1-3話
ディート: まあ、とりあえず右の通路の先にあるドアの鍵を開けるね。「9」『14』
GM: 鍵は開きます。扉を開けると20m四方の正方形の部屋です。向かって左の壁に扉が一つついています。この部屋はガラクタだらけです。部屋の右側に魔動機のスクラップが集められて山になっています。
ディート: ほう。何体くらい?
GM: ざっと見て4体ほど。3体はさきほど剥ぎ取ったグルガーンですが、一体目的となるガーウィがあります。床についた引き摺った様な跡もそのスクラップの一つに続いています。
トロント: じゃあ、4体分の剥ぎ取り判定していいかな?
GM: いえ、その前に壊れたスクラップの影からカサカサと奇妙な魔動機が5体現れて襲い掛かってきます。
GM: さて、戦闘です。まず、敵を見たところで『魔物知識』判定です。相手の知名度以上の値を出せば、モンスターの数値と特殊能力が分かります。さらに高い値で『弱点値』を超えることが出来ると戦闘でボーナスが突きます。
カンモン: このパーティーだと、セージ技能を持っている我輩だけしか、判定は出来ないな。「7」『11』
GM: では、これが『レンガード(モンスターレベル1)』だと分かりました。『弱点値』は超えなかったので、弱点はわかりません。平たい体に短い車輪付きの足の着いた警備用の魔動機です。
※モンスターレベル(以後ML)はモンスターの強さを示す指標。そのレベルのファイターと一対一で戦って互角という目安。
ディート: モンスターレベルは1か。雑魚だな。
GM: 最初の戦闘ですから。では戦闘開始です。まずは行動準の決定で『先制判定』を行います。モンスターの持つ先制値以上を出した場合、PC側が先制行動。それより低い場合はモンスターが先制行動になります。基本的に後攻になるメリットはほとんどありません。
ディート: まあ、スカウト技能を持っているのがオレだけなので、オレ一人なんだけどね「4」『9』
GM: レンガードの先制値は『7』なので、PC側が先攻となります。
第一ラウンド
ディート: 敵はどのあたりにいるの?
GM: おおまかに、右奥に2体。左側に3体です。
ディート: それじゃ、右奥の二体の方に行くわ。片方に攻撃。一回目が「11」で『14』
GM: さすがに当たるわ。
ディート: ダメージは「3」で5点。次に【両手利き】によるもう片方のハンドアックスの攻撃「4」『7』
GM: それは避けた。
トロント: じゃあ、ボクは左側行った方がいいんだね。【魔力撃】しても大丈夫?
カンモン: 別に【魔力撃】には移動制限とかないからな。まあ回避と精神力抵抗に-1のペナルティーが入るよ。
トロント: まあ、大丈夫でしょう。【魔力撃】で「11」『15』。命中だね。ダメージは「7」で武器のダメージ「4」点に、追加ダメージ「5」点。さらに魔力撃で魔力の「3」点を足して『12』点ダメージです。
GM: おお、丁度ぴったり倒せたね。
カンモン: まあ、敵は雑魚だし。吾輩は見てるだけにするよ。
サマンサ: 私は弓を撃っておくかね。ディートが攻撃した敵に「6」で命中『10』だ。
GM: それは命中します。
サマンサ: ダメージは「6」で『8』点ダメージ。
GM: ディートに攻撃されていたのもあって、それでレンガードは壊れた。では、こちらの番だね。君たちを強敵とみなしたレンガードは特殊能力【連結】を使います。これは仲間同士でつながって命中と攻撃力を上げる能力です。とはいえ、【連結】できるのはトロントの前の二体だけ。とりあえず、トロントとディートは一回づつ回避してください。
トロント: 「9」で【魔力撃】のペナルティー入れて『11』
ディート: 「8」で『13』
GM: くっ。命中が10で、トロントの方は【連結】により+1されるけど、同値の場合受動側優先のルールで、両者とも回避できました。トロントが一体倒していなかったら+2されるから命中してたのに。
トロント: 危ない所だった。
GM: ダメージも+6されていたのに…(一体連結するごとにダメージ+3)
トロント: 危ない所だった(笑)
第二ラウンド
ディート: じゃあ、残ったほうを攻撃「10」の『13』と「8」の『11』
GM: 両方命中です。
ディート: 一回目が「8」で『8』点。二回目が「11」でクリティカル値以上なのでダメージ振り足しで「8」。11のダメージが「6」点。8は「4」点だから追加ダメージ足して『14』点。
GM: 十分破壊されました。
トロント: 【魔力撃】「6ゾロ」
GM: 当然、命中です。
トロント: ダメージ…「6ゾロ」
GM: 二回連続かよ!?
トロント: クリティカルだから振り足しですよね。「6」で武器だけで「12」点。それに追加ダメージと【魔力撃】による魔力を足して『21』点ですね。
GM: 吹っ飛びます。
サンドラ: 弓を撃ちます「7」で『11』。ダメージは「7」の『9』点
GM: さすがにそれでは死にませんね。
カンモン: まあ、見てるだけでいいでしょう。
GM: 最後の一匹のレンガード(半壊)はトロントを攻撃。
トロント: 回避は…「8」で『10』
GM: 【連結】していないから命中『10』で同値ですので回避。
トロント: よしよし。
第三ラウンド
ディート: では、移動して最後の一匹を攻撃「3」の『6』で「11」『14』
GM: 二回目の攻撃が命中しています。
ディート: ダメージは「4」しか出てないので『6』点
GM: サンドラの弓を喰らっていたので、それで壊れました。これで戦闘終了です。一発もダメージ与えられなかった…
トロント: 回避がいつもギリギリだったけどね。
サンドラ: まあ、与えてたとしても薬草『救命草』を買い込んでいるので問題ないよ。
GM: さて、戦闘は終了です。どうしますか?
ディート: GM。オレ達の入ってきた扉って、鍵をかけること出来ますか?
GM: (内心: 扉についている鍵だから開錠と同じように、鍵を掛けることも出来るだろう)ええ、『鍵開け』と同じ判定をしてください。判定値は『9』です。
ディート: オッケイ。「6」の『11』で成功。これで、後ろから襲われる事はまずないだろう。最悪、扉を壊す音で気がつけるはずだ。
トロント: じゃあ、バイパーさんに『剥ぎ取り』をお願いする?
サンドラ: 先に蛮族に対処したほうがいいんじゃないかね?剥ぎ取りには1回につき10分かかる。スクラップだけで40分。さらに、今倒したレンガードの剥ぎ取りもあるでしょう。
カンモン: 1時間以上、ここでグダグダしていたら、気がつれる可能性もあるか。とはいえ、目的となるガーウィーの剥ぎ取りだけやって帰るというのも手だな。
GM: 依頼人のバイパーさんは、その辺の判断については君たちに任せるそうだよ。目的の品を回収したいけど、蛮族を見逃すのもあまりいい気もしないからね。
トロント: (揉み手をしながら)追加報酬なんて考えられませんかね?(笑)
カンモン: がめつい!?
トロント: 違います。傭兵出身なので、報酬はシビアにするようしっかり教育を受けているのです。リスク・イコール・リターン。これはビジネスです。(笑)
バイパー: 「とはいってもな…」
GM: では、バイパーさんは、追加報酬として1000ガメルを出すと約束します。ただし、ガーウィのパーツが見つからなかった場合、報酬はナシですし、前金の返還を求めます。蛮族を倒していたら1000ガメルの報酬は払うけど、前金は返却してもらう。つまり、蛮族を倒しても、ガーウィのパーツが見つからなかったら報酬は500ガメル。逃げ帰ったうえにパーツも見つからなかったら、冒険者の店の親父に前金分を立て替えてもらい君たちの借金500ガメルだ。
カンモン: リターンも増えたが、リスクも増えたな。
トロント: つまり問題なし。(笑)
カンモン: そうなのか?(笑)
トロント: ノーダメージでリソース消費もなし。大丈夫ですよ。さあ、先に進もう。
ディート: じゃあ、もう一つの扉のほうを調べて見る。「4」『9』
GM: (内心: 反対側はモンスター連戦ルートだったがこっちはボツか・・・)罠はないと思った。ただ、この扉も鍵がかかっている。
トロント: ただ単に廃材の倉庫としてしまっただけなのかな?
ディート: そうかもね。鍵をはずします『11』
GM: 鍵は開きます。扉を開けると、まっすぐな通路が伸びています。15mほどの場所に横に入る通路があります。
トロント: 通路のところまで行きます。
GM: では、T字路です。まっすぐと左へ続く通路です。左の道は5mほどのところで扉が一つあります。真っ直ぐの通路は10mほどで左へ折れています。
ディート: とりあえず・・・扉かね?近づいて調べて見るね。
GM: では、前列の人。その前に『危険感知』判定をお願いします。スカウトかレンジャー技能+「知力ボーナス」で判定してください。
トロント: 両方ない場合は?
GM: その時は、2D6のみです。
トロント: 『7』
ディート: スカウト2レベルに知力ボーナスが2で「11」『15』
GM: では、ディートは気がつきます。足元に、糸が張られて罠があります。
ディート: トロントに警告を発することはできますか?
GM: 問題ありません。トロントが「1ゾロ」を振っていたり、両者が失敗しない限りその前に見つけられます。
ディート: では、トロントを止めます。そして罠の解除します。「6」『11』
GM: おそらく鳴る子の罠でしょう。解除することが出来ました。
ディート: では、扉に罠がないか調べます。「7」『12』
GM: 罠はないと思いました。鍵もかかっていません。
ディート: 開けます。
GM: 扉の向こうは5m四方の小さな部屋です。壁に備え付けられた机と戸棚があります。椅子はなかったのか、机には木箱を利用した椅子。それと部屋の隅に、寝藁を使った寝床があります。机の上には粗末な工具と、いくつもの部品が散乱している。同じように粗末な工具が散らばっている。
カンモン: 作業室のようだね。
サンドラ: 同時に寝床かな。散乱している部品は魔動機のものでいいの?
GM: ルーンフォークのサンドラや、魔動機術士のトロントならわかるけど、そのようだね。
サンドラ: という事は技術者系かね?
ディート: 戸棚を調べて見るね。「9」『14』
GM: 罠はないようだ。いくつか底が抜けて使えない棚もあるが。使えるところには大小さまざまな魔動機の部品がしまってある。まあ、全部合わせて『魔動機の部品(300ガメル)』程度だと思ってください。
ディート: まあ、回収しておきますか。他にめぼしいものはないかな?
GM: では『探索』判定をお願いします。
ディート: 「10」『15』
GM: 椅子代わり木箱の中に、別のチェスト(宝箱)が隠されていることが分かった、木の箱の割りに重かったので気がついたのかな?
ディート: 罠感知に罠解除するね。2回降るよ「6」「8」。感知が『11』で解除が『13』
GM: では、毒針の罠を解除することが出来た。箱の中には30発の弾丸と、マギスフィア(中)が一つ。マギスフィア(小)が二つ入っています。
サンドラ: ウチのパーティーでは弾丸使う人はいないから、そのまま売ることになりそうだね。とはいえ、魔動機術の技術系のボスがいる可能性が高くなったね。
ディート: まあ、分かったところで。このレベルではあんまり意味ないんだけどね。
カンモン: とりあえず、トロント君は回避力が低いので、敵に突っ込むのはディートの後のほうがいいかな。
トロント: そうなの?
カンモン: 魔動機術系ならガン攻撃の可能性が高い。コイツは、命中は通常の射撃攻撃だが、ダメージは魔法攻撃扱いで、防具の持つ防護点が適用されないんだ。回避力の高いディートが回避してしまえば、無効化出来るんだ。
トロント: なるほど。了解。