アンヨは上手ねリリンシャールとか、マジ?
ここのところ、ずーっと15時に予約投稿しています。
気付いてくれましたでしょうか?
「ふわわぁあああ」
乙女にあるまじき大あくびをして、私はベッドで上体を起こした。
「良く寝たわ~」
すんごい熟睡した。夢も見なかったもん。
というか。
私、何で寝てるんだろう? それにココ何処?
目をこすりながら、ぼんやりと白熱灯の灯った部屋を見回す。
私の部屋じゃない。ココは、修道院の内にある治療室だ。
重篤な怪我人を集中的に治癒する部屋。
「そんなところに何で寝てるんだろう?」
顎に人差し指を添えて考える。
え~と。なんか大変なことが起きたような…。
とまで振り返って思い出した!
「ジャック!」
ベッドから勢いよく飛び降りて
「はれ?」
脚に力が入らずに、よろけてしまった。
咄嗟に隣りのベッドとの仕切りに使われていたカーテンに掴まってしまう。
けど、カテーンの端がキチンと支え棒に引っかかっていなかったみたいで、ズルリとカーテンそのものが滑って、私は無様に転げてしまった。
「あいてててて」
四つん這いになって顔を上げて。
私は隣りのベッドで横になるジャックを見つけた。
大慌てに彼の眠るベッドに這い寄って、様子を観る。
息は…してる。
顔色は…いい。
そして。
私は不安と恐れでドキドキしながら、ジャックの掛布団をそっとめくった。
腕は、在った。
「よかったぁ」
安堵の吐息が漏れてしまう。
でも、次にヒックスさんのことを思いだしてしまった。
ジャックはお父さんを亡くしてしまったんだ。
眠る幼児の頭を撫でる。
色気づいてきたせいで髪を伸ばし始めたジャックの頭は、いわゆる坊ちゃん狩りぐらいの長さになっている。
「ごめんね、私がもう少し早く着いてれば、ヒックスさんも…」
しばらく撫でていると、窓の外で誰かが歩いている物音がした。
いまいち自由にならない脚を励まして、窓辺に取りつくと、カーテンを薄くめくる。
「あれは…サシャにロッカ?」
あの2人の背中を見間違うはずがない。
どうやら礼拝堂へと向かっているようだ。
「こんな夜中に?」
ピンときた!
私に内緒で、美味しいものを食べようとしているに違いない!
自分の部屋だと、同室の娘がいるし!
「この私を除け者にするとは!」
許されんな!
私は腹減りパワーで、お腹を『ぐーぐー』鳴らしながら、2人の後を追った。
てゆうか。マジで脚が宙を踏んでるみたいにフワフワして、まっとうに歩けないんですけど。
たぶん、傍から見た私の様子は、さながらゾンビ。もしくは『アンヨが上手』な赤ちゃんみたいな感じだろう。
へ、ほっほ。踏み出すたびに変な声が出てしまう。
ぐー、ぐっぐー。我がことながら、お腹がうるさい。
これって、治癒の魔法をつかったせいだと思われる。
つまり、魔力って = カロリー なんじゃないの?
そう考えてみると、シスターはみんな細身だし。
へ、ほっほ。
ぐー、ぐっぐー。
なんじゃこれ? 思わずクスクス笑いをしてしまう。
そうなると。
へ、ほっほ。
ぐー、ぐっぐー。
えへへへへ。
3重奏を奏でながら、私はただただ食欲に従って礼拝堂へと到着した。
そうして
「私もまーぜて!」
と言ったつもりが、既にお腹がペコペコ過ぎて声もだせずに扉を開けた私は、其処にサシャとロッカだけじゃなくて、ケンプさんにフェクターさん、更には院長とメリニ将軍の姿を見つけて
OH!
どういう理由でか、女性に刃物を突きつけられているアゼイを見つけてしまったのです!
「しゅらばああああ!?」
思わず大声が出てしまった私を誰も攻められないと思う。
そして、大声を出したことで私の体内カロリーは限りなくゼロになってしまい、ヘタリコと尻餅をついてしまったのでした。
大慌てに、私へと女性が駆け寄ってくる。
しかもナイフを手にして。
怖すぎ!
でも、私はもう指の一本も動かせない。
マジで絶対絶命!
そう思っていたら「リリンシャール!?」女性はナイフを投げ捨てて、私を膝枕してくれた。
くんかくんか。この匂いは…シスター・ライザ?
化粧を落とすと別人なんですね。
なんてことを考えながら、私は最後の気力を振り絞って、集まってきたみんなに訴えた。
「ご飯…くだ、さい」
ブックマークをして下さっている方が255人です!
少なくとも、255人の方は読んでくださっているという事実に、感動しています。
255人! クラスの人数が30人だとして、8クラス超ですもん!
あと、ネット小説大賞さんに感想をいただくためにキーワードを足しました。
どんな感想がいただけるのか、楽しみです。