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八話目+ドライヤー 後編

「ちょっと待ってねー、蘭南。喉かわいた」


…何だそれ。


「え〜っ!!早く〜〜〜!!!」

「五月蝿い!!!」

「は、はいっ」


……何なんだよ、こいつら。

仲間だと思ってたら容赦なく殺されていくような関係か!?コイツらは。

しかしまぁ、姉貴も急に怒りだすからなぁ。


姉貴に怒鳴られて蘭南は機嫌を悪くしたのか俺の頭を軽くポンポン叩いてくる。

え、なんで?

なぜ俺の頭を叩くのだ、蘭南よ。


しかも次第にストレスが溜まってたのか力を強くしていく。


「痛ぇよ…」

「痛くない」


…いや、誰もお前の感想は聞いてねぇよ。

そりゃお前は痛くないだろうよ、叩いてる方だもんな。


「さて、と。やるか蘭南」

「うん」


満足したのか、姉貴は冷蔵庫のドアをバタッと閉めるとドライヤーを片手に近付いてくる。


「……」


無言で俺の目の前に来て、座っている俺に目線を合わすようにしゃがむ姉貴。

そして浮かべるは満面のニヤけ顔。


怖ぇぇぇぇぇっ!!

めちゃくちゃにやけてるよぉぉぉ!!!!


「ではいきますよー」

「は、何す———」


ゴォォォォォ…———


再びあの独特な音が耳に入る。

…五月蝿ぇ…。

が、今度は熱い風…つまりは熱風が俺の顔面を直撃。


「熱い熱い、熱い!!」

「大袈裟だなぁ、お前はぁ」

「いやいやいや!!まじで熱いんだって!!お前もやってみろよ!!」


俺が促すと姉貴はかなり自分の顔面と離れた所から熱風をあてる。

そして一言。


「温いじゃん」





阿呆かーーーーーー!!!!


当たり前だろーが!!自分とドライヤーの距離をちゃんと見てみろ!!

明らかに離れ過ぎだよ、熱風こねぇよ!!


「あはは〜、お兄ちゃん大袈裟〜」

「は!?」


俺を羽交い締めにしている蘭南は呑気に笑う。

それを見てなんかムカついた俺は普通に羽交い締めを解いて蘭南を羽交い締めにする。

え?何で簡単に解けたかって?

いやぁ、小学生の女の力は弱いものでしてね。


「ちょ、姉貴。コイツにもさっきと同じことやっちゃって」

「押忍」


ゴォォォォォ…———


「熱っ!!…あーつーいぃぃぃ!!!」

「え、ちょっと!!姉貴やめろ、やめろ」


姉貴も少し焦った様子でドライヤーを切る。

なぜかというと、あまりに熱かったのか蘭南が泣き出してしまったから。

予想外の事態に俺も姉貴も唖然。


「ひっく…お兄ちゃんの馬鹿ぁ〜、ひっく…」

「え、俺かよ!」


なぜか俺のせいにされていると分かった姉貴は一気に立ち位置を変え、


「あんたがさっきちゃんとしたリアクション取らないからー」

「待て待て!!」

「なに?言い訳〜?」


姉貴は完璧罪から逃れようと必死に俺になすりつけてくる。


…もとはと言えばお前らがあんなことしなけりゃ平和に寝れたのに。


俺は思った。口に出してはいないけど。



ドライヤーは皆さん気をつけて下さいねーノ

ほんと、ヤケドしますからw

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