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『校内放送です、二学年Cクラスの如月 颯斗くん、至急生徒会室に来てください。
繰り返します、二学年.......』
僕と誠史がちょうどお弁当を食べ終わって片付けをしていたらこの学校独特の放送アラームと共に僕の名前が呼ばれ、それを聞きながらどんよりとした気持ちでため息が漏れる。
「なんやハトやん、またなんかしでかしたんかいな?」
「またってなんだよ?
僕は健全な学生だよ」
「健全な学生っちゅうのは裏でクリーチャー売り捌いとる組織を壊滅させへんで?」
「僕は無実だ」
「ダウトや」
僕は不毛な会話を終わらせる意味も込めてもう一度ため息を吐き、席から立ち上がる。
「嫌そうな表情しても結局行くんやな?」
「無視すると後が面倒だからね」
「さよか、まあほんまに嫌ならわてに言ってくれたら安い銭で"潰したるわ"」
「お金取るのかよ」
「当たり前や、世の中銭やで」
ニッシッシッシと手でジェスチャーしながら何時ものようにニヤニヤと笑っていて冗談がどうか伺えない。
仮に本気だとしても、"こいつなら本当に出来てしまう"だろうから質が悪いので、僕はまた肩をすくめる。
「遠慮しとくよ。
呼び出されるのは面倒だけど、あの人たち自体は嫌いじゃないからね」
「なんや~せっかくガッポリハトやんからせしめよう思うたんやけどな、残念やわ」
.......こいつ、友人から大金せびる気だったのかよ。
「じゃあ行ってくるよ」
「生きて帰って来るんやで~」
別に危なくはないよ、と言ってから僕は教室を後にした。