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29.

祝 ウルク語り手

「おはようウルクくん。今日も暗い空模様よ。」

「おはようございます女将さん。…そうですね。この所、ずっとこの天気ですし、傘持っていくか悩みますよね。これ今日の分です。」

「まいどね。あぁそうだ、まだ連れの人は体調戻らない?今日の夕食こそは栄養のあるものに変えようか?」

「…お気遣いありがとうございます。でもあの人はちょっと変わっていて体調が悪い時は果物しか食べないんです。だから大丈夫です。俺、そろそろ行きますね。すみません昨日と同じくアレをお願いします。」

「行ってらっしゃい。もちろん、彼女が部屋から出ないように見張っておくからね。体調が悪いのに外に行くなんて言語道断なんだから!」

豪快に親指をたてる宿屋の女将さんに頭を下げて宿屋をでる。

「さてと。お嬢が起きる前に買い出しと情報収集するか。」

こんにちはお嬢の護衛のウルクだ。3日前、グローへルエ家が謎の襲撃に逢い家主のリター様とその奥様のシラ様は襲撃者により殺害された。その他にも使用人、グローへルエ家直属の騎士団はほとんどが襲撃者の手により死亡した。幸いにも生き残った者たちは執事長の指示により暇を出された。襲撃者はリター様とシラ様を狙っていた。もしかすると2人の子供であるお嬢の存在が露呈し追っ手を仕向けられるかもしれないということを恐れた執事長はお嬢の護衛である俺にお嬢の叔父叔母(正確には大叔母大叔母…だと思う)の領地まで逃げるように命令を受けた。今はその道中の街というわけだ。本当は一刻も早くその屋敷まで行きたいのだがお嬢は無尽蔵のスタミナを持っているわけではない。それに両親の死を目の当たりにしたお嬢はいま、なんというか魂が抜けたような無気力状態なのだ。それもそうだろうというか、そうでなければこの天候は理解できないというか。俺はお嬢に仕えると決まった時にとある契約書なるものを結ばされた。それがお嬢の秘密、二アドについて生涯公言しないということ。それにより二アドがどのような存在であるかも理解している。二アドの強い感情が精霊を伝い天候を動かす、と。いまの天気は曇り時々曇り。曇天の空だ。泣きたくないのか、それとも泣けないのか。

「おじさん、これひとつ。」

「お、昨日も来てくれた子だな。確か妹さんの体調が悪いんだったよな。これ形が悪いからふたつオマケしておくよ。200円だ。」

「ありがとう助かるよ。はい200円。そういやおじさん。最近街で変わったこととかある?」

「まいど。変わったこと?そうだなァ…」

露店が集まる所謂露店通り、街のこういうところは噂話の集まる場所でありどんな些細な噂も広まる原因の場所。

「俺、ネイストジェル領にいる親戚に会いに行く途中でさ道中で妹に嫌な思いとかさせたくないんだ。盗賊とかの噂がなければいいんだけど…」

自分が仕えている主のことを妹と言うのはなんとも良い気分はしないのだがしょうがない。元気なお嬢がこの話を聞いていたら間違いなく誰が妹だ!って怒るんだろうな。ま、いまはそんな元気お嬢にはないから全然使うけど。

「ネイストジェルはこの街から馬であと2日ってところか。そうだな、ネイストジェルに行くまでの街道で悪い噂は聞かねぇからいまのとこ大丈夫だと思うぞ。ただ…」

まわりの人には聞かせないような話をするから耳を貸せと言わんばかりに露店のおじさんが手招く。俺はそれに応えおじさんの口の近くに耳を寄せる。

「ここだけの話なんだがどうやらアズィーザカの連中に国王様は戦争をはじめるらしい。この街は魔族との国境線があるグローへルエ領に行くための通り道にある街だろ?2日前の夕方にとんでもねぇ量の兵が通ったんだ。それも朝から夕方までずっと列が途切れなかった量だ。やばいだろ?行進が順調に行けば明日には戦争が始まんじゃねぇかってもっぱらの噂だ。」

「戦争?!」

「おいバカっ!声が大きい!あとなお前昨日グローへルエ領から来たって話してただろ?それならグローへルエ家の家族が殺されたのは知ってるか?」

「……まぁ、一応、」

「…グローへルエ家の当主様が殺された理由は魔族と交流があり国王様に対しての反逆を企てていたからっていう話を聞いたんだ。あくまで噂だがな。」

「…は?」

「あー俺にはな昔グローへルエ領に住んでた友人がいるんだ。その友人に当主様の話を聞いたことがあるんだが民のことを第一に考えてくれる素晴らしい領主だだからお前も引っ越さないかと勧誘を受けたことがあるんだ。だから俺はグローへルエ家の当主様は国王様に濡れ衣を着せられて殺されたんじゃないかって考えてる。つうかこの話を知っているヤツらはほとんど同じ考えだと思うがな。」

開いた口が塞がらない。その噂が本当だとするなら国王が首謀者?!戦争の理由を作るために殺された?!い、意味わかんねぇー!

「へ、へぇー戦争ね、戦争か。うん、それなら早く出発した方がいいかもな。ありがとうおじさん!」

「おう。お前と妹さんの旅路が上手くいくことを願ってるぜ。」

「ありがとう。」

果物屋のおじさんからなぜか大量の果物が入った紙袋を貰い店を離れこの話をお嬢に伝えるべく自分史上最速に近いスピードで宿屋まで走って帰った。

ーーーー

こんにちは。矛盾を直していくにはまず後書きからということで今回思い出した矛盾解決のコーナーです。

今回の矛盾解決コーナーはこちら。じゃん!精霊術について!はい。一般エルフが使う精霊術と二アドが使う精霊術。実は名前が同じだけの全くの別物です。フェーテさんはどうやら説明力皆無なので同じだと思っているようですが全然違います。

一般エルフは「エスピリテクラティブよ!」のように精霊にお願いしますという感じで術を使います。つまり精霊の気分が悪かったりすれば術は不発に終わります。

対して二アドが使う精霊術は「わたしは 〇〇が ほしい。」のように寄越せと言っていますね。精霊は二アドだいちゅき〜なので無条件になんでもくれます。確率は100%です。あとでこっそり本文の方にも追加しておきます。すみませんでした!!!!

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