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『お休み』を宣言してから初めての学園登校の日、 ルナマーリアが学園に登校すると、数名の令嬢が待っていた。
「ごきげんよう、皆様」
「「「ごきげんよう、ルナマーリア様」」」
「ルナマーリア様、今日から『お休み』でよろしいのですよね?」
「ルーナリア様、ごきげんよう、そう、いよいよ『お休み』ですわ」
ルナマーリアがそういうと、ルーナリアはゴホンと咳ばらいを一つした。
「でしたら、挨拶はおはよう、言葉遣いはもう少し砕きましょ」
「あら、そうだったわ、じゃなくて、そうだわ、ね」
「それから、名前は様をつけずに愛称呼び!これをしなきゃ『お休み』じゃないわ。
私の事はルーでよろしく」
そういってルーナリアはパチンとウィンクして見せた。
「じゃあ、わたくしの事はルナとお呼びください、あら、呼んでね。
ルー、これでいいかしら?」
「ルナ、そこは、これでいい?よ」
「これでいい?」
「うん、よろしい」
「わたくしの事はメグとよんで」マーガレットがそう続けた。
「では私はリアと」リーリアがそういった。
「わたくしはベスね」エリザベスがワクワクした顔でそういった。
「わたくしはどうしましょう、家族からもクラーラと呼ばれていますし・・・」そう言って困り顔をしたのはクラーラ。
「ルー、どうしましょうか」
「メグ、そこはどうする、よ。
そうねえ、ラーラかクララ、皆はどっちがいい?」
ルーの提案に令嬢たち、いや、少女たちは楽し気に相談してクラーラはクララと呼ばれることになった。
「ラーラはちょっとね」というのが皆の意見だった。
「さて、それでは教室に行くわよ」
そういってルーはルナの腕に自分の腕を絡めた。
「あら?」
「仲良しアピールよ」
そういわれ、ルナは恥ずかしそうに笑い、メグやベス、クララとリア、それぞれ恐る恐る腕を組み合ってルナたちに続いた。
教室の扉を開けると、いつもと違う様子にクラスメイト達は驚いて固まっている。
「おはよう、皆」ルーが最初にそう言った。
「ほら、ルナも」ルーがそう言って腕を軽くたたくと、ルナは恥ずかしそうに「おはよう、皆さま、あ、みんな」そう言って挨拶をした。
続けてメグたちも「「「「お、おはよう」」」」と挨拶をすると、クラス内はどよめきが起こった。
「令嬢の鑑と言われるルナマーリア様が!」「マーガレット様も、クラーラ様達もだぞ」
「あの令嬢の鏡様たちが気安く挨拶をしてくださるなんて!!」
「「「どうなってるんだ???」」」
皆の困惑をよそに、ルナたちは席に着いた。
「緊張しました、あ、緊張したわ」「わたくしも」「わたくしもよ」「私も」「私うまく言えたかしら」
「わたくし上手にできたかしら?」ルナがそういって両手を頬にあてて顔を赤くしていたのを見て、
「さすがルナ、上手だったわよ」ルーがそういってまたパチンとウィンクをした。
「うれしいわ」そう言ってふっと微笑んだルナを見て、クラスメートはまたざわめいた。
「「「「なんて可愛らしい!!!」」」」と。