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真・聖女爆誕とかマジ?

感想で、親切な方から『チビ狼には42話で名前をつけていましたよ』と教えていただきました。

お恥ずかしい、完全に忘れてました。

というわけで、内容をちょっと変更しました。

2017/10/29

トテトテと礼拝堂に入って来たチビろうは、私の前でチョコンとお座りした。

あ、ちなみにチビ狼、というか白狼は大きさを自由自在に変えられるみたい。今のチビ狼は豆柴くらいの大きさだよ。うん、かわいい。


「ほかの子たちは?」


「ピザを食べ過ぎて動けないでいる」


来ました! この超絶デス・ヴォイスはクリスだ!


食べ過ぎて動けない、そんな幻滅ワードを聞いてしまったみんなが絶句している。

伝説の白狼、だもんね。神聖視してるもんね。


そりゃ~愕然とするよね。

けどさ、い~つも質素な食事だったのに、目の前にご馳走を供されたりしたら、それはもう際限なくお腹が破裂するんじゃないかと思うぐらい詰め込むでしょ? でしょ? え、まさか私ってば意地汚かったり…するのかな?


「わかるわ~」


思わず言ってしまうと


「似たもの同士なのね」


とロッカに呆れられてしまった。


「娘や。我は他の連中と違って、節度というモノを知っておるぞ」


なんか、すっごいプライドが高そうというか、微妙に親兄弟を見下しているような…。

反抗期なのかな?


「もしかしてさ、他の白狼たちと仲悪い?」


尋ねると、クリスはツイとお目目を横に逸らした。


「あいつ等は、なにも分かっちゃいないんだ。森にばかり執着して、外の世界を見ようともしない。我はもっと広い世界を知りたいんだ」


地獄から響いてくるようなデス・ヴォイスで、そのくせ妙に可愛らしい口調で、クリスが言う。


ははぁん。兄弟げんかでもしてるんだね、これは。それにしても生まれて半年も経ってないのに、この知性。この子が特別なのか、それとも白狼という種そのものが特別なのか。


「わかる!」


と手を叩いて理解を示したのはロッカだ。


「わかるわ、その気持ち! すんごい分かる! ねぇ、君。あたし達と一緒に来ない?」


「うん? お主等、何処かへ行くのか?」


「そうなの、それであなたを呼んだのよ」


ロッカはかくかくしかじかと、今置かれている私たちの状況を説明した。よっぽど私なんかよりも道筋立てて分かりやすく話して聞かせている。


「ふむふむ、わかった。我等は偽物だとかそんなことにはこだわらんが、はっは、ピザを食べられなくなったのなら、あ、そこいい感じ、あの連中はとっとと森に戻るだろう。きゅーん、それだけの話だ。くーん、それとぉおお、背中にお主等を乗せるのは無理だなぁはああん。まず他の連中は森から遠く離れることをしないしぃいい、人間如きをクフー背に乗せるなどプライドが許しゃーん」


と、のたまっていらっしゃるクリスさんですが、説明をしつつジリジリと接近したロッカに全身を撫で繰り回されて、余りの気持ちよさにコテンと倒れてお腹を見せてしまっているのですが…。


そんな状態でプライドだとか口にするクリスさんには脱帽です。さすがは伝説の白狼…うぷぷ。


「うん、わかった。ところでチビ狼さん」


「我はチビ狼ではない」


「名前があるの? 教えてよ?」


神のモミモミをしつつロッカがクリスに訊く。


そういえば、ロッカたちはチビ狼の名前を知らないんだった。


ちなみに、全身マッサージをされているチビ狼のお顔の説明は致しません。というか18禁になってしまうので、できません。ひと言、伝えますと。院長が顔を背けております。そのような極楽顔をチビ狼はしております。つきましては、言葉の方も聞き苦しくないように訂正させていただきますことをご了承ください…て、なによこれ!


「我が名はクリスだ」


チビ狼はロッカをトロリとした眼で見ながら言った。


ロッカ…なんて恐ろしい! まさしくチートじゃないの、そのモミモミは!?


「クリス、ね。いい名前じゃない」


とロッカが言った時だった。


あへ~~~ン! と思わず赤面してしまうような声をクリスが上げて、キラリと光ると、触れていたロッカにも光が伝わって、1人と1匹は銀色の輝きに包まれた。


なんて幻想的な!


輝きは一瞬。

それでも、まばゆい光景はその場に居合わせた私たちの目に焼き付いた。


「これでロッカと俺とでパスがつながったはずだ


「ほんとだ、なんとなくクリスの考えてることが分かる」


おもしろーい! とかロッカは喜んでるけど。


ちょっと待ってほしい。

よ~~く、考えよう。


伝説の白狼に気に入られて、精神の深い部分で重なった少女。

それって、歌をうたうしか能のない私なんかよりも、よっぽど聖女っぽくないですかね?


私は、みんなを順繰りに見た。


同じ感想を持っていたらしい。まして、今の光景を目撃してしまった後じゃあ…。


サシャを除いたみんなが、私を見て微妙な顔をしている。


あらあら、まぁまぁ!


「俺は何処までもロッカに付いて行くぞ!」


クリスが元気一杯に宣言してる。

それは正しく、私が訊こうとしたことの答えだった。


……うん!


なんか知らないけど、面倒ごとが増えた!

何一つとして問題が解決してない回でした。

リリジさんが来たことで、次回こそ進めます。

それで、砦の街を脱出です。方法は……みなさんの予想通りです!


サシャは、ジャックと。

ロッカは、クリスと。

そして我らのリリンシャールは……ええ、ぼっちです。

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