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灰となるまで、復讐を.  作者: 氷上冬華
2.0 本編
32/38

32.

ここに来てなんと前世の新キャラがでてきます。

フード付きローブを羽織り帽子を深くかぶるように顔を隠す。例えそれが夜であっても他人に見られてはいけないから。愚王の私兵にもしもわたしのことを知っている人がいたらまずいからね。まぁ大抵のというか、関係者以外知っているはずはないのだけど!

「それにしても、前見にくいな…これ、」

宿をでる準備をしていてくれと言われたのがほんの数十分前の話。回した頭を回復させるために大量の果物を胃袋におさめて爆速で風呂に入りほかほかの状態で服を替えどこかに行ってしまったウルクの帰りを待っていた。

「暇だ。つかよくよく思えばこの世界の子供ってみんなああなのかな。ウルクって13じゃん。見た目もそうだけどどっからどう見ても13のガキには見えないんだよな。「うちの妹」なんて中一の時、典型的な中学生やってたし…この世界の13すげぇな…」

単にウルクが大人びているだけなのかもしれない。という考えは一旦置いといても不思議でしょうがない。もしかしたらわたしと同じ転生者だったりしてね。転生してたとしても間違いなく「私」の知らない人物だと思う。少なくとも祐輝ではないし光でもないだろう。あの2人だったとしても性格が全然違うからね。あ、光は「私」、御空、祐輝、ーーちゃんの4人の共通の友人だよ。単に記憶を思い出していなかっただけだとしても祐輝は…うん、無い。光も…ないな。想像できない。第一、光は死んでいないと思う。彼女に刺されるタイプでもないしあの人は母親と共依存の関係だ。それに上手くやるタイプの人間だし。どちらかというと祐輝の方が死んでる確率は高い気がする。「私」と御空、祐輝の中で2番目に死ぬと予想していたこともあるし「私」と御空は既に死んでいる。「私」が死ぬ前の記憶だけれどあいつの周りに信頼出来る人間はいなかったはずだ。

「…祐輝がもしこの世界に転生してたらまた3人で、遊べるのかな。カラオケはないしやれることも限られてるけど。…いや無理か。わたしの今後はどうするか決めてないし、御空サンも…」

待って、そういえば御空って、今世人間じゃなくないか、?陛下のことばかり考えていたけれどあの人も、魔族だ。

さあぁぁっと顔から熱が消え、湯冷めしている気分になる。寒い。さっき、ついさっき風呂に入ったばかりなのに。気温に合わせて寒くならない服を着ているはずなのに。これがきっと、血の気が引くということなんだろうと思った。

そうだ、忘れていた。なんでこんな大事なこと忘れてたんだろう。頭の中で勝手に人間だと決めつけていたからだ。今の御空は人間じゃ、ない。

「…友達、忘れてたとか土下座案件だ。お父さんがーーだからとか理由にならないし理由にしちゃいけないや。」

今の御空には破壊の3段活用が使えるから心配はそんなにしていない。けどどうしてか胸騒ぎがして止まない。不安が頭をよぎり続けている。魔力切れだと言って死に瀕している姿が容易に浮かんでしまう。もしその想像が現実だった場合、わたしはわたしが死ぬよりも先に友人を失くすという何度死んでも許せないことになるだろう。それは、絶対にだめだ、助けに、いかないと。

「…」

いつまでも戻らないウルクを待つべきか、それとも宿を飛び出して助けに行くべきか。それは考えるまでもなく、答えは最初から決まっていた。

(ーーーーー!ーーー ーーー ーーー…)

ドアから普通に出てもいいけど帰り際のウルクに見つかる可能性があるし、ここはいっその事窓から飛び降りよう。アズィーザカまでの道分からないけど、来た道を辿れば着くはずだ。空間魔術でひとっ飛びできればいいのだがそう簡単にチートなんかあるわけない。この魔術で移動できる距離は半径100m以内くらいだ。あとは物を保存出来ることとウルクの首輪を破壊した時のような空間を引き裂いてめり込ませることしか出来ない。生憎連続使用できるほどこの魔術の熟練度は足りないし。

「…とりま、魔術使って地面に着地して元来た道を辿ろう。ウルクには…置き手紙でいいか。」

紙を探す時間も惜しいのだからもう創造魔術を使って作ろう。こっちも中々魔力がさよならしていくがしょうがない。

「……よし、ペンも作っちゃおう。…えっと、ウルクへ。ごめん、わたしは友達を助けるためにアズィーザカに行きます。もう二度と大切な人を先に失わないために行かなきゃならないから。」

ーーーー

新キャラ

鳴宮光なるみや ひかる

一青夜、橋部御空、市ヶ谷祐輝、ーーーーの共通の友人であり高校時代は市ヶ谷祐輝の親友のようなポジションだった。なかなか家庭環境が複雑であり、理不尽に母親に殴られたことがある。ちなみに前世の日本では3人が死んだ後も彼は生きているため転生などはしていない。前世の話の時のみ登場。実は高校時代に何人か彼女がいたことがありほとんど光が振られる形で別れている。

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