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脅し
俺がいやいやマスクを外したら。
いきなし、ヒナタの態度が変わった。
「随分とー!
上手く化けたわね?山吹シンジくん」
「?なんのこと?」
「バレバレだかんね。
私には分かんのよ。あんたが実は陰キャなフリしてる男前男子だって...!」
「?いや、俺の本名はそんな名前じゃないし...」
「あ、目を逸らした!バカね。
嘘つくの下手すぎだかんね!」
「...っっ!」
「よく分かったね...まぁ、
声で分かるか...」
「あったり前でしょ、喋れば分かるって。
学校であれだけ会話してんだから、
耳に残ってるって!あんたの声」
「そっか...」
「俺の正体、学校では内緒にしてほしいんだけど、いいかな...」
「うーん、まぁ、レンタル彼氏のバイト、
やめるって言うなら考えてやんなくもないよ?」
「え」
「取り敢えず、次はカラオケ!
いこ?」
「う、うん...」
答えを出さぬまま、カラオケ家に連れ込まれたけど。
「ここでキスしてくれるんなら、
黙ってよっかな...?」
「え、それはだめなやつだから。
バイトの規約上!」