田辺氏
家に帰って田辺氏について調べてみた。
百済系渡来人で、発祥地は河内国安宿郡とされている。
郡はいくつかの郷で構成されていて、安宿群には賀美郷、資母郷と尾張郷があったそう。そこにある式内社は4つ。伯太彦神社と伯太姫神社と前に竹内街道歩きで行った杜本神社、飛鳥部神社。
飛鳥部神社は今の羽曳野市飛鳥、まだ歩いていないところだけれど、これも竹内街道あたりにあるらしい。飛鳥は奈良にあるけれど、大阪にもあって、「近つ飛鳥」と呼ばれていたみたい。奈良は「遠つ飛鳥」。
飛鳥部神社は5世紀、雄略天皇のときに人質としてやってきた百済王族、コンキ王の子孫、飛鳥戸さんの神社だそうだ。古い書物の中には「百済氏の祖神、俗称スクナヒコナ」を祀ると書いてあるものもあるらしい。
昆支王は当時の百済王の弟だったそうだ。
コンキ王が日本にやって来て14年後、高句麗によって百済は首都が陥落、国王だった兄は殺されている。
雄略天皇が与えたとかいう土地でその息子が国を再起。けれど間もなく暗殺される。さらにその息子が13歳で即位したけれど、間もなく死亡。
日本にいたコンキ王の息子が新王として赴いた(479年)。この時、雄略天皇が500人の兵士をつけたそうだ。そしてこの人の孫が聖王。日本に公式に仏教を伝えたとされる人。物部守屋が難波の海に打ち捨てたという仏像を贈った人ね。あと、ヨサミのアビコにも仏像を贈った(それを聖徳太子が祀ったのがあびこ観音)人。
高井田では5世紀後半の百済の王族のものと思われる高井田山古墳も見つかっているそうだ。
百済の最後の国王(聖王のひ孫の孫にあたる)の息子、百済王善光が日本にいたのは7世紀。そのずっと前、百済王族や、一緒に渡来した百済の人々が近つ飛鳥に住んでいたんだな。
高井田山古墳群の被葬者はコンキ王かもしれないんだな。
雄略天皇の頃、飛鳥戸に田辺史伯孫なる人がいたそうだ。
コンキ王が日本にやって来て4年後くらいの話として記紀に「応神天皇陵での不思議な話」が記載されている。
田辺史伯孫は、娘に会いに婚家の古市へ。馬を連れての帰り道、天皇陵の近くで赤馬に乗った人に会う。いい馬だなあとうらやましく思っていると、馬を交換してもらえた。よろこんで連れて帰ったけれど、翌朝になると赤馬は埴輪の馬になっていた。伯孫さんは再び天皇陵に行ってみた。天皇陵の埴輪の馬の中に自分の馬がいるのを見つけて、赤馬だったはずの埴輪と自分の馬を交換した。
この田辺史伯孫が田辺氏の祖とされているようだった。そして、玉手山に祖神を祀ったのが伯太比古神社と伯太比売神社だとされているみたい。
安宿に住んでいた渡来人だったなら、コンキ王と一緒に渡ってきた人だったのかもしれない。
どうして伯太なのかは分からないけれど、元は伯太だったそうで、伯孫さんの祖先が伯太だったとかかな?
伯太神社を氏神とする人々が、飛鳥時代にここから和泉に行って和泉市伯太町が、九州にも行って博多が生まれたとも言われているそうだ。中和泉街道歩きで信太近くの伯太町の伯太神社に行ったけれど、あれは和泉に行った田辺氏が伯太彦と伯太姫を祀ったものらしい。
そして東住吉区にある田辺(西田辺、南田辺など)も、この人たちが移り住んだところなんだって。難波大道あたりにあって、住吉大社の神馬の飼育を行っていたという田辺。
田辺史は西文氏の元で文官として働いていたそうだけれど、馬に関しての知識ももちあわせていたのかな。渡来人だったから?
なんだか釈然としないものはあった。
どうして田辺と伯太を使い分けたんだろうとか、あの伯太姫神社のただものじゃなさは、もっともっと大昔からのものだったんじゃないかとか・・・。
だいたい昔の人々は、地名や役職や位で呼ばれることが多かったから、同じ名前でも違う氏族だったりする。田辺さんと言っても、田辺に住んでいた人たちはみんな「田辺だれそれ」で、全く違う出自だったり。なのに田辺史伯孫、藤原不比等を養育した田辺氏、伯太彦、姫神社を祀った人たち、住吉大社の東の田辺まで、みんな結びつけているのってどうよ。
伯孫は10代崇神天皇の子のトヨキイリヒコの子孫のオオアラタワケの更に子孫で、その孫が飛鳥時代、安宿にやって来て田辺氏になったとかいう話もあるみたい。東住吉の田辺氏の氏神らしい山阪神社に祀られるのはアメノホヒだし。
伯太彦神社と伯太姫神社が鎮座するのは玉手山だけれど、玉手って、「王宮の守り人」みたいな意味だそうだ。そして葛城氏族には玉手氏がいたらしい。
タマテとタナベって似ていないかな。もしかしたらタマテからタナベになったってことはないのかな?とか思った。
大和への入り口である大和川を守るタマテたちが住んでいて玉手と呼ばれ、やがて平和になってくると田んぼだらけになって田辺へと変化。
そしてここ、田辺に住む氏族はみんな「田辺」を名乗るようになり、京田辺や、東住吉に移っていった・・・のではないかな。




