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灰となるまで、復讐を.  作者: 氷上 冬華
1.0 前日録及びプロローグ
2/38

2.

すいませんでした。フェーテのお父様は副団長ではなく団長です。スライディング土下座します。すしゃああああああああああ

今から約2600年も前の出来事。

この大陸…通称コンティネントには6つの国が生まれた。全てがヒトの国ではなく魔族やエルフ、多種多様な種族がそれぞれの国を創ったのだ。そして6つの種族たちの初代王または長は不可侵協定を結ぶこととなり以来2600年間、多少のごたつきはあったがその不可侵協定が大きく破られることはなかった。

6つの種族とはひとつは人間族、ひとつは魔族、ひとつは獣人族、ひとつはエルフ、ひとつはオートマティア、ひとつはシュテアンのことである。

「…とまあこんな感じでこの大陸は6つの種族に別れているの。」

ここは人間族クーグレイス国 グローヘルエ領

「なるほど…ねぇお母さん。エルフはお母さんのことで人間はお父さんのことでしょ?それじゃあ魔族とか獣人族はどういう種族なの?」

「いい質問だね、フェーテ。」

「あ、お父さん!おかえり!」

「ただいま。フェーテのさっき質問の答えだけれど魔族は主に魔術に特化した種族のことだよ。人間は魔法というものを扱うけど魔族は魔術を使う種族。魔族の国はヒトの形をした高位魔族もいるけれど基本的には獣人族の先祖のような見た目をした下位魔族が多い。でも人間と違って上下関係がハッキリしているから争いは基本的に無いんだ。下位魔族はひとつしか魔術を使うことが出来ないって制約があるみたいだね。対して獣人族。こちらは自分自身の血を使った血の魔術って言われるものを使う。前に僕が見たハイリガンプっていう催し物だと獣人族はみんな素手だったんだよねぇ。すごいよねぇ、僕も出来るかな?素手で岩を破壊したりするやつ。」

「お父さんは弱っちいから無理だよ!だってフェーにいつも勝ててないもん!」

フェーテはそう言いながら父リターの脛をめがけて気合いのパンチを繰り出した。クリティカルヒット。古来よりベンケイノナキドコロと呼ばれた部分は全世界男女共通の急所である。

「いつっっっっ!いや、フェーテ、?脛は流石に…誰でも痛いよ、」

だが、齢5歳のフェーテの小さな手はリターの骨の硬さに驚いたようで赤く腫れてしまう。

「ふっ、ベンケイノナキドコロだもんね!でも…フェーも痛いー。お母さん、いつもの頂戴!」

「はいはい、エスピリテクラティブ(治癒の精霊)よ。」

腫れた手のまわりを3cm前後の光を纏った精霊が覆う。実はこの精霊の術は精霊親和力が高い人にのみ使えるかなり特殊なものだ。エルフは生まれつき精霊親和力が高いため使うことができる。そして精霊親和力の高さによりそのエルフの寿命も確定するのだ。

先程の種族の続きの話をしよう。実はオートマティアとシュテアンの2種族については情報がかなり少ない。現在ある情報は不確実なため故に省略する。

「じゃあ次はエルフだね、エルフについてはフェーテも知っているよね?」

「うん!お母さんのことだよね!エルフはせーれーさんの力を借りて使う精霊術が使えて色んな動物や植物と会話ができる!寿命は人よりはるかに長い!」

「うんうんあってるあってる!流石はフェーテね。お母さん感激…!」

母シラは娘の成長に感激しフェーテをぎゅっと抱き締めた。母から貰う嘘偽りのない愛。フェーテはそれが嬉しいのか得意気に以前教えてもらった知識を追加で話す。

「ふふーん!それでヒトとエルフの混血のことをハーフエルフって言うのも知ってるよ!前に長老さんに教えてもらったんだー!これってフェーのことだよね?」

「あぁ、そうだよフェーテ。でも混血なんて難しい言葉よく知っていたね?いつもの勉強の成果かな?」

「…そうだよ!フェー頑張ってるからね!いつかパ…お父さんみたいになんでもできる騎士になりたいんだ〜!」

リターはヒトの国クーグレイスの国家騎士団ストルズで騎士団長を務めている。騎士団と言えど護るだけの任務で終わらず、復興地域の手伝いや新村開拓など様々な活動をしているのだ。ストルズはニホンで言うところの自衛隊に近い存在である。

「フェーテはお父さんを越す力を持っているだろうから騎士になったらすぐに団長クラスになれるさ!ストルズ団長のグローへルエ・リターが保証してあげよう!」

「やったー!ありがとうお父さん!」

修正、精霊にはとある特徴がある。

「あら。あらあら、エスピリテがこんなに、」

「お母さん、エスピリテじゃなくてせーれーさんって言った方が皆喜ぶんだよ。ほら!」

精霊親和力が高い者は二アドと呼ばれる。二アドが怒れば精霊は怒り雨を降らせ風を起こし自然災害をもたらす。反対に二アドが喜べば精霊は踊り空から光が降り注ぎ自然が笑う。コンティネントに存在する生きる自然に精霊は住まい二アドの感情に同調し連鎖させてゆく。そう、ドミノ倒しのように。

「家族」3人+豪華な家具があっても広過ぎるくらいの部屋。天井には硝子で作られたシャンデリア。精霊術により照らされる部屋。だが、今までにない程の精霊親和力を持ち生まれたフェーテの悦びの感情に精霊は同調し光り輝く。部屋の中には花弁が舞踊り光が宙を舞って庭を照らす。まるでその一帯だけが朝であるかのように。

「…シラ。」

「…はい。」

「やはり僕たちの子供は想像以上に凄い子なのかもしれないな。いつか、世界を変えるようなそんな子に育つ。そんな気がしてならないよ。」

「私も。そう思います。」

シラとリターはフェーテに聞かれないよう言葉を零しあった。2人にとってフェーテは自慢の子供と呼ぶに値するらしい。それもそのはず、ハーフエルフの誕生率は約0.1%。産まれること自体が奇跡とも呼べる。

「…。」

2人の会話はフェーテには聞こえていた。

精霊が聞いた声を二アドは聞くことが出来るのだ。ちなみにシャットアウトもできる。フェーテは小さく喜ぶ。「家族」に「自慢の子供」と呼ばれたのが嬉しかったのだ。

(フェーテ カゾクスキ?)

近くにいた精霊がわたしにそう問うた。少し考えてから答えをだす。

「…うん。だって家族って両親って無条件に子供を愛してくれるものなんでしょ?あの人たちが私を愛してくれるのなら私は家族が大切だよ。家族ってね愛を無条件に沢山くれる人のはずなんだよ。」

(ムズカシイ ボクタチ フェーテ ダイスキ)

「…ありがとうせーれーさん。」

精霊というのは単純だ。二アドに対して毒を吐くことはない。そして二アドの全てを肯定する。たまにそれがたまらなく嫌になることがある。全てを否定ほしい。自分の存在すらも否定してくれと。今はこの時代外れの私の考えを否定して欲しいと願っている。…まぁそんなの絶対に無理なんだけど。

言葉が支離滅裂な時があります。許して。

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