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世界が変わっても、テストはあります。

色々とある属性の中で、聖属性は、少しだけ特別です。


他の属性の魔法は、その魔法の在り方や効果、規模などを、術者が自分で考えて、それを発動させるための呪文を自分で作らなければなりません。


ですが、聖魔法は、生き物相手の術となるので、体の構造、魔法を使って何処をどのように治療し、何に影響を及ぼさなければならないか。

などを具体的に考え、それを実行しますので、術者が対象へ今から何の魔法を使用するか、対象本人や、周囲の人へ知らせる為に、呪文が決められています。


まぁ、緊急時に、今から何処をどういう形で治療するからどうこうするために何々の用意を。とか話していられませんし、一刻を争う場合、術者が数人がかりでそれぞれ別の効果の魔法を行使することもありますので、呪文が決まっているのは、大事です。




聖属性の魔法のうち、最も基本となるのは、切り傷や擦り傷を塞ぐ、『ヒール』という呪文。

これは、接着剤で傷の切り口同士をくっ付けるようなイメージなので、適性のある人ならばすぐに覚えられるものです。


しかし、傷口が大きく、酷くなるにつれて、行使する魔力量は多くなり、かつ繊細な魔力操作が必要になります。


次に、体力回復 ‐ 気力回復とも言えます ‐ をする『リカバリ』という呪文。

魔力を操作し、大気中の魔素を集め、対象の身体に浸透させる魔法です。


この魔法の注意点として、術者の魔力を直接対象に触れさせないようにしなければなりません。

他者の魔力は馴染まないですから、体調が余計に悪くなってしまいます。


そして、体内に入ってしまった毒物を排除する『ニュートライズ』という呪文。

『リカバリ』と似ていて、大気中の魔素を集め、対象の身体に浸透させるのですが、浸透させた魔素を、更に制御して、毒と魔素を馴染ませて中和させる、もしくは体外へ押し出す魔法です。


この魔法は大変難しく、中和させるのではなく、対象に水分を大量に摂取してもらいつつ、制御した魔素で毒物を汗や尿、嘔吐物と一緒に体外へ排出してもらうのが、一般的なやり方になっています。





「………、と。出来ました」


書き上げた回答に不備が無いか一読して、小さく頷きました。


もうすぐ、学園に入って初めての休暇があります。夏季休暇です。

休暇の前にあるのは、前世からお馴染みの、テストです。


まぁ、各科・専攻科目によって、それぞれではありますが、大半の科目は、普段の授業態度や日々のレポートなどで、ペーパーテストがあるのは、極一部です。


そして、Cクラスの生徒は、来年から専攻する科目のテストだけを受けます。

これで一定の点数を取れなければ、その科目は授業が受けられなくなります。


僕が今受けているのは、聖魔法の基本クラスのテストです。

あ、丁度終了の時刻です。


「さて、後は……薬草学ですね」


先生へ答案用紙を提出して、教室を移動します。

移動中も、不正防止のために皆さん無言で、距離をとって歩きます。




薬草学のテストは、十五種類の薬草を種類毎に分けて、効能を書いて提出するだけです。

六十センチ × 三十センチの箱に仕切りがあり、そこへちまちまと薬草を入れてメモ用紙大の紙に効能を記入していきます。


(書ききれません……裏面も使ってしまいましょう)


小さい頃から教会で薬師様のお手伝いをしているのです。

僕には本当に基本的なことなので、とても簡単に出来ました。


何度か読み返して、誤字や脱字が無いか確認をしていたら、終了の時刻になりました。

今日はこれで終わりです。

他の方は、まだテスト科目があったりするので、受けるテスト科目の無くなった生徒は、寮で自習になります。





「あ、カイン君」

「クリス君。君もテスト終わりましたか?」

「うん。僕は、今日は火属性魔法の基礎テストだけだったから」


寮へ帰れば、クリス君が机で勉強をしていました。

明日受けるテスト科目の復習のようです。


「クリス君は、夏季休暇はご実家に戻られるのですか?」

「う~ん。まだ迷ってるんです。寮は居てもいいみたいだけど、昼食は出ないみたいだし」

「あぁ、確か朝と夜のみで、昼間は外で食べてくるか、申請すれば、厨房を貸していただけるんでしたっけ」


僕達一年生や、S・A・B クラスの二年、三年生は殆ど実家 (領地や王都のタウンハウス) へ帰りますが、C クラスの二年、三年生は工房等に弟子入りしていたり、学園の施設を使用して実験等をするため、寮へ残ります。

寮に生徒が残るので、当然寮の施設は利用可能です。

元々、寮で働く方や先生方は、長期休暇は数人ずつ交代でとるようになっているそうです。


そして、普段から、寮の食堂は朝と夜のみです。昼は学食 (学園内の食堂) ですから、当然ですね。

なので、長期休暇中も、寮の食堂は朝と夜のみになるそうです。

道理です。


「料理は多少出来るけど、一人分っていうのが、」

「あぁ、量の調整が難しいんですね?」

「うん。だからといって、外食ばっかりもお金かかるし」


う~ん、難しい問題ですね。

僕が残るのなら、食材をシェアすることが出来るのですが……。

領地へ帰るように言われていますので、無理なんですよね。


「クラスの子に聞いてみるよ。もし残る子がいれば、食費の節約も出来るしね」


だからカイン君は気にやまないで。と苦笑されてしまいました。




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