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灰となるまで、復讐を.  作者: 氷上 冬華
1.0 前日録及びプロローグ
14/38

14.

思い起こすは夏の記憶、とある日の、とある夏の、小さな1日。彼女の思い出は彼女のためのモノ。脳裏に刻まれたとある夏のワンシーン。

地上から6階の場所に位置する本屋、○○書店。テナントとして入っている本屋のくせしてかなり広くどでかい店と比べれば品数は少ないが漫画や小説、雑誌など多種多様な本が置いてある本屋だ。

「御空ーあったあった!お目当ての品!」

エスカレーターから降りた目の前にあるこの書店の漫画コーナーのところにでかでかとお目当ての品…コミケの攻略本は置かれていた。初めて参戦ということもあって初めて買うのだがこんなに大きいとは想像してすらいなかった。値段も裏側をみてみると中々いいお値段をしている。だがこれがないとそもそもどのサークルをまわるかとかを決めることが出来ない。どのサークルに行くかを決める時が1番気持ちいいみたいな話もたまに聞くし迷わず攻略本を1冊手に取りリュックから魔法のカードが入っている財布をすちゃっと取り出しレジに向かった。

「夜。漫画買うんじゃなかったの?」

「あ忘れてた。」

ーーーー

ここから少し割愛レベル100を挟んでコミケ当日。私の住んでいる場所は会場がある都?の海を挟んで隣側の県のちょうど腹ぐらいの位置にある。まぁここからで午前中のチケット、人が並ぶことを考えたら当たり前に始発だろう。しかも夏だしめちゃ暑いだろうし横浜ガ○ダムで買ったアイスパンチなるものと大量のペットボトル、タオル、諭吉サマ、攻略本、スマホ、充電器、ケース、リュック…etc…

時刻は朝4時50分、天気は…晴れ。自転車の鍵…良し。Suica…良し。帽子、被った。寝てるパパに行ってきます、言った。じゃあ行くか!初参戦のコミケに!!!

私は明るくなりかけている朝焼けにどデカいおはようと声をかけるために家を出た。今日は凄く楽しみな1日になりそうだ。

ーーーーーー

電車内

お金が…ないんです。(3)


家出た。今チャリなう。 既読0 4:52

電車乗った。あれ絶対同業者や。 既読0 5:08

着いたー!初ビッグサイト 既読0 6:29


「ま、私が入場できんの、こっから4時間以上後なんだけどね…」

アーリー列の少し先で午前入場の列に並びまだ気温は限界突破の中、私はスマホをズボンのポケット奥に押し込み心の中でクソデカ溜息をつく。そもそも私が急にコミケに参戦を決めたのはほんの1ヶ月まえなのだ。ついったをいつものように徘徊していたら好きな絵師が好きなキャラのイラスト本を出します!グッズもあります!とか発表しやがって行くしかねえ!となったのが1か月前。思い立ったが吉日とは良く言うが私ほど行動力がバグってる人は多分そうそういないと思う。

「それにしても太陽暑い…他の人の日傘ちょうど目の高さにあって当たりそうで邪魔くさいし、オタクトークに花咲かせてるのもなんか腹立つ…こっちは一人参戦だから余計に私が友達いないみたいじゃん、あーやだやだ。」

じりじりと太陽は明るさを増してゆく。日焼け止めなど簡単に突破してやるぜ。という強い意志を感じる。人間にとってはクソ迷惑でしかない。だが年々気温が上がっているのは人間が原因なので仕方がない。人間が猿人類のような生活を送れば戻るのだろうが文明の利器を手に入れてしまった今、手放すのは相当難しいだろう。

「タオルタオル…」

最低限でも暑さを凌ごうとリュックからタオルを取り出すそういえば持ってきたリュック、黒だ。どうりでリュックの中も暑いわけだ。

「早く中に入りたいけど中も暑そう。はぁ、冬に来るべきだったかなぁ…」

ネット友達=フレンドにコミケに参戦すると言った時、一緒に行こうやと誘ったのだけれど暑いから無理、冬ならおkと断られてしまった。既に凍らせたはずのスポドリが溶けきって温くなっている。異常気象死にやがれ。

「…あ列うごいた、立たなきゃ…」

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