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2月
「明日、誕生日だよね。おめでとうございます」
「そんなのは普通、誕生日に言うもんだけど」
「忘れないようにということで」
「そもそも忘れちゃダメでしょ」
「保険をかけとかないと」
「またそんなことを。そうそう明日は夜景の見えるところでフレンチなのよ。この仕事を紹介してくれた人がお祝いしてくれるらしいの」
「良かったね。日本にいた時に言っていた人でしょ」
「そうそう。何かとお世話をしてくれるので本当に助かっているの」
すずさんが寂しがり屋なのは僕も重々承知していたので、誕生日を誰かと迎えられることは僕としても嬉しい気分だった。
遠距離恋愛の恋人同士の電話の頻度はどの程度が適当なのだろうか。
電話をかける回数が減る様子と、別れに近づいている様子がリンクするのだろうか。
少なくとも僕にとっては電話をかけないことと、想いが小さくなったこととはリンクしないのだが、一般論でいえばそれは後悔に対しての言い訳なのであろう。




