2-2話
GM: では、あれから3日が過ぎました。
トロント: バルルン!バルルン!
GM: 良い子だから、やめてください(笑)
(一同笑)
GM: さて、新装備等を購入して3日。皆さん生活費を減らしてください。宿代30ガメルに生活費10ガメル。1日40ガメルですね。3日なので120ガメル減らしてください。
ディート: ちなみに、家などの購入もできるので、そうなると宿代が節約できるよ。
トロント: なるほど。
カンモン: まあ、名誉点が最低でも15点+家の頭金2000ガメルがいるけどね。
GM: さて、前回の冒険の怪我も癒え、英気を養っていると、冒険者の店『蒼い雷の剣亭』の店長ルーサーが話しかけてきます。
ルーサー: 「よう。新米ども。そろそろ最初の冒険の緊張感もほぐれてきたところだろう。どうだ、ここで新しい仕事を受けてみないか?」
トロント: なにかあるの?
ルーサー: 「おう。安心していいぞ。この町を守る衛兵様からの仕事だ。衛兵のサポートをして秘密組織を見つけるんだそうだ」
サンドラ: 秘密組織?それはどんなの?
ルーサー: 「まあ、オレも詳しい事は知らないが、帝都に潜む蛮族の組織らしい。本当は、衛兵たちだけで何とかする予定だったんだが、実は別件が入ってな」
ディート: 別件?
ルーサー: 「ある貴族に成り代わった蛮族が見つかったのさ。そいつは倒されたが、被害者が帝国貴族という事で衛兵もそっちにかかりきりになっちまった。で、人手が足りなくなったんだと」
GM: 蛮族の中には相手を食べてその外見を奪うタイプも存在します。
トロント: へ~
ルーサー: 「まあ、そっちは衛兵がなんとかするので、もう一つの方を手伝ってほしいという話だ。報酬は向こうへ行ってから話してくれ。ああ、不安になる事はないぞ。ここの衛兵は払いは悪くない。もちろんきちんと仕事をした場合に限ってだがな」
ディート: どうする?
サンドラ: いいんじゃない。そろそろ所持金もないし。
GM: では、ルーサーは君たちに紹介状を渡してくれます。衛兵の詰所へ行けば話ができるでしょう。
トロント: それじゃ行きますか。バイクで(笑)
カンモン: バイクで(笑)
トロント: チョイ乗りです。
サンドラ: チョイ乗り暴走バイク(笑)
GM: 帝都は人が多いからはねちゃうだろう。
トロント: 『スパイクチェーン』で物理ダメージが+3です。
サンドラ: 余計にあかん。
(一同笑)
GM: さて帝都の衛兵詰所ですが、広大な帝都の為に、各地に分散しています。まあ、ニューヨークの87分署とかそういった感じのものだと思ってください。
サンドラ: よくわかりません(笑)
カンモン: アメリカの刑事ドラマとか映画のファンでもなきゃわからんわ。
GM: まあ、広いので複数の詰め所があると思ってください。店長のルーサーに紹介されたのも、そういったものの一つ。それも、あまり治安のよくない所です。
トロント: 中に入るよ。
GM: 詰め所の中、君たちがみてもわかるほど慌ただしいです。衛兵たちは忙しそうに動いており、荒い声や、確認のための号令などが響いている。君たちが入ってくると、別作業をしていた衛兵が、作業をやめて話しかけてくる。
衛兵: 「こんにちは。騒がしくて済まない。どういった要件だろうか?」
トロント: 冒険者の店からの依頼できました。
GM: 店長から渡された依頼書をみせると、それをちらっと見た衛兵は、別の衛兵を呼ぶ。すると呼ばれた若い衛兵が、部屋の隅からそそくさと立ち上がって、君たちの所へやって来る。
ディート: 部屋の隅なんだ(笑)
若い衛兵: 「すいません。みんな忙しいもので、こんな所ではなんですが、こちらの部屋へ」
GM: と、小部屋に案内する。取調室か何かのようだが、正直5人も人が入ると、かなり狭い。
若い衛兵: 「はじめまして。私は帝都で衛兵をしているヨハンです。まだ新米なので至らないところもあるのですが、よろしくお願いします。えっと、『蒼い雷の剣』亭の冒険者さんですよね?」
カンモン: いや、それは最初に聞けよ。
ディート: 腰低いな!!
GM: 新米なもので(笑)。まあ、ヨハン君が簡単に説明してくれます。
ヨハン: 「依頼内容は、蛮族の秘密組織の調査です。近日中に大きな集会があるという情報をつかんだのですが、貴族の蛮族成り替わり事件のせいで、調査が滞って正直どうしようもない状況だったのです」
カンモン: 調査はどこまで進んでいるの?
ヨハン: 「それがさっぱり。組織の構成員の目星は付けたのですが、そこまでで。何とか、一人で尾行などをしてみたのですが警戒されてしまい。顔がばれている可能性があってもう八方ふさがりです。正直集会がもう終わっている可能性も否定できません。そうでない事を祈っているのですが…」
トロント: 組織の構成員?
ヨハン: 「はい。ある食堂の調理師をしているコボルトです。調査の為に食堂に通っていたら、ボクの顔を覚えられてしまって…」
ディート: それただの常連じゃん!?(笑)
ヨハン: 「安くて、おいしいんですよ。あそこの料理!独り身には重要なんですよコスパって」
ディート: わかるけど、知らんわぁぁぁ!!
(一同笑)
ヨハン: 「なので、冒険者の皆さんには、そのコボルトを尾行して、他の構成員の情報や、集会場の場所の特定。集会の時の摘発を手伝ってほしいのです。もし、集会がすでに終わっているなら次の日時などの情報を集めてほしいのです」
ディート: まあ、尾行なら何とかなるか。
トロント: 報酬は?
ヨハン: 「4人なので4000ガメルお支払いします。経費として1000ガメル。これは報酬には含みません。ただし、すでに集会が終わっていた場合は、申し訳ないのですが摘発がない分、報酬は半分にさせてもらいます」
ディート: 一人1250か。結構いい額だな。
ヨハン: 「そりゃ、帝都の治安を守っていますからね。国からの支給のほかに、有志からの協力もありますよ。まあ、その後援者個人の問題に優先的に当たらなければならないわけですが…」
GM: と、自慢げにしつつも、詰所の騒音に少し暗い顔をします。
ディート: 縦社会ですなぁ。
サンドラ: 組織ってそんなものね。
カンモン: まあ、報酬的にも問題ないだろう。いいんじゃないか?
トロント: そうだね。とはいえ、ボクは尾行するスキルなんて持ってないよ。
ディート: オレ一人で尾行すればいいのか?
GM: ちょっと説明しましょう。
GM: まず、尾行ですがスカウト技能の『追跡判定』を使用します。そして、振らない人も同行することはできます。
ディーオト: ほうほう。
GM: まあ、少し離れてついてきていると思ってください。ただし、装備によってペナルティがかかります。
トロント: 装備によって?
GM: まあ、街中で完全武装していると目立つという話です。「金属鎧を着ている(-2)」「両手武器やを持っている(-1)」といったようにです。要するに、街中で怪しまれない格好をしているかどうかという話ですね。
・金属鎧(-2)
・両手武器又は盾を装備(-1)
・背負い袋を持っていない(+1)
・鎧を着ていない(+1)
・人間/エルフ/ドワーフ以外(-1)
・その他(随時)
※基準は町中にいる盗賊程度の武装まではOK
ディート: 種族差別だ!!
GM: 帝都で人口が多くても、比率的に珍しい種族はそれだけ目を引くんだよ。
サンドラ: 背負い袋をもっていないとボーナスが付くの?
GM: 普通の市民は日常で背負い袋なんて持たないだろう。
カンモン: 質問。猫なんですが?(笑)
GM: …まあ、鎧なしも入れてボーナス+2していいかな。ただし、変な装備は付けていないよね?
カンモン: (キャラクターシートを見て)…あ、『ベルトポーチ』を付けてる。
GM: どんな猫だ!?
(一同笑)
カンモン: いや、魔晶石とか煙草とか収納するために、さすがに猫に背負い袋はまずいけど、ベルトポーチ位ならいいかなと購入していたわ。
ディート: ベルトポーチを付けた猫!
サンドラ: さらに葉巻まで咥えている!
トロント: 怪しさ爆発!
(一同笑)
GM: そんな猫この世にはいねぇ!!
カンモン: 仕方ない。ベルトポーチを外すか…
トロント: 金属鎧を着ているのはボクだけか。一応脱ぐね。さすがに、予備の鎧買うお金はないな。
サンドラ: 経費のお金からトロント用に皮鎧買えばいいんじゃない?
ディート: そうだな。買っておいて損はないだろう。
トロント: ついでに盾も買っていい?
ディート: いいわけあるか。ペナルティーが増えるじゃないか。(笑)
カンモン: 仕事終わったら自分の報酬で買え。
サンドラ: 運よく武器をロングボウ(両手)からジャベリン(片手)に買い変えていたけど、ルーフォークなので異種族でペナルティーが入るね。ただ、鎧をそもそも着ていないのでボーナスで相殺。さすがに、ポーションがあるので背負い袋は外せないのでボーナスはなしだ。
カンモン: まあ、吾輩の猫ボーナスもあるから十分じゃないか?
ディート: オレは異種族だが、背負い袋は必須ではないからそれを外してプラスマイナス0だ。
トロント: という事は、ボク、ディート、サンドラが0で。カンモンが+2だから。総計で+2だね。
ディート: とりあえず尾行対象の事を聞いておこう。
ヨハン: 「店は下町にある『ペッパー&チョッパー』という食堂です。コボルトの名はラードリシアン。黒白ぶちで、右耳だけが折れています」
カンモン: なんか、名前がかっこいいぞ。
トロント: この衛兵なんて『ヨハン』なんて無難な名前なのに
GM: 何を言っているんだ。この年若き衛兵の名前は「ヨハン・フリードリッヒ」だぞ。
トロント: うわっ。無駄に壮大だ(笑)