表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
85/101

タコキスとか、マジ?

サブタイトル、超適当。


前回に続いて、すこし百合百合してます。

でも、女子ってこんな感じですよね?

少なくとも、姉とその友達はこんな感じなんですけど。お酒を飲んでから「結婚しよう」とか言いあってるし。

食事の後は、マダム・キャラのお店に行くことになった。


マダム・キャラ。

憶えてない方もおられるでしょう。ロッカのお母さんの友達で、このアッチラの街で服屋さんを営んでいる人だ。

前回、宣伝歌を録音にアッチラの街を訪れた際に、お世話になっている。


リリジさんは忙しいらしいので、私、ロッカ、サシャの3人で街を歩く。


ジャックはリリジさんに付いて行った。


「ふられちゃったね~」


うひひ、とサシャをからかえば、本気で睨まれてしまった。


昨日のこの時間は『聖女さま』とか何とか言っていたのと同じ人だとは思えないのですが。


「まぁまぁ、いいじゃん。ジャックもさ、思うところがあるんでしょうよ」


ロッカがフォローしてくれて、サシャはしゅんとなった。


「子供が巣立つのを見送る母親の心境とはこういったものなんでしょうね」


ふぅ、とサシャが感傷的な溜め息をつく。


んだけど。


私とロッカは大笑いしてしまった。


「なんで笑うんですの!」


「だ、だって母親って」


「恋人だっていたことないくせして」


私たちが指摘すると、サシャは顔を真っ赤にした。


「想い人がいないのは、2人だって一緒じゃありませんか!?」


ピタリと笑い声がとまった。


「それを言っちゃあ、いけませんぜ」


私はサシャと肩を組んで引き寄せた。


「キスしてみたいな」


おっとり顔のくせして超肉食系のロッカがそんなことを口走ると、ムチュ~と唇をタコのように突き出してサシャの頬っぺたに迫った。


「ちょ! おやめなさい!」


サシャは嫌がるけど、肩を私と組んでいるせいで思うように逃げられない。


見た目強気な美少女が子供のようにイヤイヤと頭を振る。


う~ん……そそられますな!


ということで、私も真似をすることにした。


「では、私は反対のほっぺたをいただきます」


むちゅ~と唇を突き出して、サシャに迫る。


「ちょ、ちょっと…いい加減になさい!」


遂に堪忍袋の緒が切れたサシャによって、私とロッカの脳天にチョップが落とされる。その際、私は背丈があるのでチョップされやすいように頭をさげる。これ、肝心。


ててぇ。と本当は痛くないけど、大げさに頭をおさえる私とロッカ。


その後は、ズンズン先を行ってしまうサシャを両脇から「許して」「ごめんね」攻勢でご機嫌を直してもらう。


仕方がありませんわねぇ。


をもらえたらOKだ。


そんな女の子らしい? ことをしながら、私たちはきゃいきゃいと道を進んだ。


そんな遣り取りをしていると、通り過ぎる男性が眉をひそめているのが目に入った。


道でうるさくしているのが迷惑なのかな? と思ったけれど、他にも絡まるようにキャイキャイ歩いている女の子たちはいるし。


どうしてだろう? と思ってハタと気付いた。


私。男装…というか男の人の服を着てる。


ということは? 他人からしてみれば、両手に美少女をはべらせた少年が、人目も気にせずにキスを迫ったり浮ついたことをしているわけで。


しかもこの世界は、前世のように人前で男女が手をつなぐことさえ『ハレンチ』とされるような倫理観なのだ。


そりゃー、眉をひそめますよね。


けど、止めない。

何故なら、私は美少女とたわむれたいのだ!

つーか、私は女だし! 問題ないし!


なんて自分の行為を正当化させつつ開き直って、サシャとロッカと他愛無いお喋りに花を咲かす。


程なくしてマダム・キャラのお店に到着した。


おお、と驚いてしまう。

先におとなった時は、マダムがお店を休みにしてくれたから分からなかったけれど、けっこうなお客様が出入りしている。


それも若い子ばかりだ。女の子しかいない。

店の外で入店を待っている娘さえいる。


「すごい繁盛はんじょうしてるね」


「おかしい」


ロッカがぽつりとこぼした。


「何がおかしいんですの?」


「キャラさんの店は、こんなに人が来る店じゃないのよ。知る人ぞ知る、そんな店なの。基本は閑古鳥が鳴いてるような店なのよ」


何気に毒舌ですね…。


そういえば前世でも、そんな店があったな。といっても、私が知ってるのは牛タンが美味しい店だけど。


「ま、繁盛してるのはいいことじゃん?」


私は気にすることなく歩みを進めたのだけれど。


うん?


進むにつれて、店の外にいた女の子たちの視線が私に向けられて、向けていた娘たちが友達の肩を叩いて「ちょっと、あの人。もしかして?」なんてことを言えば、聞きつけた娘も振り向いて…。


なんぞ? なんで、私を凝視しますか?


私は不穏な気配を感じて歩みを止めた。


店の中からも女の子たちが顔を出してくる。

ヒョコヒョコ、雨の後のタケノコみたいに顔が出てくる。


「これは…マダムの店には後でいこうか?」


と私は両脇にいたはずの親友たちに声をかけたんだけど、返事がない。


どういうこと?


と振り返れば、親友だと思っていった2人は私の5歩ぐらい背後で


「今日はお散歩日和ね」


「まったくですわね」


おほほほほ、なんて他人の振りをしてくれやがってた!


そして。

この振り向いたのが致命的だった。


きゃあ! というきょう声が耳に届いて、店に視線を戻せば、女の子たちが波のように私へと迫っていたのだ。


しかも何か知らないけど


「リンさま!」


なんて叫びながら。


人違いですか?!

リリンシャールの男装時のファンからの呼び名が『タマさま』になりそうです。

タマさまのいわくですが。リリンの髪の色が黒。黒は、ぬばたま。ぬばたま、からタマさま、です。


そんなのより、もっと良いかんじの呼び方があるよ。という方は感想で送ってください。

日曜日まで感想で送っていただいた方のなかから「いいじゃん!」と思うものがあるようでしたら、その呼び方で変更いたします。


2017年11月12日の日曜日までです!


呼び名を『リン』にさせていただきます。

決定にあたって、文中での『タマさま』呼びを変更いたしました。

2017/11/13

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ