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1.戻る平穏?

第2章の始まりです。

平穏は戻ってくるのでしょうか?

(作者だから展開をしってるだろって?そうだよ。)


1.戻る平穏?


王城奪還からだいぶ日数が経った。王城関係者がほとんど戻ってきている。いないのは、遠くに逃げ延びた人や戻るのを拒否した人、そして亡くなった人だ。クーデターの爪痕を感じる。

騎士団や魔導師団も戻ってきた。全ての部局がそろい、前のように稼働を始めている。ほぼ元に戻ったといえよう。

騎士団と冒険者との引継ぎもスムーズにいった。騎士団は冒険者たちを労った。それに対し、荒くれ物の冒険者たちは照れ笑いを浮かべている。まさか騎士団から感謝されるとは思わなかっただろう。今後は冒険者と騎士との対立はなくなることだろう。


落ち着いたところで王宮にギルドマスターを呼び、国王直々に感謝の意を述べた。そして報奨金と冒険者へのバッジを手渡した。恭しく受け取るギルドマスター。いつもとは全く雰囲気が違う。

バッジはギルドマスターから冒険者に渡してもらうことにした。対象は今回活躍した者たちである。国王から認められたという証であり、誇りである。そして、これから外部からやってきた他の冒険者とは違うこともわかるようになる。

ここには私も参加している。服装?王女のドレスだよ。冒険者の服は外出着だよ。王宮では基本着ないよ。

玉座の間で応対した時、ギルドマスターがびっくりしていた。王女とは聞いていたが、ドレスを着た姿で現れたからだ。これで本物だと認識してくれたことだろう。とはいっても嘘とは思っていなかったようであるが。


しばらくして、ヤツの公開処刑がおこなわれた。町の人々はヤツに罵声を浴びせている。石を投げつけている者もいる。ヤツは何を思っただろうか。心折られたから無気力化も。

時間が来て、ギロチンが下りる。ヤツの首が落ちる。処刑がなされた。

ヤツの首はしばらく晒しものとする。

私はヤツとは関わりたくないので、処刑は見に行かなかった…



その後、私はというと、冒険者の服の新調をするため、採寸されていた。王城脱出までは、成長に合わせて作ってもらっていた。逃亡生活では、母上が丈を直してくれたが、限界がある。12歳から14歳なんて、すごく成長する時期なんだよ。残念ながら胸はちょっとだけだったけど。くすん。まだまだ成長期なので、期待しよう。え、絶壁ではないよ。ぺちゃぱいでもないよ。少しはあるんだから。まあ、ありすぎても動きに影響するから困るんだけどね。もしかしたらそのせいでこの大きさなのかな?

その後、鎧の新調に向かう。今の鎧は11歳からのものである。バンドで調整していたが、無理が来ていた。材料はまだ残っているはずなので、さっさと新調しよう。

レッドドラゴンの身体は魔力が残っているので、魔法局の管轄である。鎧の新調をしたい旨を伝える。採寸をしたのち、どのくらいでできるのかを尋ねた。

「姫様のためならすぐに作りますよ」との返事。周りの局員もうなずいている。なんかやる気スイッチが入ったらしい。

無理だけはしないようにと言い残し、私は魔法局を後にした。


次の日、もう新しい鎧が届いた。徹夜で作業をしたらしい。無理するなっていったじゃない。

着てみると、まったく違和感がない。体の動きを阻害しない。前のは逃亡生活中に動きを阻害するような違和感を感じていた。よくその状況でヤツと対峙し、やっつけたものだ。自分で自分を褒めたい。

午後には、冒険者の服が数着届いた。いつものデザインで、色もいつもの落ち着いた赤。布地も厚みがありしっかりしている。何かに引っ掛けてほつれたりはない。着替えられるよういつも数着作ってくれている。この気遣いがうれしい。


これで、私の新しい冒険者ルックが完成した。(見た目変わらないが)



ある日の朝、執務室に父上、宰相、母上とレイ、そして私の5人が集まった。今後の予定を立てるためだ。

「王城奪還と国王の復帰について、祝賀パーティーを開こうと思う。早くしないと冬になり、移動が困難になるからのう。」

今は秋である。王城を脱出したのが春先であった。

「賛成です。行うなら遠くからくる貴族もいるので1か月後で。すぐに手配をしましょう。」と宰相。

来るのに時間がかかるのもあるが、冬になる前に帰らないといけない。場所によっては帰るのが困難だからね。

「そして、そこで第一王子と第一王女のデビュタントも行う。来年には王立学園への入学があるからな、それまでにデビュタントを行う。」

本来なら12歳の時にする予定だった。ヤツさえこなければ。

「わかりました、国王」と宰相。

「リルちゃん、あとで衣装を決めましょうね。」と母上。着せ替え人形になるのが決まった瞬間である。


その後、皆であれやこれやと話をしているところに伝令が入ってきた。

「緊急です。東の国と北の国より宣戦布告の連絡がありました。各使者が親書をもってきております。」

といって、2通の親書を出す。すぐさまレイモンドが受け取り、国王に渡す。

「あいわかった。使者は殺さず、そのまま返せ。宣戦布告は受け取った。次は戦場で、と伝えよ。」

「それと、西の貴族が結託し、こちらを襲うといっています。 肥沃な土地をよこせといって。北の国と東の国の宣戦布告を見るに、同時作戦のような気がします。」

「そうだな、裏で示し合わせてきたのだろう。」と宰相。先見の明が働いたのだろう。

「あいわかった。先ほどの件、お願いする。こちらはすぐに作戦会議に入る。」

伝令は急いで去っていった。使者を返すためである。

「宰相、関係各位を会議室に集合させてくれ。すぐに作戦会議に入る。」

「は、わかりました。」

「私はいったん出ます。会議室で会いましょう。」

そういい、私も執務室をでた。好き勝手している形になっているが、しょうがない。あとで説明するので許してほしい。


私室に戻り、冒険者の服に着替える。できたばっかりなのでアイテムボックスに入れていなかったのだ。

鎧については、アイテムボックスに入れる。会議には武器・防具はまずい。


着替えた私は、急いで会議室に向かう。会議室に入ると、すでに皆がそろっていた。

「第一王女リルリアーナです。遅くなりまして申し訳ございません。」

「問題ない。これから会議を始めるところじゃ。お主の席はこちらじゃ。」

国王に近い席があたえられた。王女だからね。やっぱりか~。

周りは私を見てぽかんとしている。ドレスではなく、庶民のような服で来たのだから。よく見ると冒険者が着るような服なのだから。


「王妃、状況報告を。」

「はい、北の国は、宣戦布告の前に動いていた節があります。今日の昼頃には砦に到着しそうだと魔法伝令がありました。」

「東の国は決起集会を開いている最中のようじゃ。帝国にはすでに連絡を入れておる。帝王は、『友好国である王国を攻めるとは何事だ。覚悟はできているんだろうな』と脅しを入れてくれることになった。」

「それで戦争をやめてくれるとよいですな。」と騎士団長。皆がうなずく。

「少なくとも時間稼ぎにはなる。その間に他を処理すればいいのじゃ。」と国王。

次に、魔導師団長から西の貴族同盟の説明だ。

「昨日、周辺をパトロールしていた騎士団・魔導師団合同チームが異変に気付いた。向こうの住民が橋を渡ってこちらに逃げてくるのだ。聞くと、西の貴族たちが、「ここは俺たちの土地とする。皆出ていけ!」と追い出されたらしい。住民が橋を渡り切ったのち、西の貴族連中も渡ってきそうだったので、魔法で橋を落とした。怒った連中から矢文が飛んできた。」

「儂にその文は届いておる。本日午後、川の向こうの肥沃な大地をいただくといった、宣戦布告の文だ。」

まったく、クーデターでは飽き足らず、自分以外の土地を欲しがるとは。

城を牛耳ようとして失敗、略奪も失敗。おまえら、いったいなにをしたいんだい?

父が指示を出す前に、声をだす。

「父上、今回は私も参戦します。私が動かないと間に合わず、被害が甚大となります。つきましては、大量殺戮魔法の使用を認めてください。」

この言葉にほとんどの人がびっくりする。特に、魔導師団長は眼を丸くして、口をあんぐり開けている。

そりゃあ、そうだろう。まさか王女が戦えるとは。そして、この世界ではイメージできない大量破壊魔法を操れるとは。

「あいわかった。その方が確実じゃな。ただしリルリアーナよ、全てを背負い込まないでおくれ。父として、それが心配じゃ。」

「わかりました。」とは答えたものの、そうなることは予感していた。

なにせ、お互いの命を懸けた戦いではない、一方的に、大量に虐殺するのだから。

「では、儂から指示を与える。リルリアーナは急ぎ北の砦に向かい、北の国の兵士を相手する。すぐに西に赴き、騎士団、魔導師団と合流して対処するように。騎士団、魔導師団はリルリアーナより先に西に向かえ。テレポートを駆使し、人員を迅速に運び、陣を整えるのじゃ。」

「「「はっ!」」」


戦争に向けて動き始めた。


戦争が勃発しました。

次回はリルちゃん、戦争に参加する、です。

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