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1-1話 最初の冒険

<キャラクター紹介>

トロント:魔動機術を使う魔法戦士。

ディート:ナイトメアの料理人にしてハンドアックス二刀流の軽戦士

カンモン:猫(に変身し続ける猫人間)の妖精使い

サンドラ:オカン型ルーンフォーク(人造人間)のポーションピッチャー


GM: さて、冒険の舞台はザルツ地方。この地方最大のルキスラ帝国の首都でもある帝都ルキスラだ。この地域最大の都市にして最大の人口を誇る帝都の中枢だ。ルキスラ帝国は若き皇帝によって統治されている。それまでの腐敗した政治を一新し野心的に領土拡大を狙っています。周辺国家はもとより蛮族の領土への開拓も積極的だ。

ディート: オレ達は最初から仲間でいいの?

GM: とりあえず出会いから始めますか。まず、トロント。

トロント: はい。

GM: トロントは最近ルキスラに来たという事でいいのかな?

トロント: はい。今までいた傭兵団が解散して、帝都で余生を過ごす予定のお父さんの一人と一緒に来て、一段落して第二の人生を歩もうというところです。

ディート: お父さんの一人とか、意味を間違えると大問題だな(笑)

カンモン: 「お父さん」を「パパ」に変えると完全にアウトだ(笑)

GM: こらこら。さて、トロントは結構前にルキスラについていたのですが、落ち着くまでに少し時間がかかりました。それは、この帝都ルキスラで一大事件があったからです。

トロント: ほうほう。

GM: 帝都の地下には旧時代の遺跡があるのですが、そこに一人の死霊術師が住み着きました。彼は帝都の墓地を荒らし、人を攫ってはアンデットにして軍勢を作り帝都を我が物にしようとしたのです。

カンモン: 主都の地下に未踏の遺跡があるというのも大問題だな。

GM: まあ、帝国の歴史上の理由で地下部分を廃棄封鎖したとも言えます。下水とか再利用していますし。まあ、そんな死霊術師の野望は、太陽神ティタン神殿に察知され、神官戦士団の討伐により死霊術師も討伐されました。ここ数日、その神官騎士団の偉業を称えるパレードなどでお祭り騒ぎでした。

ディート: なんか、冒険始まる前に一キャンペーン終わっていたみたいな感じだな。

GM: そうですね。まあ、そんな熱狂状態の大都市を土地勘もなくうろつくわけにもいかず、引退した傭兵のブルックさんの所に身を寄せていました。

トロント: なるほど。


GM: さて、帝都のお祭り騒ぎも一段落した所で、トロントは新しい人生を歩むべく。ブルックさんに見送られます。

トロント: では、ブルック父さん。お世話になりました。

ブルック(GM): 「ああ、お前の人生だ。好きに生きるがいい」

GM: そういうと眩しそうに目を細める。

ブルック: 「そうだ。いいことを教えてやろう。帝都には『蒼い雷の剣亭』と呼ばれる冒険者の店がある。冒険者を志願する者達に評判の店だ。まず、そこに行ってみるといい」

トロント: ありがとう。ブルック父さんも元気で。

ブルック: 「もちろんさ。いいか、トロント。傭兵と冒険者とでは勝手が違う。だが、命を賭けるという事に変わりはない。用心する事。油断しない事。それは忘れるな」

GM: そう言って見送ってくれます。

トロント: はい。では、手を振って別れてから、教えられた冒険者の店に向かいます。


GM: 『青い雷の剣亭』に入ると、思っていたよりがらんとしています。一階が食堂兼休憩所。別棟に宿泊施設という造りのようです。

ディート: 二階が宿屋じゃないんだ。

GM: まあ、間取りに深い意味はありません。時間はまだ昼前です。奥の台所では昼飯の用意か、大きな鍋に何か煮られ、同じかまどに無造作に串に刺さった肉があぶられています。

トロント: では中に入ります。店長はいますか?

GM: はい。カウンターの奥に、金髪で筋肉質の大男がいます。短く刈り込んだ髪の毛と同じ色のアゴ髭を生やし、扉を開けた時から、面白そうに君を見ています。(基本ルールブックⅡ巻200P参照)

トロント: では、カウンターに座って挨拶をしましょう。こんにちは、私はトロント。冒険者になりに来ました。

GM: そういうと、店長は太い腕をカウンターにおいて聞いてきます。

店長(以後ルーサー): 「いらっしゃい。ここが冒険者の店『蒼い雷の剣亭』だ。オレが店長のルーサー。お嬢ちゃんは今まで何をしていたんだ?」

トロント: ドレスデント傭兵団にいました。剣の扱いには慣れています。あと、親から魔動機術の手ほどきをしてもらいました。

GM: その言葉にルーサーはチラッと君の腰にある剣と、装備しているマテリアル(魔動機術の発動体)を見てうなずく。

ルーサー(GM): 「お嬢ちゃん。メシは食ったか?」

トロント: 朝食ならとりましたが

ルーサー: 「もう時間は昼だ。おごってやるから食ってきな。おい、ディート。一人前だ」

GM: と、厨房にいるディートに声をかけます。

ディート: え?オレ。冒険者の店の店員なの?

GM: 違います。君も将来自分の店を持つために、資金稼ぎに冒険者を志望してきた一人です。

ディート: そうなのか。じゃあ、なんで店で使われているんだ?

GM: 理由としては、君を警戒したためです。

ルーサー: 「素性の怪しい奴をいきなり信用するわけにもいかん。その点、お前のここ数日の働きを見て、この御嬢さんと一緒に行動させても大丈夫と踏んだわけだ」

GM: ナイトメアという種族である事と、スカウト(盗賊)である点で、いきなり信用するわけにはいかないという話です。

ディート: なるほど。顔に包帯までしているしな。

ルーサー: 「ドワーフに出す料理の盛りを少なくしたり、ドワーフ相手に喧嘩腰になるはいただけないが。このお嬢ちゃんはドワーフじゃないしな」

ディート: よし、ドワーフのスープにはカメムシを入れてやろう(笑)

ルーサー: 「それをやめろと言っているんだ」


GM: サンドラとカンモンはどうする?店にいる冒険者でいい?

サンドラ: いや、到着したばかりの二人という事でどうだろう。経歴表で、私とカンモンは『飛空艇に乗ったことがある』とあったので、同じ飛行船で帝都についたばかりという状況でいいかな。

カンモン: おお、それはよかった。このままだったら、ボクはディートに調理される寸前の食材で、助けを求めるところから参加しようかと思っていた所だよ。


(一同爆笑)


GM: まてまてまてまて(笑)

ディート: (両手の包丁をこすり合わせるジェスチャー)今日のシチューの具が決まったな。シャキーン!シャキーン!

カンモン: ぬおおお。やめろ!やめろーーー!!ギャー!

トロント: それ、捌かれて話が終わているじゃん(笑)


(閑話休題)


GM: 話がそれたが、それじゃあ君たちは別棟の宿泊所から食堂に入ってきた所だ。

カンモン: あれ?同室なの?ボク男なんだけど。

GM: だって猫じゃん。(笑)

ディート: 猫だな。(笑)

サンドラ: それにアタシは樽型体系のオバサン外見だからね。

カンモン: 言われて納得。どう見てもボクの定位置は膝の上だったわ。(笑)

サンドラ: それじゃ、腰をトントンとたたきつつ、賑やかしく入ってきます。「やれやれ、飛空艇なんて慣れない者に乗ったせいで、こんな時間まで寝ちゃったよぉ。年は取りたくないねぇ」

カンモン: でも年齢6歳(笑)

サンドラ: でも年齢6歳(笑)

アーサー: 「おう、ちょうどよかった。あんたら魔法使いだったよな。このお嬢ちゃんは戦士、ディートはスカウトだ。魔法使い二人の4人でそこそこの組合せになったと思うわけだが、どうだ、このメンバーで仕事をしてみないか?」

GM: と、料理を置きながら話します。

サンドラ: あたしゃ魔法なんて使えないよ。ただの生活補助系奉仕活動型ルーンフォークだよ。

GM: 奉仕(回復)と聞いているので回復魔法だと誤解しています(笑)

ルーサー: 「今ちょうど動ける冒険者が少なくてな。魔動機術を使える奴を探していたんだ」

ディート: 冒険者がいない?なにかあったのか?

ルーサー「例のティタンの神官騎士団だよ。あの騒ぎで、他の神殿も神官騎士団の強化をしようと言い出していてな。そうなると荒事になれた冒険者の神官なんてうってつけだ。まあ、いくら神殿でも無理強いはできないが、義理ってもんがある。特に神官っていうのは真面目な奴が多い。そんなわけで、回復役がお休みにつきパーティーもお休みになっちまっているわけよ」

カンモン: そういう意味ではこのパーティープリーストいないからな。

サンドラ: 僥倖僥倖(笑)

GM: プリーストがいたら、ちょうど外から来た人という事にしようと思っていたよ。

サンドラ: つまりばっちりだったという事ですね。

トロント: ちょっと違うと思う(笑)

ルーサー: 「メシでも食って待っていてくれ。今依頼人を呼んでくるから」

GM: そういうと、ルーサーは奥へ引っ込みます。すぐ戻って来るので、お使いでも頼んだのでしょう。

トロント: では、食事をとりながら待ちます。

カンモン: 吾輩たちの分も出るの?

GM: もちろんです。ディートの分も出ます。用意するのもディートですが。

ディート: オレだけなんか差別されてる!?

サンドラ: ほら、あれだ。ナイトメアは迫害される種族だから。

ディート: なんか違う(笑) 


GM: さて、君たちが食事を終えて一段落したころ、一人の男が入ってきます。それを見て、ルーサーが挨拶をする。

ルーサー: 「バイパーの旦那。いらっしゃい。あそこのテーブルだ」

GM: と君たちを差す。視線を君たちに向けたのは壮年の男性だ。短く刈り込んだゴマシオ頭の人間で、年齢の割にがっしりした体系をしている。力仕事がメインなのかもしれない。服装は平凡な服で、大きな荷物もない。この街の住人の様です。険しい目とその体格から頑固な職人のような印象を受けた。

一同: ふむふむ。

GM: でもって…

一同: ?

GM: 左手がドリルだ。ギュインギュイン(左手をぐりぐり回す)


(一同爆笑)


カンモン: なんでだよ!?

ディート: 何があったこの親父!?

GM: バイパーが君たちのテーブルに席に着くと、ルーサーが泡立つエールのジョッキを持ってくる。君達の分もあるようだ。右手でカップの一つを取るとバイパーの口に笑みが浮かぶ。

バイパー: 「うむ、仕事中に飲むわけにはいかないが、酒場に仕事で来た以上、つまりこれも仕事という事だな」

GM: そう言って、ジョッキを持ち上げてルーサーに礼を言うと、嬉しそうにカップに口をつける。その心情に反応してか、彼の左手のドリルがギュインギュインとまわりだす。


(一同笑)


ディート: 危ねぇぇぇぇ!!

トロント: え?このドリルってスイッチのオン/オフで起動するんじゃないの?(笑)

GM: 君達の疑問をよそに、バイパーと呼ばれる男は、エールを飲むと、ジョッキを置いて君たちに向き直る。

バイパー: 「はじめまして。冒険者殿。私はバイパー。魔動機術組合の技師をしている」


※魔動機術組合は、マギテック魔法の研究や、数百年前に栄えた魔動機文明時代の研究をする組織である。


カンモン: なんで技師の手がドリルなんだ?

サンドラ: 浪漫ろまんだからじゃない?(笑)

バイパー: 「依頼に関しては、この左手も少し関係している。君たちに依頼したいことは、ある遺跡に入って、魔動機の部品を回収する事。そして、同行する私を護衛する事だ。向かう遺跡は、この店の店長から教えてもらったもので、すでにほかの冒険者によって探索された後の遺跡だ。危険は少ない」


※魔動機は魔法で動く機械の事で、ゴーレムよりもロボットに近い。前時代の魔動機文明時代のメジャーな労働力・戦闘力で、その時代の遺跡でよく見かける。現代でもある程度活用されている。


GM: バイパーの言葉に、ルーサーもうなずく。

ルーサー: 「まあ、片道1日ってところだ。帝都の西にある森の中だ。遺跡も漁り終えて、めぼしいものは回収されている」

カンモン: そんなところに何しに行くの?

バイパー: 「必要な部品があるのだ。冒険者が倒した魔動機の部品の回収だ」

サンドラ: 何のパーツかわかっているの?

バイパー: 「うむ、その前にこの左手の事について話そう」

ディート: おう。

カンモン: うん。とてもとても気になっているんだ。(笑)

バイパー: 「私は魔動機術組合の技師として、魔動機の修復や改良に携わっている。危険な仕事だ。その作業の中で、不慮の事故により左手を失った。ほんの三カ月前の事だ」

GM: そういうと、左腕を少しさびしそうにさすると、君たちを見る。

バイパー: 「そして、失った左手の代わりに、どうせなら普通にはない物をつけようと思ってな」


(一同笑)


ディート: なぜ、そう思った!!(笑)

バイパー: 「新しい発想による新たな閃き!」

トロント: で、それと遺跡で魔動機の部品を回収するとのどういう関係があるの?ドリルのパワーアップパーツ?

バイパー: 「いや、この義手を付けて分かった事なんだがな。ドリルというのは普段の生活にはあまり役に立たん」

カンモン: そんなもん。つける前に気が付け!!


(一同笑)


バイパー: 「そこで、『ガーウィ』という魔動機のパーツを探しているのだ」

GM: 一応、バイパーさんがガーウィの事を教えてくれます。ちなみに外見はこんな感じ(ルールブックⅠ巻397P挿絵)です。二足歩行の人型ロボットで両腕が銃になっており、防具では減少できない射撃攻撃をするモンスターです。その分攻撃するとリロードする必要が出ます。

バイパー: 「こいつの”銃の左腕”を代わりにつけてみようと思っている」

カンモン: ついさっき「生活に役に立たない」って言ったばっかりじゃないかぁぁぁ!!


(一同爆笑)


バイパー: 「いや。もしかしたら、これなら何かの役に立つかもしれないぞ」

カンモン: 立たないよ!絶対役に立たないよ!!(笑)

サンドラ: 左手にガンを持つ男(笑)

ディート: だからバイパー(蛇)か(笑)


GM: 一応、依頼内容は遺跡でのパーツさがし、そこにバイパーさんも同行します。

トロント: バイパーさんは戦えるの?

GM: 基本的には戦えません。魔動機術は使えますが、戦う為ではありませんから。その為、彼の護衛も仕事の一つになります。

ディート: 報酬は?

バイパー: 「全部で全部で2000ガメル。前金で500ガメルだ。それと、多少の役得があると思ってくれ」

ディート: 役得?

GM: はい。バイパーさんは正規の教育を受けた熟練の魔動技師です。冒険者よりも価値のあるパーツの知識があります。その為、遺跡の中で撃破された魔動機に対して『剥ぎ取り判定』ができます。


※『剥ぎ取り判定』は倒したモンスターから価値あるものを見つける判定です。基本は売却してお金に換えますが、冒険に役に立つものや製造の材料にもなります。


サンドラ: まあ、それなら問題ないんじゃないかね?危険も少ないだろうし。

バイパー: 「出発は明日の朝にしよう。私も帝都の外に出る準備が必要なのでな」

GM: ほら、急な休みの連絡とか、出張用の着替えの用意とか…

ディート: いきなり社会人生活の苦労を呟くな(笑)


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