でだれもが目を追う人物がいる。
その名はリノ・レオウルト・カルバス。この世で最も強い魔術師達で、歴史上11人しかいない神級魔術師の一人でありその中でも最強と言われているため、魔術師筆頭という意味の分からない名誉職が与えられている。
この世界で彼を知らないものは、生まれたばかりの赤ん坊か、ボケにボケきった爺さん婆さんぐらいだろうといわれるほどの偉人である。
彼の功績は世界の発展に大きすぎる貢献をした。
まずは魔術の解明。
なぜ魔術があるのか。なぜ魔法というものがあるのか。なぜ生物はこの二つを操ることができるのか。
魔導最大の壁と言われたこの三つを研究に取り組んで僅か4年で彼は解き明かして見せた。これにより希少魔術の研究や、新たな魔術も発見され、新・魔導教本が出版された。
次に武具の研究。
世界でただ一人神級武具というものに選ばれた彼は、それを研究し疑似的な神級武具を造った。これにより杖、剣、盾などの武器はもちろん料理器具や照明などの家具の発展にもつながった。
これまではこの世界に満ちている謎の物質『魔魅』の利用方法は特性を考えた結果、万能エネルギーとして使っていただけで、とても有効活用していたわけではなかったが、先ほどの魔術の解明や武具の研究で、魔術や魔法などに途轍もなく大きな要因として絡んでいたと解ったために、魔魅の研究が行われ、魔魅そのものを媒体としてそこに魔力を込めることによってこれまで以上に機能性を上げることに成功した。
またこの魔力というのもリノの研究の結果、魔魅が変化したものということが判明した。
このように大きな研究結果やその他にもある細かい研究結果によって世界が一歩、いや10歩20歩前進したといってもいいだろう。
だが彼の素性は謎である。
最初に彼が世界に自分の存在を知らせたのは今から19年前。魔術ギルドへ魔術師登録を行ったときである。その時彼の年齢は13歳。
だがそれ以前のことが何もないのである。
何処で産まれたのか。親はだれなのか。家族はいるのか。
記録にもないし彼に聞いても、いやただの一般人に彼と話す時間さえないだろうが、全く喋らない。
更に謎があるとすれば外見のことだ。身長と顔つき、体つきがその13歳から変わっていない。少しだけ変化したのは17年前だ。これまで明るい茶色だった髪は白くなり、ところどころ黒い毛が生えている。瞳は黒色から右目だけ青色になった。
またその外見が変わった時期から彼はもともとあった才能をさらに伸ばした。
もともと常人の限界とされる上級魔術師でB級冒険者と歴代最年少でなっていたが、17年前からはもっと理不尽さが増した。
リオーネ国際魔術大学に入学し通常6年は修学にかかるが異次元な飛び級で1年半で卒業、研究を始めたのはこの後であり、その後発見されている魔術をほぼ全てを習得していることが、彼が何気なく話したことによって判明し、実際にその場で当時発見されていなかった属性の魔術も使い、これまでの功績も考慮され神級魔術師に。
人柄は明るく、茶目っ気があり外見が美少年のそれであるため笑顔が、かわいい。女性人気は抜群でファンクラブが世界中に広がっていて会員数は驚異の4億人超え。
決して女性にだけ人気なわけはなく、神級魔術師であることと、5年前に突然変異モンスターでA級モンスターの闇炎龍を瞬殺したこと、さらに魔術の腕前でS級冒険者になったことで全男子憧れの的だ。ついでに女性人気がさらに高まった。
さて、なぜ彼が教育者としてここにいるのか。
それは彼の望みを叶えるためだ。
彼が研究結果を私物化せずにほぼ全てを公表したのは大学側にある条件を突きつけたためだ。その条件が大学に入学してくる生徒を特別学級として自分で教育させろ、更にその生徒を自分で選ばせろということ。
この条件に付けくわえて彼は「これが吞めなかったら僕はあなた方にぜっっっったいに協力しません!一生!!死ぬまで!!!」と、いったそうだ。半ば強制といえるこれを世界は蹴ることは勿論できず、吞んだ。
ただすぐに実現できるということはなかった。理由は2つ。
一つは特別学級がどのようなことをするのかリノが教えなかったこと。もう一つはリノが多忙で時間が全く取れず授業なんてやる暇がないということ。
後者はリノとしては「やりたくもないものに自分の時間を100パーセント取られるとか最悪。全部壊したい」と意見した。
結局特別学級の内容は秘密で通され、大学側が出す費用は他のクラスとの平等性を一応意識するために費用は特別出せないということになった。これに関してはリノも文句は出さなかった。
さらに、リノは特別学級も他の学科と同じように6年の修学を見据えているといったが、流石にリノを6年間ずっと表舞台に出さないわけにはいかないため、リノがクラスを見れない時に副担任として、彼の親友である帝級魔術師ゲルゴ・ショルワルトを大学の依頼として就かせた。
神龍歴29894年1月そんなこんなでリオーネ国際魔術大学入試初日がやってきた。