34.
ようやくお話が進みそう。というか外伝リアルでしょー!ガチで無から生み出してるけど現実世界の話だけペンの進みが早いのだー!
再度走り始めて数分後。静かだった背中から明らかにわたしよりも速い足音の…効果音が聞こえる。
(ーーーー!ーーー ーー!)
「…もう追いついてくるのか…足速いな。けど、ここで足止め食らって連れ戻されるわけには行かない。よ、し。一青夜!もといフェーテ・グローへルエ全力で逃げます!」
足の指が土を踏みしめ蹴りあげるように、全身の力を足先に集中させる。とはいえ持久力しかわたしにはないから自分のペースの最高速度で走ることになるんだけどね!ウルクに追いつかれる前にその先を走る脳筋プレイで行こう。追いつかれるのは分かってます。けれど、素直に負けました。ごめんちゃい叔父様のところ行きますは絶対に嫌だね。足掻くよ、諦めないよ。友達関連に関しては絶対にね。ピースが欠けるのは今であって欲しくないんだ。
(ーー ーーーー!)
「んっ…」
精霊がなにかしたのかどう考えても背中からふわりと追い風が吹いてくる。そっと背中を押す程度の風だがまぁ、今は有難い。冷静になればわたしのあれは完全に当たり屋じゃん。わたしが、悪いのはわかってる。わかってるけど、お礼の言葉はどうしても、喉から出てこなかった。負けた気分になるというか意地というかプライドというか。そうです。持つだけ無駄な高い謎のクソプライドのせいで謝れないんです!つか素直に言いたいことを言えていたら「私」はきっと、あそこまで背負わなかったな。そうだ、プライドさえなければ、あの時だけでも捨てられていれば崩壊は引き起こさなかった。
いやそんなことを考えてる暇はない。今は現実に集中しよう。過去を悔やむのは今じゃない。気にしても時は巻き戻らない。アレを変えることはもうできないんだから。
精霊のおかげで多少走りやすくなったが足音は徐々に近づいてくる。このままじゃ数分もしないうちに追いつかれるだろう。
100メートル、150、200…走っても走っても後ろの音は早く聞こえるばかりだ。うん、馬ほしい。なんなら自転車、電動付き…スクーター、バイク、いや運転出来ないけど車が欲しい!魔術で出せば…って思ったけど無理だ。走りながらとか出来るわけない!
「そうだ、信じられるのは自分の足!この足だけだー…って、え。」
気合いを入れ直したその時だった。暗闇を突如として照らしたソレが信じられなくて思わず走る足を緩めて、止めた。そして目視で確認する。けれど服の下から取り出したソレは確かに強く赤く光り輝いていたのだ。
「………うそだ。」
暗闇の地面にへたり込む。正常な心拍数にする為に行う呼吸音が耳から遠ざかってゆく。背中から疲れではない汗が精製される。普段聞こえる風の音が聞こえなくなる。頭の中が真っ白になっていく。行き当たりばったりのこのクソみたいな人生に落とされる一滴の雫。波紋を起こす全部の元凶。そうだ、「私」はこれを知っている。あの時もそうだった。その後の人生を左右した最悪の…この状況に名前を付けるとしたらそれは…「絶望」ってやつだ、
「………へい、か…?」
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ここにきて一青夜のプロフィール公開のコーナーです。
一青夜
享年 20
誕生日 7月10日
身長 149
好きな食べ物 昔はラーメンとうどんが好きだった
嫌いな食べ物 見た目と匂いと味がキモイやつ
好きなこと ゲームだった
好きな教科 歴史(日本史が最高に好き)
特技 なし
家族構成 父 母(離婚済)妹 妹 犬 犬
死因 刺殺
アルバイト経験 あり(飲食店3年、コンビニ4ヶ月)
底辺高校出身。現在は通信大学生。仲がいい橋部御空、市ヶ谷祐輝とは同級生だが年齢は夜のがひとつ上。中高一貫校の高校を1度辞めている。性格は可もなく不可もなくと言った感じだが中学の頃からインターネットをしているため口が悪い。友人にも口が悪いし人使いも荒いが危ないことは友人にやらせず自ら進んでやる。意外にも常識人で3人の中ではかなりまとも。あと1番頭が良い。送ってきた人生が人からしてもやばいというレベルで死ぬ前の憧れは普通の家庭だった。おとーふメンタルの持ち主で心を刺されると泣いてしまうため虚勢を張っていることが多い。そのため口が悪くプライドも高い。人と話すことが得意ではないくせに接客はできる謎の人間。子供っぽいところが多々ありそのひとつに鼻血が出た時風呂に入っているなら手に鼻血を垂らし体にぺたぺたと判を押すようにして遊ぶというのがある。この話をにこにこしながら御空と裕輝に話したところドン引きされたことがある。大の虫嫌い。両親は離婚しているが名字は母親の方を名乗らされている。