ドール
小学生のころの簡単なテストで100点を取ることは親にとって当たり前でした
水泳などの習い事で結果を出すにはなにかを目指すことが必要だったし
僕には結果を出す機会がありませんでした
でも結果は必要でした
テストも適当で放課後は毎日遊んでるみんなが、なぜか当たり前に持っているものが僕はほしくてたまらなかった
そのタイミングは本当にいきなり訪れました
小学四年生の三学期の終わり
担任の先生が帰りの会で唐突に「今年のすべてのテストの平均点を教科ごとにとってある」といいました
僕は算数と理科で1位で特に算数は断トツだったと聞いて、これでやっとゲームを買ってもらえると思いました
帰ってリビングでおばあちゃんとお母さんと何気ない会話をしてるときに僕はその話をしました
二人は「へーすごいじゃない」と珍しく笑顔で僕を褒めました
僕は褒められることはいろんなことの原動力になるくらい大好きで、しかもあの二人が僕を褒めるなんて本当に珍しいのに全くうれしくありませんでした
僕が待っていたのは四年生になったら買ってくれると幼稚園に通っていたころから約束していたのに、なぜかまだ買ってもらってないゲームというご褒美だったからです
今回の結果と四年生になっても買ってもらっていないという事実で僕はゲームを買ってもらえることを大きく期待していました
確信していたかもしれません
でも、二人がくれたのはそのときたまたまリビングに置いてあった貰い物のおまんじゅう一個でした
僕はそのまんじゅうを二人が満足そうに話をしてるところを見ながら食べていました
その時は二人が満足そうにしてるからいいと思って考えることをやめたけど
不満なんて感じていなかったはずなのに、まんじゅうが美味しくないと思ったことは今でも覚えています




