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王宮でのパーティーです

ざわざわとお喋りしている声が、そこかしこから聞こえます。

王宮の、パーティルーム、と言えば良いのでしょうか?

僕と同じ、今年七歳になる子供達が集められたデビュタントは、主役となるのが子供のため、昼間に開かれます。


「ではカイン。私達は控えに居ますので、しっかりね」

「はい母様。行ってまいります」


保護者は別会場があるらしいので、パーティ会場の前で母様とは別れました。

開かれた状態の扉を通って入れば、お喋りの声がハッキリと聞こえてきました。

社交性のある子達は、既に数人のグループを作って楽しそうにしています。


きょろ、とゆっくり見回して、まだシシィが居ないことを確認してから、あまり人の居ないテーブルへ近付きます。

立食形式になっていて、テーブルにはちょっとした軽食やおやつが、子供でも食べやすいようにカットされて盛られています。


「綺麗ですね、シシィが喜びそうです」


盛られ方が既に芸術です。崩してしまうのが勿体ないです。

でも、お腹は減っているのです。

……く、崩さないように端のところを取れば良いでしょうか?

そっとそーっと、一口分ずつお皿にのせて、全体を崩さずに食べたいものを乗せることが出来ました。満足です。


近くに果実水もあったので、一つ取って飲食用に置いてある小さなテーブルに置きます。

料理などが置いてあるテーブルの所で食べはじめてしまうと、料理を取りたい方の邪魔になってしまいますからね。


さて、シシィはもう来ているでしょうか?

ゆっくりと見回してみると、ふわふわの銀色の髪が見えました。

数人の女の子達と談笑しています。

シシィの紫がかった銀色の髪は、艶やかでキラキラしていて、遠目から見てもとても綺麗です。シシィ本人もとても可愛いですし綺麗ですよ、勿論。


「…う~ん……」


どうしましょうか。

シシィと僕は親戚関係なので、お話をするのは不自然ではありません。

ですが、子爵家の者が公爵家の者に声を掛けるのは一般的にマナー違反です。

下位の者は上位の者に声を掛けられ、名を聞かれて初めてお話をする許可がでるのです。

まぁ、元々知り合いならばそこら辺の挨拶は省いても問題はありませんが。


シシィの周りの方達は、僕の知らない方達ですね。

仕方がないです。シシィが気付いてくれるまで、近くで誰かとお話ししていましょう。ちらほらと、僕の知り合いやお友達も来場しているようですし。


「ヨーリン、お久しぶりです」

「カイン、久しぶり。お前はまた、そんなちょっとしか食べない気か?」


ヨーリン・マックラー。

マックラー子爵家の長男です。

マックラー子爵家は、領地を持たない文官の家系で、王都に住んでいるのです。

ヨーリンは文官ではなく、騎士団に入りたいと剣の鍛錬を頑張っているそうです。だからヨーリンは七歳でも背が高く、筋肉質です。


「ヨーリンはまたお肉ばかりですか? 野菜も食べましょうよ」

「野菜なぁ…、苦いからあんま好きじゃないな」


ヨーリンの手にあるお皿には、お肉料理がてんこ盛りです。バランスが悪すぎます。

僕の指摘に、嫌そうな表情で言うヨーリンに、思わず笑ってしまいます。

好き嫌いは駄目ですよ。と言えば、へいへい、と言いながら持っていたお皿をテーブルに置いて、再び料理の置いてあるテーブルへ行き、野菜を使った料理をのせてきました。


ヨーリンの知り合いを紹介していただいたり、僕の知り合いを紹介したりしながらお話しをして食事をしていたら、シシィが此方に歩いてきました。


「カイン、こんにちは」

「こんにちは、シシィ。彼女達とのお話しはもう良いのですか?」

「えぇ、ご挨拶は一通り終わりましたわ。カインのお友達を、紹介していただけますか?」


綺麗な淑女の礼をしたシシィに僕も最近やっと慣れてきた礼を返します。

ヨーリンを紹介して、ヨーリンにもシシィを紹介した後、壁際にあるソファの方へ移動をすることにしました。

シシィはずっと挨拶とお話しをしていたらしく、何も食べていないそうなので、落ち着いて食べられるように座りましょう。


「では、マックラー様は騎士科へ行かれるのですね」

「そうですね。親父…父には了解を得ていますし、うちは領地を持たないので、まぁ、父の後継は、優秀な方がいるみたいですし」


シシィはヨーリンの話に興味を持ったのか、騎士になるための訓練についてや王都での普段の生活風景などを質問しています。

お話に夢中なシシィ、目がキラキラしています。

ヨーリンは間近でじっと見詰められて恥ずかしいのか、ちょっと照れていますね。お顔が赤いですよ。

でも、シシィはあげませんよ。


比較的ゆっくりした時間を過ごしていたら、入り口の方が一層騒がしくなりました。

三人で入り口の方を見れば、雰囲気がきらびやかな方達が会場へ入ってきました。


「まぁ、ジルベルト王子だわ」

「お隣は、宰相様の息子様では?」

「えぇ。サイナス・カンツァー様ですわ」


近くの女の子達のグループから、ひそひそ話が聞こえました。

王子様ですか。どうりでとてもキラキラしている方です。


ジルベルト・カノン・シューヴィッツ。

現国王の第二子。つまり第二王子殿下です。

そして、この世界ゲームでの王道攻略対象であり、将来シシィを処刑したり修道院送りにしたりする、浮気男さんです。

まぁ、ゲームのお話であって、現在はシシィと婚約をしてもいませんし、シシィの性格も、ゲームのような悪役令嬢とはかけ離れていますし、大丈夫でしょう。


内心で息を吐いてちら、とシシィを見たら、シシィの頬が赤くなっています。

気のせいでしょうか?

シシィの目がキラキラしてます。王子に釘付けです。


「……緊急事態です……!」


公爵様にご報告しなくてはいけません!

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