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あのあとは何事もなく登校することが出来て僕は三人とは違うCクラスに向かい授業を受けた。
そして午前中の授業が終わり昼休みになった為、母さんが作ってくれたお弁当を鞄から取りだし自分の机に置いて広げた。
「なんや~ハトやん、今日も寂しく一人で昼食かいな」
いただきますと手を合わせてお弁当を食べようとしたところで佐藤 誠史が片手にお弁当を持ってやって来た。
嫌に特徴的なしゃべり方をしているが、この世界が六つの大陸に別れる前に使われていたらしい関西弁と言うしゃべり方なんだとか。
以前何でそんな話し方なんだ?と聞いたとき、誠史の親父さんが関西弁を使っていてそれが移ったとか何とか。
いつもニヤニヤしてて感情が読めない奴だけど、この学校に入っていつの間にか仲良くなった気の会う友人だ。
「僕はいつも一人で食べるつもりだけど、お前がいつも勝手に僕のところに来るから一人ではないだろ?」
「まあそうやけどな~」
誠史は僕の前の席をこちらに向けて「席借りるな~」と持ち主の男子に許可を取って席に座り自分のお弁当を広げる。
「せやけどハトやん、たまに弁当持ってどっかいくやないか?
やっぱあれか?
こないだリンやんとしばきあったって言うクールビューティーのサキやんと"ひ・み・つ"の昼食会でもやっとんのかいな?」
「別に秘密にしてる訳じゃないけど、確かにたまに誘われたときは一緒に食べてるよ」
時たま咲希ちゃんが料理の練習と言うことで作ってきたお弁当を少し分けて貰ったりしてる。
咲希ちゃん曰く花嫁修業らしいけど、必要ないくらい美味しくて心配しなくていいんじゃないか?と言ったら相手の好みがわからないから、と言っていたのでもしかしたら意中の男子がいるんだろうか?
あれを毎日食べることになる奴が羨ましくてしょうがない。
「ッかーー、あない美少女の手料理食べれるなんて羨ましゅうてしゃあないわ!
実はおたくらつきようとるんやないやろな?」
誠史は箸を止めて大袈裟にリアクションしたあと、箸を僕に突き付けてからかうように言ってくる。
僕は肩をすくめながら苦笑する。
「残念だけどそんな甘い話じゃないよ。
好きな人がいるみたいでその為の味見を頼まれてるだけ」
「あらら、そらぁなんとも味気ない話やな」
誠史とそんな他愛もない話をしながらお弁当を完食していく。
どうも、著者です。
遅くなりましたが更新しました。
これからも亀更新ですが、よろしくお願いします。