8月23日
すずさんの香港送迎会ということで、いつもの三人で食事をすることになった。
小籠包に舌鼓を打ちつつ、紹興酒は砂糖を入れるべきかどうかについてすずさんと佐々木さんが議論していた。
「しゅんちゃんはどっちが良いと思う?」
「僕は入れる派ですが」
「ほら、しゅんちゃんは私の味方よ」
佐々木さんが勝ち誇ったように紹興酒に砂糖を入れ、言葉を続けた。
「味付けが合わないと夫婦円満とはいかないかもよ」
「夫婦じゃないし」
「そういうところは、すぐに反論するんだから」
すずさんは少し拗ねた表情を見せた。
「遠距離恋愛になるのね。まあ、私がしゅんちゃんを見張っていてあげるから安心しなよ」
「お願いね、佐々木さん。何かあったらすぐ報告してね」
勝手に話が変な方向に進んでいるようなので、少し話題をそらすべく二人に話しかけた。
「香港で日本人相手に仕事するんだって」
「ふーん」
佐々木さんは仕事内容には興味ないようだ。
「私も一緒に香港に遊びに行っても良いの?ちゃんと別に宿とるから」
「大丈夫だよ。いつでもおいでよ。住むところも部屋がいくつかあるだろうから、何なら三人とも同じベッドでもいいよ」
「それは私がいやよ」
すずさんは悪気がないようだけど、こういうところはいつも周りが気を遣うことになる。
そして早速12月の年末の休みを利用して香港に行くことが何となく決まったところで、送迎会という名のただの飲み会がお開きになった。




