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灰となるまで、復讐を.  作者: 氷上 冬華
1.0 前日録及びプロローグ
8/38

8.

王城の内部は以外にも普通だった。なんかこう、魔王城って聞くとどうしてもやばい物が飾ってあるんじゃないかとか思ってたんだけどそんな物もなく本当に内部はシンプルな城という感じ。なんだろうなモン・サン・ミッシェルみたいな外観をしてる。外は暗闇なのに城の内部は白いし。でもこれ全部大理石だよ。床も壁も椅子も、こんなに沢山……というかこの城全部大理石で出来てるんじゃ、あ、窓は普通のガラスだ。よかった、

「あの、キシュレッテ……様?質問いいですか?」

「キシュレッテ、で構いませんよ。どうかされましたか?」

「その先程この城の外観を見た時に思ったのですが、大理石とクォーツを主に使用されていますね。屋根まではちょっと見えなかったんですが、なぜ大理石やクォーツを主に使用しているのですか?」

「…それは魔王様の御生誕が4月だからです。人間のところでいうと誕生石、がありますでしょう。4月の誕生石にクォーツがあります。なのでクォーツを使用しているのです。大理石を使用しているのは昔からの伝統なんですよ。」

わたしが子供(ガキ)だからわざわざ噛み砕いて説明してくれているのだろうか。ありがとうございます。あぁ、そっか、そういえば「私」は説明が絶望的に下手くそだった……

「なるほど……ありがとうございます!」

会話…終了。綺麗な大理石とクォーツの通路をひたすら歩き続ける。コツコツという靴の踵が地面に触れた音しか聞こえない。というかわたしもお父さんもナデュラ様もふかふかなマットの上を歩いているから音は吸収されて出ないはずなんだけど。これ誰の足音?

そんなモヤモヤとした考えが右脳から左脳へ3周もするとやがて昔「私」が住んでいた家と同じ大きさの扉が目の前に現れた。扉というか門みたい。

「流石に扉は木、少し安心……」

「…お入りください。中で魔王様がお待ちです。」

扉に利き手を添えキシュレッテが扉を押す。ギギギよりもゴゴゴという音がして両扉が奥へと開いてゆく。

「行こう、フェーテ。」

扉が完全に開き終わる前にお父さんは中へと入ってゆく。なるべく差が開かぬようにわたしも追って扉の奥へと足を進めた。ナデュラは来るのだろうかとふと思って後ろを見たけどこちらに頭を下げていて動かなかったので多分、許可がないと入れないのだろう。上下関係が、とか聞くし。

大きな扉の奥に広がる部屋はパーティー会場のような作りをしていた。よく異世界転生系漫画ででくる感じの部屋ね。その奥にある数十段の階段の先にこの国の主は座っていた。

(石の椅子じゃん……)

「……アズィーザカ国王陛下、オルデューグ殿にお会い出来たことを恐悦至極に存じます。私はクーグレイス国から国王の使者として参りましたリター・グローヘルエと申します。こちらは私の娘の……」

「フェーテ・グローヘルエと申します。お会いできて光栄です。陛下。」

一応先程ナデュラ様にしたようにお辞儀をする。これが正しいって教わったとおりに。うーんカンペキ。

魔王というとイメージ的には黒いマントをつけて全身真っ黒で人外で角めっちゃ長くて威厳超ヤバって感じだったのだが少なくともアズィーザカ国王はそういう感じではなかった。あ、でもすーっごく偉そうな感じ!前々からこういう系の魔王って小説とか漫画だと大体エラそうにしてたからそういうイメージがあるのかも。

アズィーザカの国王は角は生えてる。でも服は真っ黒じゃない。めっちゃオシャレ、なんか年齢も若そう。あと顔がいい。私の好きな顔って感じ。まぁ異世界だしお父さんも爽やかーなイケメンだし。そんなものか。

わたしが挨拶を終えた後少しの間が空く。身分が低いものは身分が高いものの指示などがなければ顔を上げてはならないという教えからわたしは斜め下を向いていた。そして遂に沈黙は破られる。呆気に取られる魔王様からの一言によって。

「……よくここまで来てくださった!グローへルエ家の方々。形式的な挨拶はしなくていい。諸外国の御要人に頭を下げさせる、という行為は好きではないのでね。おふたりは明日までこちらに滞在されるのだろう?部屋は用意させてある。あとでキシュレッテにでも案内させよう。」

「え?あ、ありがとうございます。陛下。」

「リター殿、私のことは陛下ではなく普通に名前で呼んでくれて構わない。むしろ、友達のように接して欲しいくらいだ!」

「……え?」

わたしもお父さんもぽかーーーーんとした表情になってしまう。それもそのはずだ。一国の王が何を言ってらっしゃるんでしょう。お父さんとは初対面ですよ?コミュ力超高い陽キャじゃないですか?!?!さっきのイメージ撤回します!威厳超ヤバはどこいった?!ってくらいフェア過ぎません?!

「……」

空気と化していたキシュレッテさんの方を見ると真顔のまま後ろに組まれた両手が震えていた。多分初めて見たんだろうな、この光景……自身の上司の新たな一面を見てしまってどう感情を表現したらいいのかわからない、その気持ち……わかります。私もアルバイトで店長が着ぐるみダイスキーって言いながらうなぎのコスプレしてうな重売ってるの見て固まったことあるからさ、

「あ、ありがとうございます、?」

「さぁ!名前を呼んでくれ、リター殿!」

「いやぁ、流石に他国の王族に失礼な気が」

「全然構わない!むしろ呼んでくれ!」

「え、えぇ……」

お父さんが戸惑ってる。顔も引きつってるし。あーこっちを見ないでくださーい。わたしは知りませーん。だからなんか、頑張って、お父さん、

ーーーーーーーーー


私とわたしを書き分けてます。私は前世、わたしは現世を。

別人格とかではないよ。

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