表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/36

第二十八話 魔法技術の革新

 マジック・ウォーター組合長の協力により、研究は飛躍的に進歩した。


「従来の魔石効率が三倍になりました」

 アクアマックス所長が興奮して報告した。

「アクアティック式水魔法陣と、ウォル式実用設計の融合が成功したのです」


 実際、新しい装置は驚異的な性能を示していた。

 少ない魔力で大量の水を浄化し、温度調節も自在。さらに、魔法使いでなくても操作できるほど簡単だった。


「これなら一般家庭でも導入可能ですね」

「しかも維持費が従来の十分の一です」

 エクセレンシー首相も大満足だった。

「これで我が国の水問題は一気に解決するでしょう」


 しかし、ウォル=水原はある問題に気づいていた。

「所長、この技術をさらに発展させれば、もっと大きなことができるのではないでしょうか?」

「大きなこと?」

「海水の淡水化です」


 一同が息を呑んだ。


「海水を真水に変えるということですか?」

「はい。アクアティック王国は海に面していますから、無限の水源があることになります」


 アクアマックスの目が輝いた。

「理論的には可能ですが…膨大な魔力が必要になります」

「なら、魔力を節約する方法を考えましょう」

 ウォル=水原は前世の知識を総動員した。逆浸透膜、電気分解、蒸留法。様々な淡水化技術を魔法と組み合わせて検討する。


「この方式はどうでしょう?」

 設計図を見せると、研究者たちが驚嘆した。


「太陽光を集めて水を蒸発させ、魔法で効率化する…画期的です」

「しかも維持費がほとんどかからない」

「これなら砂漠の国でも導入できますね」


 研究チームは興奮していた。しかし、実験が始まってすぐに予想外の問題が発生した。


「大変です!隣国のデザート王国から抗議が来ています!」

「抗議?」

「『我が国の貴重な水源を奪う気か』と言ってきました」


 エクセレンシー首相が困惑した。

「海水淡水化が他国の水源を奪う?意味が分からない」

「どうやら、デザート王国は水不足で困っているらしいのです。それで、我が国が大量の真水を作ることを警戒しているようです」


「理不尽ですね」

 ウォル=水原も呆れた。


 しかし、国際問題に発展する前に解決策を考える必要がある。

「なら、デザート王国にも技術を提供すればいいのでは?」

「それは…外交上、複雑な問題になります」

「なぜですか?」

「両国は長年にわたって水の権利を巡って対立しているのです」


 アクアティック王国とデザート王国。水の豊富な国と水不足の国。確かに複雑な関係だろう。


「でも、技術があれば両国とも問題が解決するじゃないですか」

「理屈ではそうですが、政治的には…」

 

 その時、研究所に緊急連絡が入った。

「デザート王国の使節団が到着しました!」


「もう来たのですか?」

「しかも、かなりの大人数です。軍の護衛も付いています」


 緊迫した空気が流れた。まさか軍事的な圧力をかけてくるつもりだろうか。


「どうしましょう?」

 エクセレンシー首相も困り果てている。


 しかし、ウォル=水原には一つのアイデアがあった。

「首相、私に任せていただけませんか?」

「何をするつもりですか?」

「直接交渉です。技術者同士で話し合えば、解決策が見つかるかもしれません」

「危険すぎます」

「でも、このまま対立していても何も解決しません」


 ウォル=水原の決意は固かった。

「異世界を楽園に変えるためには、国境を越えた協力が必要です」

 

 使節団との対面が始まろうとしていた。果たして、水を巡る国際対立は解決できるのだろうか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ