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三十二話



 コリコ村の入り口に辿り着くと馬車はすぐ近くの村へと戻っていった。


「ここは危険だから帰る時はさっきの村まで来てくれ」


 御者はそそくさと来た道を引き返していく。


 クレイ達は静かな村にぽつんと残された。


 コリコ村は人口が百人ほどいるそうだが、見た限り誰一人いない。


 クレイは家の中で隠れているのかと思って窓から中を覗いてみたが、人影は一つも見当たらなかった。


「避難したのかな?」


 マリイは当然のように頷く。


「そりゃあそうでしょ。ギアゴーレムが村にいたら危なすぎるもん。きっと近くの村に逃げてるよ」


 村中が逃げ出すほど危険な存在と戦わないといけない。


 クレイは危険を少しずつ現実のものと捉え出し、一人震えた。


「そこでなにをしてる?」


 男の声がしてクレイ達は振り返った。


 そこには三十代くらいの男が立っている。


「え、えっと、僕らはギルド本部に頼まれたクエストを受注したギルドで……」


「ギルド? 女ばかりでそうは見えないが?」


「僕は男です……」


 クレイがギルドカードを見せると男はそれを睨み付けた。


「……本物みたいだな。だがここは危ない。すぐに逃げろ」


「いや、でも――――」


 するとクレイの声を遮ってドシンッと地鳴りがした。


 男はハッとすると近くに建つ家の影に隠れる。


「お前らも早く隠れろ! 踏みつぶされるぞ!」


 クレイ達は慌てて男のいる家の影に向かった。


「も、もしかして今のって?」


「静かにしてろ」


 男に言われてクレイが黙っていると地鳴りはどんどん近づいてくる。


 そして晴れているというのに家が巨大な影に覆われた。


 現れたギアゴーレムは二階建ての家よりも倍ほど高く、横幅も馬車が三台は必要なほど大きかった。


 全身を金属に覆われ、目だけが赤く光り、胸や肩などではその名の通り歯車が規則正しくグルグルと回っていた。


 あまりの迫力に一同唖然としていた。


 アリアとマリイはクレイにしがみつく。


 大きな胸に頭を埋めるように挟まれたクレイだが、見ただけで体を震わせ、怖さのあまりズボンを濡らしてしまう。


 ギアゴーレムはクレイ達が隠れている家の近くで立ち止まり、辺りを見渡すと再びゆっくりと歩いて行った。


 少しずつ地鳴りが小さくなっていくとクレイは気が抜けてその場で膝を折った。


 アリアとマリイの顔も青ざめている。


 四つん這いになって震えながらクレイは思った。


(あ、あんなのに勝てるわけない――!)


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