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十三話



 朝食を食べ終えると二人はリンカー中心部にあるギルド本部へと足を運んだ。


 ギルド本部はギルドを総括する組織であり、全てのクエストはここを通して冒険者達に発信される。


 高さも広さも周囲の建物とは桁違いに大きく、緑の屋根が特徴的な五階建てだ。


 歴史は深く、リンカーの中では城に次いで古いため、所々修繕の跡が見られた。


 クレイとアリアは緊張しながらギルド本部の門をくぐり、いくつもある受付の一つに向かう。


 受付は皆綺麗な女性の人間ばかりなのは亜人と比べて小ぶりな胸を見れば一目瞭然だ。


「今日はいかがされましたか?」


 お姉さんが品の良い微笑でお出迎えする。


「あ、あの……。賞金を受け取りに来たんですが……」


「かしこまりました。ではお名前とギルドカードをこちらへご記入ください」


 用紙を渡そうとする受付嬢にクレイは気まずそうにした。


「そ、その……。ギルドからはクビになっちゃって……。なので創設の申請をしたいんですけど……」


「ギルドの創設ですね。ではこちらに代表者様のお名前と、創設メンバーをご記入ください。申し訳ありませんが代表者は人間のみとなっております」


 受付嬢に言われ、アリアは小さくなって会釈する。


 用紙に記入しようとしたクレイだが、そこに注意書きを見つけ、受付嬢に確認する。


「あ、あの……。ここに創設メンバーを二人以上って書いてるんですけど、それって僕も含めていいんですよね?」


「いえ。代表者様と他二名。計三名がギルドを設立する上の最低人数となっております」


「……え? じゃあ僕とアリアだけでは……」


「申し訳ありませんが、お二人だけではできません」


「それって賞金も……」


「残念ですが」


 クレイとアリアは顔を見合わせ、ガクリと肩を落とした。



 賞金の受け取りには期限があることを聞いた二人はさっそく仲間を探すことにした。


 仲間探しの方法は大きく分けて三つ。


 一つは募集をかけて待つ。


 二つ目は仲間を探している冒険者に自らアプローチする。


 三つ目は金銭などを渡して雇う。


 金欠のクレイに三つ目は不可能。


 一つ目もよっぽどのことがない限り弱小ギルドに応募してくる者はいない。


 それを分かっていたクレイは仲間を探しているソロの冒険者をギルド本部に紹介してもらいアプローチを図った。


 しかし返ってきたのは冷たい反応ばかりだ。


「女の子二人の新設ギルド? そんなのに入るわけないだろ」


「ブロンズギルドでも低報酬クエストばかりなのにルーキーなんてありえないわ」


「今の時代、ギルドを新設するにはよっぽど実力がなければ誰もついて行かない。君はどんな功績があるんだい?」


 挙げ句の果てには


「お前達二人が俺の女になれば協力してやらなくもねえぜ」


 などと言われ、クレイの方から断る始末だ。


 クレイは中央広場のベンチに座って溜息をついた。


「十人中八人に女の子扱いされた……」


「クレイ様がかわいいからですよ……」


 アリアのフォローも虚しく、現時点で新メンバーの目処はついていない。


「くそ。あと一人。誰でもいいから見つけないと。でないと……、もうお金が……」


 クレイの財布の中は宿代と食事代、アリアの服代で既に空だった。


 賞金を後払いで人を雇うことも考えたが、足下を見られるのは目に見えている。


 なのでそれは最後の手段にしたいのがクレイの考えだった。


「大丈夫ですよ。きっと誰か入ってくれますって」


 アリアは笑ってクレイを励ます。


 傷が治ってからずっとご機嫌だった。


 アリアの笑顔にクレイも気持ちを切り替え、立ちあがる。


「よし! ここまで来たらあとはなんとかするしかない! アリア」


「はい」


「とりあえず宿代のために薬草取りに行ってくるよ。まだまだ時間はかかりそうだからね。ここで待っててくれる?」


「わたしも行きます。これはわたし達のギルドなんですから」


「アリア……。うん。じゃあ一緒にがんばろう!」


「はい!」


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