お母様は怖い
屋敷に帰って来たのはいいのですが、どうしましょう。お父様とお母様にこのことをお伝えしなくては。大丈夫かしら、お父様が猛烈に怒りそうですわ。
とりあえず、お父様の書斎の前にきた。ノックをすると、すぐに返答があった。
「お父様ミリアリアですわ。今宜しいかしら?大切なお話がありますの。」
「おぉ、ミリア帰ったか。どうしたのだ、急に畏まって」
30後半とは思えない美男子のお父様が、私に優しく話しかけた。お父様は昔近衛隊にいたこともあって、とても強いです。
「えぇ、私の一存で決められることではない問題がありますの。お母様も呼んでも宜しいかしら?」
「あぁ、そうしなさい。セバスチャン、ミシェルを呼んできてくれ。」
「かしこまいりました、旦那様。」
そう言ってセバスチャンは書斎を出ていった。セバスチャンはとても若い。だか、とても優秀だ。与えられた仕事を完璧にこなす。
「失礼致しますわ。オーロフ、用とは一体何かしら?」
ミシェルこと、お母様がやって来た。ちなみにオーロフはお父様の名前だ。
「あぁ、ミシェル。それが私も聞いていなくてな。ミリアから話があるそうだ。」
そう言ってお父様とお母様は私の方を見てきた。
「お父様、お母様。私、婚約破棄をされましたの。」
「なにっ!!どういう事だ!」
「あなた落ち着いて下さいませ。ミリア続きを。」
「はい。ジョセフ様はほかのご令嬢にご執心で私との婚約を破棄すると仰ってきましたの。しかも、私の身に覚えのない罪を挙げられて、詰られましたわ。」
「あの大馬鹿者が!浮気をした挙句冤罪を着せようというのか!!」
「ですので、私、ジョセフ様達に対して訴訟を起こそうと思いますの。」
するとお父様が言った。
「ミリア、なんていい考えなんだ!流石は私の娘だ。私は誇らしいぞ」
「そこでお父様。私にお力添えをお願いしたいのですわ。」
お父様は自分の胸を叩いて、任せなさいと自信満々だ。そしてお母様は、怒りで持っていた扇子をへし折っていました。
「私の子になんという仕打ちを。おのれ、許すまじジョセフ!」
お母様怖いですわ。
どこの家でもお母様は怖い!