先生
魔術とは何か。
魔法とは何か。
そんなものを教えるのは教師ではない。
教師というのは、いやこの場合、学校という場所を最初に説明したほうがいいね。そうしよう。
自論だが、というかこの話自体僕の頭の中の外界には聞こえない声で話しているから自論よりもちょっと前のお話。いや、でもこの話題は9年前からやってるから考えがもう変わる気がしないし、変わらせようとしても結局ほかの視点でもう一回この考えを見直すというのはできない。
ほかの視点というのがもう無いから。つまりこれは自論ということでいいのか。だがこれも僕の持論だが自分の意見というのは外界に発してこそ自分の意見として確立するから、まだ確立されていない考えを「論」として表現していいのか。
うーむ。
いつも通り僕の頭の中は停滞して、結局最初何を言おうとしてたのかがわからない。
まぁ、そんな自分が結構好きなんだけどね。
「リノ先生、聞いているのですか?」
「はい!っと、何をですか?」
目の前の、かなり若作りしているがだんだんぼろが出始めてきた、120歳前後エルフお兄さんからため息が聞こえた。
「はぁ、あなたのその悪癖、早く治したほうがいいですよ」
「それ、褒めですよね。というかそう受け取っておきますよ、校長」
「あぁ言えばこう言う、というのも変わっていませんでしたか……」
とっても失礼。
だけど本当だから言い返せないのは、悔しい。
「で、何の話でしたっけ?」
「わかりました。もう諦めました。あなたのその性格と、頭の回路を修正するのは私には無理だと思い知らされましたよ。これからはあなたに振り回されるとしましょう」
「そうですか、ご立派ですね。で、なんだっけ」
校長はちょっとだけ間をあけて云った。
「君に、この学校で、次世代の神級魔術師の卵を見つけ、育ててほしい」
「あぁ、やっとか」
僕の名前はリノ・レオウルト・カルバス。
この世界で最も強いとされる神級魔術師であり、その筆頭である。