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四十話



 家の中で作戦会議が始まった。


 カイネからの情報でギアゴーレムはいつも決まった時間に決まったルートを移動することを知った。


「絶対間違いない。あいつ地図を持ってたもん」


「決まった時間か……。それならこっちの思い通りに動かすことは可能かも……」


 クレイは作戦を練り、アリアとマリイに伝える。


 二人は作戦を聞いて驚いた。


「でもそれだと危険すぎます」


「うん。あたし達に任せた方がよくない?」


 クレイは首を横に振った。


「ううん。これは僕じゃないとできない。だからお願い。協力してほしい」


 アリアとマリイはお互いの顔を見合わせ、笑った。


「クレイ様がそう言うなら」


「あたし達は支えるだけだね」


 クレイは嬉しそうに感謝する。


「ありがとう。みんな、くれぐれも気を付けてね」


 アリアとマリイは頷いた。


「はい」


「分かってるって。それに、いざとなればあれもあるしね」


 マリイがアリアにウインクするが、クレイはよく分からず首を傾げる。


 その後、何度も確認をしてから全員が配置についてゴーレムを待った。


 クレイからすれば初めての本格的な実戦。


 待っている間も心臓の音が大きく聞こえた。


 手が震え、緊張のせいで最近の記憶が蘇る。


 役立たずと追放された紋章使いが今、巨大なゴーレムと戦おうとしている。


 普通に考えれば勝機は限りなく小さい。


 それでもクレイは一人ではなかった。


 アリアとマリイがいる。


 その二人はクレイを信頼して作戦に従ってくれた。


 そのことがクレイに勇気を与える。


(絶対に倒すんだ!)


 クレイが気合いを入れ直す時を同じくして巨大なギアゴーレムが地響きを上げながら村に侵入しようとしていた。




 イルワロが異変に気付いたのはカイネが脱出してからしばらく経ってからだった。


「一匹足りねえっ!」


 白目を剥いて痙攣し、股から大量の白濁液を溢れさせるナタリーを放置してイルワロは小屋の外に出る。


 するとイルワロは驚くべき光景を目にした。


「あいつら……。馬鹿なのか……?」


 イルワロの視線の先にはギアゴーレムがいつものルートで村へと侵入しようとしていた。


 そのすぐ近くに昨日見た亜人の女の子が隠れている。


 それを見てすぐにイルワロは気が付き、吹き出した。


「あいつらだけでゴーレムを倒す気か? ぶはっ! こりゃあいい! あいつらが死んでくれれば本部から応援が来るのはもっと遅れる。そうなれば焦らなくて済むぜ!」


 喜ぶイルワロ。


 それは当然で、昨日のパーティーではどう考えてもあのゴーレムを倒せない。


 見ただけで漏らした者もいるほどだ。


 イルワロは暇つぶしとしてしばらく村でなにが起こるか見物することにした。


 そこであるアイデアを思いつく。


「そうだ。もしあのガキが死んだら亜人二人を捕まえよう。死んだガキから買い取ったと言えば証拠もない。クククッ! これで俺もようやく奴隷を持ちだ! あいつらを毎晩可愛がってやるぜ!」


 イルワロは歪んだ笑みを浮かべ、始まろうとしているクレイ達の戦いを眺めた。


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