鍋焼きうどん日和の謎
Q.1
カレーとうんこでは、カレーを食べる派だ。
・Yes
・No
英二の目が丸くなる。
質問が間違っている。
この質問はカレー味のうんこと、うんこ味のカレーだろう。
カレー対うんこでは、うんこに勝ち目はない。
英二は「Yes」を選択する。
画面をスクロールする。
Q.2
日本の国技は相撲です。貴方は横綱力士のボディプレスを喰らいたいですか?
・Yes
・No
だから、なんだこの質問は。
確かに日本の国技は相撲だ。
……いや、そこは関係ない。そもそもその一文が必要ない。
横綱力士の体重は何キロあるんだ?少なくても100キロは越えているだろう。
そんな人間のボディプレスなんて喰らいたくない。
答えは当然「No」だ
再び、画面をスクロールする。
Q.3
地球は丸くない。
・Yes
・No
英二は軽く吹き出す。
今度は余計な文章は混ざっていない。シンプルすぎる文章だ。
だが、地球は丸い。
なんだ、この質問は。
英二は「No」を選択する。
画面をスクロールする。
Q.4
今日は熱い夏の日。気温は42度。だからこその、鍋焼きうどん日和だ。
・Yes
・No
「……はぁ!?」
息が、短く漏れた。
声は思ったより大きく、教室の空気をわずかに震わせる。
女生徒たちの視線が、一斉にこちらへ移る。
好奇と訝しさが混じった、柔らかい針のような視線。彼女たちの会話が、一瞬途切れる。
英二は喉の奥で小さく咳払いをした。
「あ……ごめん、何でもない」
言葉は急ごしらえで、平板に響く。
視線を逸らし、スマホの画面に目を落とす。
指先が、わずかに震えながらスクロールを再開する。もう一度、質問を凝視する。
意味のなさが、改めて胸に突き刺さる。
『だからこそ』がどういう意味かわからない。
『鍋焼きうどん日和』も意味がわからない。
英二は「No」を選択する。
画面をスクロールする。
Q.5
明日は明日です。貴方の今日は明日ですか?
・Yes
・No
もう完全にわからない。
謎の哲学が始まっている。
明日は明日だ。
英二は苦笑いしながら「No」を選択する。
画面をスクロールすると
『診断結果へ』
との項目があった。
英二はそれをクリックする。




