表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

やり方(千鶴)

作者: 狼花

 車を運転していると体操服を着た学生が掛け声を掛合いながら走って行くのが見えた。

・・・  そういえば、桃花ってあんまり運動してないわよね  ・・・


 あの子はいつも漫画やゲームでサッカーとか体を動かして遊んでいるところを私は見たことがなかった。

・・・ 体育の授業は受けていると思うけど。少し運動した方がいいんじゃないかしら? ・・・


 「桃花、あんた少しは運動してるの」

自分の部屋で布団に寝転がりゴロゴロして漫画を読んでる桃花。

「今もやってるよ」

「寝転がって漫画見てるようにしか見えないけど」

「うん。ページをめくる時に手を使っているし、足だって時々組み替えてるよ。

 喉が渇いたら起き上がってキッチンの冷蔵庫までウォーキングするし」

・・・  そういうのを屁理屈っていうのよ  ・・・


 「はぁ、」

私はため息をついて桃花の部屋を後にする。

学校の成績はいいのだが頭がいいと屁理屈を考えるのもご覧の通り。

まだ私の方が弁が立つので言い争いであまり負けることはないが毎日ともなれば面倒になる。


 「何?そのため息。私に勉強だけじゃなくて体力測定でもいい成績を残せ、と?」

「そこまでは言ってないけど」

「だったら運動しなくてもいいじゃん」

「はいはい。私が悪かった」

「子供に色々求め過ぎ!!」

桃花は漫画を読むのをやめると少し怒りながら外に出かけた。


  最初の言い方がまずかったのだろうか。

「勉強したの?」みたいな聞き方だったので催促しているようにあの子には聞こえたのかもしれない。


 散歩をしようとか買い物に行こうと言ってあの子を誘ってから、どこかのお店でボールでも買って一緒に遊ぶ流れを作ればうまくいったのかもと、過ぎたことを私は考えてしまう。

人の苦手なものやできていないことばかり言うのは不快な思いをさせるだけよね。


  少し反省しながらコーヒータイム。

一口飲んで息を吐く。

「ふー、なんか今日のコーヒー苦いわね…」


   


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ