三人の最後の日
教室の電気がまだついていたのに気づいた担任の竹原は扉を開けた。中にはまだ三人の生徒が残っていた。
「お前らまだいたのか。早く帰れよ」三人のいかにもダルそうな返事が返ってきた。扉を閉め、職員室へと帰っていった。
何やら三人は話をしてる。
「この世界を終わりにしよう」
「それにはまだ早いさ」
「私眠れないんだよワクワクして」
「どうしてさ」
「私たちが持っている力のこと考えると」
「あまりそうやって過信しすぎるのはよくないよ」
「今日はやけに消極的ね」月野はつまらなそうにそっぽを向いた。
「遅かれ早かれ今日決行だな」月野と北島の話を聞いていた別府が立ち上がって言った。北島は少し考えこんでいる。
「どうした?」
「いや、何でもない」
「俺たちは選ばれし三人だからな」
「そうだよな。何も心配いらないな」
三人は教室の真ん中で円になりお互いの顔を合わせる。三人が手をつないで目を閉じると教室の机や椅子ががたがたと音を立て始めた。机や椅子は浮かび上がり吹っ飛んで窓ガラスが割れすさまじい音が響いた。床が地響きをたて割れていく。三人の髪の毛は逆立っている。三人を中心として爆風の波が広がり世界は一瞬にして真っ赤に染まった。