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大阪を歩く犬3  作者: ぽちでわん
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河内街道を枚方から

1月のある日、河内街道を歩いてみることにした。

街道を歩いていると、ときどき現れたから、長いのかと思っていたのだけれど、調べてみたら枚方から八尾まで。もしかしたら二日で歩けるくらいじゃないの? しかもほぼ都会の平野部なので、寒くったって平気そう。

というわけで、枚方公園駅におりたった。光善寺駅の次の駅。1日目は行程の半ばあたり、JR住道駅まで行けるかな?と。

河内街道も昔からそんな道があったわけではなく、南北に続く道を合わせてそう呼ぶようになっただけみたい。中世の乱世の時代には京から人々が自由で平和な堺に移り住んだそうだけれど、堺に行くのにも使われた道らしい。八尾から堺へは、ずっと前に歩いた八尾街道で向かった。


枚方公園駅を降りると、西へ。京街道で歩いた「鍵屋」の方向へ向かった。左手に誓願寺があって、カラー舗装された道をそのまま北上していくと鍵屋だけれど、河内街道は誓願寺から南に向かう道らしい。

誓願寺の裏と表とに道が分かれていた。裏に進むのが河内街道で、表を進むのが意賀美神社への参道だったのかな。

けれど意賀美神社は枚方駅方面に引っ越してしまっているし、元の河内街道は消滅しているみたい。お寺の表の道を線路(今乗ってきた京阪電車)の方向に進んでいった。ひらかたパークの観覧車が見えていた。

小さな踏切に出て、踏切を渡り、線路沿いを光善寺駅方面に向かっていった。地名は伊加賀東町。イカガシコオの伊加賀ね。意賀美神社も、イカガシコオが私邸に水神を祀ったのが始まりじゃないかと言われている。

イカガシコオはニギハヤヒの子孫で、肩野物部の祖となった人。同母妹のイカガシコメが崇神天皇のお母さん。10代崇神天皇の時、いろいろあって大物主を三輪山に祀ったのだけれど、神主オオタタネコを探してきたのがイカガシコオ。他、いろいろな神の社を定めたんだって(そういう役職に就いていたらしい)。

交野あたりが本拠地だったと思われ、そこでは森古墳群が見つかっているそうだ。古墳時代前期(3世紀末から4世紀)のもので前方後円墳からなり、、箸墓古墳ともつながりが深いと思われるそうだ。肩野物部氏の古墳とされているらしく、近くには弥生時代の集落跡や6世紀頃の横穴式石室の群集墳なども見つかっている。


線路沿いに枚方パークが現れ、パークと線路との間の道(府道21号八尾枚方線)を南下していった。

左手のパークはいきなりの急坂の上につくられているから姿はあまり見えなくて、道路わきのまだ平地の部分にあるパークの裏方的な設備の横を通る感じだった。ずっと塀が続いていて、こちら側からは入れないようになっている。

枚方パークを後にしてすぐ、上をはしる1号線(京阪国道)の下をくぐる直前に、左手の脇道に入っていった。地名は走谷だった。

いきなり古い感じのところだった。空気感も違う。苔むしている岩のイメージのところだった。

左側は山のようになっている。ひらかたパークがかなりの高低差になっているのと同じように、左側に向かって高台になっていて、かつては岩のごつごつした、清流の流れる景勝地だったんじゃないかって感じがした。

寄り道せずにはいられないものがあって、最初の四つ辻で左折して、坂を上っていった。ひっそりとたたずむ神社が現れて、加茂神社だった。

近くに見える小山は走谷堂山古墳(古墳時代後期)らしかった。更に上に進む道は通行止めになっていて、なにかと思ったんだけれど、小学校だったのかな?


加茂神社は初めてだった。祭神はカモの大神。つまりアヂスキタカヒコネなのかな? シタテルヒメを妹に持ち、味原あたり(鶴橋近く)に降臨し、産湯稲荷神社の井戸を掘ったと伝わる人。

説明には面白いことが書かれていた。神武天皇が国をつくるにあたり、畿内の豪族として大功していたカモの大神に山城の国を賜った。カモの大神は民生に努め、下鴨神社に祀られた。

そのカモ大神を、桓武天皇の勅願で和気清麻呂がここに勧請した。

それで社家の人々が多く移住してきたのだって。社家って、代々神職を世襲してきた氏族のことらしい。

神社って、古くは各氏族が自分たちの祖神を神社に祀ったものの他、勅命(天皇の命令)によって国事として神の社が造られることもあったみたい。イカガシコオがやっていたのはこの仕事ね。勅命で神社を造った場合、神社を祀る氏族も定められたりしていたみたい。

下鴨神社も、ここの加茂神社も、国事として祭られ、社家(加茂氏)も定められたんだな。

宗教による国づくりみたいだ。新しい神社をつくらせ、社家をやって、そこに集落ができて、田畑も増えるって政策だったのかな。

加茂神社は丘につくられ、丘の下は「走井」といったそうだ。そこが今の走谷であるらしい。御手洗川が流れていて、そこで社家の人々は禊を行っていたのだって。

一時はさだ神社に合祀され、また戻ってきたそうだ。かつては大きな境内だったようで、宮前などなどの地名も残っていたのだって。

そして正式名称は「加茂健豆美命神社」らしい。加茂健豆美かもたけずみ命って、カモの大神のこと。下鴨神社では「賀茂建角身かもたけつぬみ命」となっているそうだ。

神武天皇の妻、ヒメイスズタタラヒメのおじいちゃん。ということは、カモの大御神ことアヂスキタカヒコネとは別人なんだな。アヂスキタカヒコネはもっともっと昔の人だから。


元の道に戻って、続きを歩いていった。

京阪電車沿いの21号線は面白くないけれど、その少し東側を歩いて行くと面白かった。くねくねした、迷路みたいな道を、あまり高台には上らないように南下していった。圓養寺やさだ神社の鳥居のあたりは見覚えがあった。

やっぱり古さが堂に入っているところで、東高野街道で見た水郡邸と同じような土塀も普通にある。途中で、枚方市から寝屋川市に入ったようだった。


香里園駅に近づくと、南下できる面白い道はなくて、21号線を歩いた。

香里園って、戦前に京阪電車が造成したニュータウンだったそうだ。元は友呂岐村といい、香里遊園地ができた。後にそれを移転させたのが今のひらかたパーク。遊園地跡は高級住宅街になったんだそうだ。それでちょっと変わった町の造りなのかな。

時々、立派な大きな石が積まれた上に立派な家が建てられたりしていて、戦前の高級住宅ってやつだと思われた。

そのままずっと21号線を、そのあと、合流した外環を、寝屋川(川ね)あたりまで南下してもいいようだった。けれどまた東側が面白くなり、せっかくなので、東側のいろいろなところに寄りつつ南下していくつもり。

このあたりには、友呂岐神社や秦河勝の墓なんかがあるらしいのだ。


このあたりは、枚方公園や走谷、さだ神社あたりとは違って、勾配が急峻じゃなく、なだらかな丘って感じだった。東に向かって緩やかな勾配になっていて、いい雰囲気の上り坂がある。

特に雰囲気のある道に入っていき、見えている緑の方に進んでいった。周りには古いだけじゃない、大きな家々があった。地名は郡元町だった。

進んでいくと友呂岐神社あたりだった。階段になっている参道から友呂岐神社に行ってみた。おかあさんのバッグで。

前に京街道を歩いた時、ここからそう遠くない木屋あたりで鞆呂岐神社に行ったことがあった。古代から天皇直轄地だったところ(茨田屯倉)で、後にも鞆(友)呂岐荘なる天皇の荘園だったというところ。

そこが後に友呂岐村になったんだな。

神社の説明によると、「鞆」は天皇の立派な姿を現し、「ロギ」は神のことであるらしい。・・・ちょっとこじつけに思えたけれど。

15世紀、後土御門天皇が近くに住まい、八幡さんを祀ったのが始まりらしい。そこに太間神社、三井神社、田井神社が合祀されて、地名から友呂岐神社となったのだって。三井神社を合祀したことで、三井の古くからの「お弓神事」も行っていることをアピールしていた。


「鞆」(トモ・古くはホムタ)って、弓具の1つだそうだ。

応神天皇は名にホムタがつくけれど、それも「鞆」を生まれながらに持っていたからとか言われているそうだ。鞆の浦ってところがあって(広島)、そこに鎮座する神社(沼名前ぬなくら神社)でもお弓神事が行われているそうだ。

いろいろ注意書きの多い神社だった。「素通りしないでください。神社は公園ではありません」云々。

ここは一帯で一番の高台になっているあたりかと思われた。裏から出ると、「⇒成田山」の矢印があった。神社の注意書きには「成田山の古札は成田山へ」というのもあったし、近くなのかな? と。


ついでだから成田山にも行ってみようと、矢印に沿って坂を下っていった。

それから寝屋川(川)あたりまで、広い車道を行く代わり、あちこち寄りながら南下していった。

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