六話目+冷空
「おーい、姉貴!!蘭南が呼んでるぞ〜!!!」
只今、蘭南に頼まれて姉貴を呼び出しの最中。
蘭南のダイエットは…最近怠けている。
つまり…今はダイエットはしていない、という事だ。
…やっぱり続かなかったなー。
俺は予想的中だったということ。
そして、姉貴よ…早く出て来てくれー!!!!
暑いっ!!死ぬ!!!
「おい!!早く来いよ!!!」
ドンドンドン!!!!!
『五月蝿えな!!!!』
「…お、怒んなよ…。じゃあ早く出てこい」
『今、忙しいー』
「ニートのくせに忙しくねぇだろ」
『今PCを…』
「いっつもPCじゃねぇか!!!」
『それが私の唯一の幸せ…いや、仕事といっても過言ではないだろう』
「何が仕事だ!!!遊んでるだけだろーが!!!」
『失礼なこと言わないでー』
「今の間も俺は一言も失礼なことは言ってない」
『ニートって言ったじゃん』
「…いつの話だよ。それ会話の最初の方に言っただけだろ」
『ほら言ったんじゃん』
・・・。
何かムカつく。
年下の相手してるみたいだ…あ、姉貴の精神年齢が俺より下なだけか。
「なー、暑いから早く出てこいよー」
『じゃあ入ってくればいいじゃん。ここクーラーがんがんだよ?』
俺はドアを開けた時にふわぁっと冷たーい空気が好きなんだ。
…って今なんで俺の好きなこと言った?
まぁ、いいか。
俺は姉貴のドアノブに手をかけ回すと…。
ガチャ…
ん?開かない、ぞ?
「姉貴ー、開かねんだけど」
『鍵閉めてるもん』
・・・・。
はい?
鍵しめてるって言ったか?今。
何だ、俺を弄んだのか……!!!
俺のあの好きなことを弄びやがったな!?
「…おい、ちょっと出てこいよ」
『嘘嘘、ごめん。鍵開けたから!!!』
俺は疑いながらもドアを開ける。
するとドアは開き、あのふわぁっとした空気がひんやりと体にあたり気持ちいい。
「で、蘭南がなに?」
「あぁ、呼んでるよ。PC使いたいだって」
「今は駄目って言っといて」
「分かった」
そこで会話は終わり、姉貴の部屋にはカチカチという音が響く。
俺は扇風機の前で涼む。
・・・・・。
・・・・・。
「いつまで居るんだよ!!早くでてけっ!!!」
「うわっ!!」
俺はなぜか部屋から追い出された。