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  次の日も次の日も、ルナマーリア達は王子達には気が付かない。

ならばと入り口の目立つ場所に立ってみたりしたが、おしゃべりに夢中なのかまっったく気が付かない。

通り過ぎる直前に「ゴホン」と咳ばらいをしてみたりしたのだが、周囲の令嬢が

「あらら~」「おほほ~」「うっふふ~」「あ、そういえば」

と咳ばらいにかぶせてきてしまい、ルナマーリア達には聞こえていなかった。


「なんなんだよ、あんな大きな声でかぶせられたら迷惑じゃないか」

「まったくだ、あれはマナー違反じゃないのか?」

「本当に、貴族令嬢としてどうなんだ?」

「王子である俺に気が付かないだなんて、王族に対する不敬じゃないのか?」

王子達はぶつぶつと文句を言っていたが、それを聞いてしまった令嬢と令息たちは、

(あんだけマナー違反の令嬢のそばにいたのに?)

(お前らが令嬢を語るなってーの)

(王子だからってそんなに光り輝いてるわけでもないのに不敬とかウケる)

(ルナ様たちは『お休み』中だって~の)

(((我々は王子どもをルナ様たちには近寄らせない!!)))

新たな決意で結束をするのであった。


 あまりにもルナたちに気が付いてもらえない王子達は、食堂の入り口で待ち伏せることにした。

「そのまま一緒に食事をとるように誘ってやろう」

「殿下から誘われたら喜びますよ」

「きっと声をかけてくるのを待っているに違いありません」

などと言いながらルナマーリア達を待っているが、それよりも先に食堂にいた令嬢令息たちがハンドサインで誰かに合図を送っている。

そのサインは次々と伝達されていった。


(王子達が食堂入り口で粘着中)

(今日は声をかけて昼食に持ち込むつもりらしい)

(急いで準備させる、外でランチをとれ)

(了解、食堂から見えないように移動する、目隠しを頼む)


「ルナ様~、今日は良い天気ですから外で食べませんか?」

今日のお昼を一緒に取る令嬢たちがそういってルナたちを食堂から引き離した。

「外で?素敵ね」

「あら、でも食べるものを準備していないわ」

「「「お任せください」」」

数名の令嬢がそういってまた何かハンドサインを送る。


(外への誘導成功、ランチボックスの手配頼む)

(了解、人数を把握して再度連絡)

(こちら庭園、ランチができる準備完了)

(人数を把握次第ランチボックスを届ける)


「ランチボックスが準備できたら庭園で花を見ながら食べましょう」

「まあ、庭園で?」

「わたくし庭園ではお茶会しかしたことがないわ、楽しみ」

「ねえ、ルー、急にこんな準備ができるなんてすごいのね、皆さま、いえ、みんなって」

(そうでしょ、そうでしょ、ルナ様たちの『お休み』全力でサポートを皆で誓い合ったのですから)

(あんなララにへらへらする粘着王子どもには近寄らせませんとも!)

(((守れ!あの笑顔!!)))

声には出ていないが、ハンドサインで喜びをかみしめる令嬢たちだった。


王子達はというと、体格のいい令息たちがなぜかもりもりとわいてきていた。

「なんか、でかいやつが多くないか?」

「前が見にくいな」

「おい、お前たち、ここでうろつくな、散れ」

「「「「うっす」」」」

そう返事をしながらも両手両足を広げて動き出し、お互いにぶつかりそうになりながら絶妙にぶつからずに、しかもフォーメーションが変わるだけで移動をしていない。

(作戦K)

(合言葉はカバディ!)

(((うっす)))


「なんなんだ」

「移動しろって言っているだろう」

「「「「うっす」」」」

「だぁああああ、散れ!散れ~!!」

そして昼休みが終わった。


 放課後、ルナマーリア達を捕まえようと馬車の前に陣取っていた王子達だったが、

「あれ?いつになったら来るんだ?」

「もう残っている馬車は俺たちのしかないが・・・」

「どうなってるんだ?」


「ルナ様、今日はご一緒に新しくできたお店に行きません?」

「新しいお店?」

「そうなの、とてもかわいい輸入雑貨がお勧めで」

「なんと併設されたカフェのふわとろスイーツがまた素晴らしくて」

「まあ、ふわとろ?」

「ふわとろの何?ケーキかしら?」

「ふっふっふ、お店に行くまで秘密です」

「キャー、楽しみ」

「あら、わたくしたち制服のままだけどお店に行ってもよろしいのかしら?」

「メグ、そこは制服で言ってもいいの?よ。

当然、町の雑貨店よ、ドレスコードなんてないから」

「まあ、そんな簡単に行けるなんて」

手ぱぱぱっつとハンドサインが送られている。

(粘着王子達より先に学校から脱出せよ)

(公爵家から連絡あり、店までの道のりは白い犬を連れた2人組の男性についていくこと)

(了解、前後左右に騎士科の教師が警護)

(ルナ様たちの周囲は武道メイドを最終ラインとして配置)


結局王子達は馬車の前でぼんやりと日が暮れていくのを見ていて1日が終わった。



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