一話目+開始!!!
「ねぇ、お兄ちゃん!! 」
ドンドンドン!!!!
ドンドンドンドン!!!
…だ、誰か助けてくれーっ!!!
只今、妹のダイエットに巻き込まれ中。
ドアの鍵は閉めているため開くことはないとしても衝撃が激しい。
これはヤバい。
ドアが壊れるー!!!
「いーじゃん、走るの付き合ってくれたって!!」
「やだよ!このクソ暑い中走るなんて!!」
「じゃあ夜にするからー」
「そういう問題じゃねんだ!!!姉貴誘えばいいだろーが!何で俺なんだよ!!」
「お姉ちゃんがお兄ちゃん誘うといいよ、って言ったの!!」
ドンドンドンドン!!!
まずい…これ以上やったらホントにドアが危ない…!!
「分かった!分かったから、叩くのやめろ!!」
「ホント!?じゃあ早く行こうよ」
「準備するから下で待っとけ」
「はーい♪」
……。
いったか?
俺は大きくため息を吐いた。
何回も。
俺はジャージに着替えるとため息を吐きながら階段を降りる。
すると、蘭南は靴をはいて待っていた。
…ほんと、行く気まんまんだな。
「早く!!!」
「分かってるよ…」
俺は運動靴を出し、はいた。
その間に蘭南は玄関を開け、準備体操をしている。
俺が外に出ると、蘭南は何も言わず走り出した。
「え!?」
「ほら、行くの!!」
「…はい」
何、この関係…。
俺は一言いうと、蘭南のペースに合わせて走った。
だいたい20分くらい走ったところで蘭南を見ると、結構辛そうだった。
「…大丈夫かぁ?」
「…ハァ、うん…ハァ」
「キツかったら言えよ?」
返事をするのも辛いのか、頷くだけだった。
…大丈夫かよ、ほんと。
汗が凄いんだけど…。
まぁ、初めてだから仕方ないか…。
俺は元・陸上部だったからか、男だから体力があるのか全然平気だった。
あれから5分後くらいに蘭南は歩き出した。
俺はペースを変えず走っていたため、後ろをみるとかなり離れていた。
俺はそこにとまり、蘭南がくるのを待つ。
「ハァ……お兄、ちゃん…よく、平気だね…ハァ」
「ん?まぁな。自分でもビックリしてる」
「何、ハァ…それ」
「かなりキツそうじゃん。帰るか?」
「…うん」
約30分走ったのか…。
でもまぁ、初日にしてはよくやったかな。
家につくころには蘭南ももうルンルンだった。
そして靴をぬぐやいなや…。
「さて、体重量ろーっと♪」
「待て待て待て。そんな早く体重減らねーから」
「えーっ」
「えーっ、て。当たり前だろうが!!そんな簡単に痩せれるなら俺だって毎日走るわ!!!」
蘭南はそのあともブツブツ文句を言いながら自分の部屋へ入っていった。
…大丈夫かよ、あの調子じゃ続きそうもないなー。