表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トーキョー・アサシン 隔離都市東京特別治安維持課  作者: 三上 渉
第九章:資格者達は玉座を目指し、その命は最後の輝きを見せる
94/105

収束する運命


「7」「8」との闘いからしばらくの時間が経過


「・・・よし。これでパーツの交換は完了だ、右腕の調子はどうだ? 「13」」


「13」の義手の調整を終えた冬香が「13」に向かって問いかける


「ああ・・・」


「13」は右腕の関節を肩から指先まで順に動かし、確かめていき・・・


「・・・問題ない」


と、一言呟いた

だがその答えに対し、冬香はやや表情を曇らせながら言う


「・・・現状、その義手の調整はこれが限界だ。私はダメになっていたパーツと予備のパーツを交換しただけ・・・。安栖研究主任の居ない今、その右腕を完全な状態に戻す事は出来ない・・・」


そう言いながら俯く冬香に対し、「13」は軽くその肩に手を置いて言った


「心配するな。確かに右腕の状態は万全とは言えないが、あと一戦ぐらいなら戦える」


万全には程遠い状態の右腕

今の状態ではもう「十字銃術クロス・ガンアーツ」も使えないだろう


しかし、既に戦局は最終局面へと達している

「7」と「8」という主力の一角を失い、多国籍軍の侵攻に対する接続者達の動きも鈍い

もはや「1」の手元に残った戦力は少ないと見るべきだろう


「恐らく次で終わりだ。あとはあのナンバー・「1」を殺せば全て終わる・・・。それまで保てば十分だ」


冬香に向かってそう答えると、「13」は立ち上がり装備を整える。そして・・・


「カズヤ・・・借りるぞ」


カズヤの持っていた銃剣付きのハンドガンを1艇、ホルスターに差し込んだ

そして


「・・・行くぞ冬香。多国籍軍とかち合わない様に迂回しながらスカイツリーを目指す」

「・・・ああ。分かっ・・・」


だがその時、「13」に続こうとした冬香の身体がフラリとよろけ倒れる


「冬香!?」


すぐさま「13」は冬香の元に駆け寄るが、冬香は問題ないと言った様子で首を振ると言った


「済まない・・・どうやらまだ毒が身体に残っている様だ。しばらくは動けそうにない・・・」


そう言うと、冬香は近くの壁にもたれかけながら「13」に向かって続けて言う


「先に行け「13」。私も動ける様になったら後を追いかける」

「だが・・・」


ここはグラウンドゼロの内部、しかも現在多国籍軍と接続者達が争っている最中

やや戦線から離れているとは言え、決して安全とは言えない場所だ

冬香を一人残して行く事にはリスクが生じる


一人で先に進む事を躊躇う「13」に対し、冬香はフッと笑みを浮かべながら言う


「心配するな、父さんの仇を討つまで死ぬつもりはない。戦闘に巻き込まれない様、慎重に行動するさ。そして必ず追いつき、お前が「1」を殺す所を見届ける」


真っ直ぐな視線を向けながらそう告げる冬香

その言葉に対し「13」は、ゆっくりと頷くと立ち上がり・・・


「分かった、俺は先行する。・・・必ず来い、冬香」

「ああ、必ずだ・・・!」


そして「13」はその場に冬香を残し

「1」が居るであろうスカイツリーに向かって、暗闇の中を疾走するのだった











「13」が行動を再開した頃から、ほんの少し時間は遡り・・・


「・・・ふう、まあこれぐらいでいいじゃろ。後はこやつ自身の生命力に賭けるしかないのう」


軽く息を吐きながら立ち上がる女の姿

暗殺者ナンバー・「4」の姿があった


その時、「4」の耳元の通信機に通信が入る


「「4」、聞こえている?」

「双葉か。もちろん、感度良好じゃ」


それは「4」の監査官にして暗殺課のトップ、吹連双葉の声だ


「しばらく応答がなかったけれど、何をしていたの?」

「ん? なに、少し人命救助をな」


その「4」の言葉に怪訝な表情を見せる吹連

だがすぐに気持ちを切り替えると、「4」に向かって言う


「・・・まあいいわ。報告よ、「7」と「8」が死んだわ」

「何?」

「暗殺者達との闘いの後、反応が消えていたのだけれど。少し前に南東の両国の辺りで反応があったの」

「両国? 霧生監査官が居た場所か?」

「ええ。彼女の持っていた外部電脳搭載型の試作通信機、それを通して、「7」と「8」の位置をアイリちゃんが感知した。そしてしばらく交戦状態にあった様子だったのだけれど、反応が消失。戦闘に敗北して死亡したと見られるわ」

「なるほど・・・。ではまさか・・・「7」と「8」を倒したのは」

「「13」よ。どうやら生きていた様ね」


その言葉を聞いた「4」は思わずクックと笑みを浮かべる


「そうか・・・生きておったか・・・! まあ儂の弟見込んだ男、そんな簡単にくたばるとは思っておらんかったがな! クックックックッ・・・!!!」


笑い声を上げる「4」の様子に、吹連はあくまで落ち着いた様子で言う


「ともかく・・・。「4」、これで奇しくも状況は以前に想定した形通りとなったわ」

「ふむ・・・」


笑うのを止め、「4」は吹連の言葉に耳を傾ける


「どの組織の思惑からも外れ、単独で「1」の命を狙うイレギュラー「13」。「5」「7」「8」を失い、もはや自らが動かざるを得ない状況に追い詰められた「1」。それらに対し我々暗殺課は、「9」と裏切り者の「6」を失ったものの。「4」、貴方という最大の戦力を温存する事が出来た」


生き残った資格者は僅か3人

「1」「4」、そして「13」


「私達の目的である「1」の暗殺。それを確実に遂行する為、まずは「13」が「1」に仕掛けるのを待つ」

「・・・」

「その隙を付いて、貴方が「1」を仕留める。これが最も確実に任務を達成する作戦よ」


そう告げる吹連に対し、「4」は質問する


「「1」との闘いで「13」が生き残れると思うか?」

「まず無理ね。いくら「13」が「7」と「8」を倒せる程までに成長していたとしても、あの「1」を相手にして勝てるとは思えない。けれど、隙を作るぐらいは出来るはず・・・。貴方が狙うのはその瞬間よ」


その時、「4」は吹連に向かって静かに問いかけた


「・・・「13」を捨て駒に使えというのか?」

「・・・以前も言ったわね。私は「どんな手段でも使う」、今はこれが最善よ」


双葉の言っている言葉は正しい

それが最も合理的な行動であると、「4」は理解していた


しかしその言葉に対し

「4」は目を伏せしばらく考えた後、こう答えた


「・・・いや、「13」の到着を待っている余裕はない。儂がこのまま直接「1」を叩く」

「なっ!? 何を言っているの「4」!」


動揺する吹連に対し、「4」は冷静に告げる


「東側の戦線が崩壊した以上、内ゲバから立ち直り多国籍軍が押し寄せるのは時間の問題じゃ、「13」を待つ余裕はない。それに「7」と「8」との戦闘で「13」が無傷であるとは考えにくいからのう。いざ現れたとしても何の役にも立たん可能性の方が高い」


よくもまあ、こんなに思っても居ない嘘がペラペラと口から出る物だと

「4」は心の中で自嘲しながら吹連に向かって言う


(だが・・・「13」を「1」と戦わせる訳にはいかん・・・。双葉の言葉だけが理由ではない、嫌な予感がする・・・。「1」と戦えば「13」は必ず死ぬという予感が・・・)


だがそれはさせない、必ず阻止する・・・!

たとえ・・・この命に代えてでも・・・!


(その前に儂が奴を殺す・・・! それで全てを終わりにする・・・!)


そう決意すると、「4」は行動を開始する


「そう言う訳じゃ、儂はこのまま「1」の元へ向かう」

「危険よ! 「4」!!! いくら貴方でも・・・!!!」

「いくら儂でも? クック・・・笑わせるな。儂に勝てる奴などこの世に存在せん、あの「1」であってもな。何、心配するな。儂がとっととナンバー・「1」を殺して全て終わりにしてやる・・・!」

「「4」!!! 待ちなさい「4」!!!」


そして今までにない程の速度で「4」は走り出した!


目的地は東京スカイツリー

迂回も寄り道もしない、真っ直ぐにその塔へ向かって疾走する・・・!


「・・・すまんな双葉。だがこれが最後の我儘じゃ」


5年前に拾った白髪の少年

彼に対して自分がどの様な感情を抱いていたのか、抱いているのか

それは自分自身ですら理解出来ない程、複雑怪奇な感情だ






師の様に? 恋人の様に? はたまた・・・?


いや、もうそんなのはどうでもいい


あやつの未来を儂が切り開く、理由はただそれだけでいい・・・!






もはや一切の迷いもない

暗闇に包まれた東京を走り抜ける「4」。その時・・・!


「ッ!!!」


突然、足を止める「4」!!!

その視線の先に居たのは・・・!


「やはりお前が来たか・・「4」」

「・・・フン。ついに出てきたな・・・」


交差点の中央、「4」を待ち受ける様に立っていたその男は・・・!


「・・・その命貰うぞ。ナンバー・「1」!!!」


元シングルナンバー

暗殺課を裏切った最強の暗殺者、ナンバー・「1」の姿だった・・・!!!











No.1:Alive(生存)


No.2:Disconnection(接続切断)


No.3:Dead(死亡)


No.4:Alive(生存)


No.5:Dead(死亡)


No.6:Dead(死亡)


No.7:Dead(死亡)


No.8:Dead(死亡)


No.9:Dead(死亡)


No.....13.....?????????????????????????

/////////////////////////////*****

Un.....known

UnknownUnknownUnknownUnknownUnknownUnknownUnknown

UnknownUnknownUnknownUnknownUnknownUnknownUnknown

UnknownUnknownUnknownUnknownUnknownUnknownUnknown

UnknownUnknownUnknownUnknownUnknownUnknownUnknown

kkkkknnnnnnnnnn/////:D.....











そして、全ての運命はオリジンの元へと集う・・・

「僕」はそれを待つ・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ