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たじたじ

「じゃ、バラす」


「明日、学校で言い振らす」


「次は山吹シンジは陰キャのフリした

イケメン男子だって」


「いや、それ、マジで勘弁してよ」


「じゃ、キスして」


強請られていた...


「まさか、そんなにイケメンだったとは

思いもよらなかった...私の初キスあげるから?ね?」


「いや、ちょっと...」


ソファに座り、めちゃめちゃ身体の密着。

しかし、何故、清楚系になってるのかは

依然として謎。


「その、清楚系の見た目でぐいぐいくるって

おかしくない!?」


「もともとは、ギャルじゃないもの。

無理してメイク頑張ってギャルを演じてただけだもん」


「だからね、陰キャのまんまで、

自然体で生きてて、山吹シンジくんのことは

前から気になってて、いいなーって。

一緒にいたら楽だなぁって。

メイクもそんな頑張んなくていいし?何より

優しいし、、、」


「電車でお年寄りに率先して席を譲るとことか?なんだかんだで、女の子用品、コンビニに行って買ってきちゃうとことか?」


「よく見てんな...」


「まーね、気になってたからね」


「で、本題に戻すと。

私はギャルだけど、実は地味なカッコが

大好きな女子」


「派手派手のつけまつげメイクより、

ナチュラルメイク派。

もしかして、その赤面してる顔から察するに...

こーゆー見た目の子好き?」


「正直に言おう...だ、大好きだ...」


「じゃ、ちゅってして?」


「だから、そーゆーことは、バイト上、

無理で...」


「んー、じゃあ、今日で辞めればいいじゃん、てか、辞めてほしいな、、」


「生活のため、やむなくさぁ、、、」


「このバイトもやってるわけで...」


「じゃ、みんなに正体、言っちゃっても

いい?」


「そしたら、多分、、、モテるよ、

マジで、、」


難しいところだな...


「...キスはできない。

レンタル彼氏もやめられない」


「じゃ、交渉決裂ね」


「今日のデートはこれで終わりでいいから、

それじゃ...」


彼女は肩かけカバンを持ち、


俺に対して背中を向けた。


「明日、大変なことになるんだからね...」


そんな重い捨て台詞の残して。


翌日。

俺の足は重かった。

学校行きたくねぇな...


陰キャな見た目だが。

俺が実はレンタル彼氏してること。

女子達に知れ渡るなんて。

チヤホヤ、、されるのか、それとも、、

「シンジくん、おはよ」

「昨日はありがと。私とデートしてくれて」



びくっとして振り向くと。

橘ヒナタだった。


「お、おう...」


「おまえ、昨日と同じ黒髪...」


金髪ギャル、やめていた...。

不良やギャルだけのこの高校で。

その清楚系な見た目は、逆に目立つ。


「真面目に授業受けるわよ、今日から。

山吹くんのように」


「底辺高校だから。勉強してると、

馬鹿にされるけど、私、山吹くんから

勇気もらったからさ...」



「あ、あ、あ、あのさ、

俺の...俺のバイトのこと、もう言いふらしちまったか!?」


「も、も、も、もし、まだなら、

い、今、き、キスしてそれで、

黙ってて貰えたら嬉しいんだけど...」


「ふーん、そしたらじゃあ、お願いしよっかな...」


「今、登校中のみんなが見てる前で

ほっぺじゃなくて、ディープなキス

...」


ちょっと、そのお願い、

過激じゃね?



生徒はまばらだが。

俺たちが目立っているといえば、

目立っていた。


校門のとこで。

俺は葛藤を迫られていた。


「陰キャと、隣にいる、地味女、

誰!?」


「なに、見つめあっちゃってんの!?」

大分あとになって。

清楚系黒髪眼鏡女は、あの、

橘ヒナタだと判明するのだが。


俺は取り敢えず。頑張って

彼女と、ふっかい、ちゅーした。


「...っ」


「これで、カップルってことよね?」


眼鏡越しに見える、

綺麗な切れ長の目が。

なんか、マジな目して俺の目見つめてて。

ある意味、怖、、



このあと。橘ヒナタが、陰キャな見た目に成り下がったことが、大きな話題を呼んだ。

更に俺と付き合うことになったことも。


「なんで、あんな山吹みたいな陰キャ男がいいわけ??」


「さぁ、、?よくわかんないな」


「橘ヒナタ、金髪のほうがいいと思うのにな、なんで見た目、下げちまうんだか...」


俺の正体はおかげさまで暴かれなかった。


これは後でヒナタが話してくれたこと。


「バラすつもりなんて、はじめっからないわ。

だって。モテモテハーレム主人公さまに

なったら、絶対、浮気されそうだもん」


「シンジくんを誰かに取られたら、マジでイヤだからさ」


「そ、そうか...」


ある日の土曜日。

俺とヒナタは今日もべったり

一緒に帰ってる。


「明日、バイトなんでしょ?

誰とデートすんの?」


「クラスのボスギャル...」


「イチャイチャしたら許さないかんね!」


「お、おう。あくまで仕事の範囲内で

やるよ...」


俺に。

清楚系ヤンデレ彼女ができ、

ある意味、タジタジなのでした。



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