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記憶喪失の私が世界のどこかで頑張る話!  作者: 不治和
夜葉の世界
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夜の消えた日と陽の堕ちた日 その1

「なるほど、アンバーさんが私のお姉さんと……」

夜葉は藤原から話を全部聞いて頷いた。

前回、アンバーはみんなに内緒で外に出てしまい、挙句にこの世界の夜葉の姉である水嶋朝陽と邂逅を果たしてしまい、家に引き連れられて行ってしまったのだった。

「それで君を連れて行くか連れて行かないかを議論した結果、君を連れていく事にした」

藤原はプラチナたちに夜葉を姉に会わせることを頼まれていた。

「分かりました、会います……」

夜葉は頷いた。

夜葉はプラチナのお陰で記憶を取り戻した事も相まって家族の事が少しだけ気になっていた。

「……夜葉、少し聞きたいんだけれどもさ。こっちの世界のお姉さんたちと暮らそうとか思わない?」

プラチナは少し暗い表情をして夜葉に聞いた。

そんな浮かれないプラチナに藤原は問う。

「なんだいプラチナちゃん、夜葉ちゃんを姉に会わせたいのは夜葉ちゃんをこっちに無理矢理引き渡すのが理由かい?」

プラチナは首を横に振った。

「違います、何と言うか……夜葉ちゃんを私たちが無理矢理この世界から引き離しているみたいで……」

プラチナは夜葉の事が勿論好きだ。

夜葉とはもっと一緒に居たいと思っている、しかし……プラチナは自分と夜葉が一緒に居る事はもしかしたら夜葉にとって辛い事なのではないかと危惧したのだ。

そんないつもとは違うプラチナの考えに夜葉は少し笑った。

「大丈夫です、木葉の国に帰ります……木の葉の国(あそこ)には大切な物が出来過ぎましたし」

夜葉はそう答えた。

夜葉にとって木の葉の国は本来の居場所同然の場所になったのだ。

勿論この世界は自身を生んでくれた素晴らしい場所だ。でも異世界こそが自分の居るべき場所。

夜葉はそう考えている。

「私は異世界に戻ってアリスさんも助けますし、プラチナさんを次の魔女に何てさせません」

夜葉はプラチナに言った。

「そっか」

プラチナも頷いた。

「さっさとアンバーを戻そう」

「はい!!」

夜葉とプラチナは手を組みそう心に決め込んだ

――――――――――

アンバーは水嶋朝陽の家の玄関に居た。

アンバーは水嶋家の玄関を見渡した。

……お姉さんの家か~、やっぱりこっちの世界はとてもハイテクなんだなあ。

アンバーはそう思いながらインターホンをジーッと見つめていた。

インターホンをジーッと見ているそんなアンバーに水嶋朝陽は「靴脱いで上がりなよ」と即した。

「ア、ハイ」

アンバーはカタコトでそう言い、靴を脱いで家に上がった。

上がると同時にアンバーは家の部屋を把握し始めた。

……リビングが2つに寝室2つ、台所……風貌はやっぱり異世界の家とはあまり変わらないか……違うのは魔法道具があるかハイテクな道具があるかの違い……。

そうして上がって水嶋朝陽に部屋に連れて来られたアンバー。

水嶋朝陽の部屋は二階にあった。

二回には部屋が2つほどあり、そのうちの一つが水嶋朝陽の部屋の部屋。もう一つの部屋が誰の部屋なのかはアンバーには分からないが……。

アンバーは部屋に入るとお姉さんの部屋の散らかりっぷりに絶句した。

本棚は倒れ、服も散らかりっぱなし……唯一綺麗なのは部屋の天井付近、そして物置の上。

物置には変な人形と写真とフィギュアが置いてある。

「……スゴイ沢山物ガ倒レマクッテル!!?」

「あはは、半年くらい前までは綺麗な部屋だったんだけれどもね、少しトラブってね~片付けるのが面倒になってこのままさ」

朝陽はそう語った。

「ヘ、ヘエ~……ソウナンデスカ~……」

……思ったよりもヤバい人の家に付いて来ちゃったな、と言うかどんなトラブルなんだ~!!?

「あ、そうだアンバーちゃんをここに連れてきた理由!!」

朝陽はそう言い、部屋の物を退けるように片付けてテレビを使えるようにして、機材を引っ張り出した。

「ゲームをしながら食べ物を食べながらお喋り!!」

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