表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『手のひら。』  作者: 日向理
6/64

Episode.7

           ガ‥カチャッ


            キィ~






           「ただいま」




            バタンッ



「あ!おかえり~」

「ちょうどよかった~」


「今ご飯出来たばっかだから、荷物置いてきといで~」




           「うん」




                     キュイッ

                      ジャー


                   パシャバシャ


                      キュッ




               がらがらがらがらぁ…






            「・・・」





「はい、座って座って!」

「熱いうちに食べましょ!」




 「いただきます」

「はい、いただきま~す!」



もぐもぐ




 もぐ もぐ




 「…珍しく」



「ん?」



 「…テレビ点いてないね」


「田中さんに聞いたんだけどね、

『えきしょーのがめん』?って、長い時間見てると

体内時計が狂っちゃうんだって!」

「「お母さん、最近

 寝不足かもぉ」って言ってたでしょ」

「田中さんの話聞いたら『これだーっ!』って思って」


「あと蛍光灯もあまり良くないって言うのよ」

「『はくねつとー』?ってのがいいみたいなんだけど、

お母さん、そういうのあんまり詳しくないから」




 「暖色系の照明だね」


「そうそう!それそれ!」

「『だんしょくけー』?ってのが、

夜のうちの明かりにいいみたいなの!」




 「希さんのお店にもいくつかあるけど…」


もぐもぐ


 「…どれもテーブルランプくらいの大きさ、かな」


「そういえば置いてあったわね・・」


「でもああいうのって高いんでしょ?」




 「どうだろ…」



 「お店にあるのは基本、


 希さんが直で輸入してるものばかりだから」



 「…それに『アンティーク』…古いものも多いし」



「さすがに『アンティーク』くらい

お母さんだって知ってるわよぉ!」


 もぐ もぐ

「アンティークって高いけど、

その分作りがしっかりしてるからね~」


「お母さんも憧れはあるけど…

 ウチじゃあねぇ~ 爆笑」

「かえってアンティークが

 可哀相になっちゃうわぁ 笑」





 「…希さん、センスあるから」



 「全部買い換えないと、無理かもね」


「あーこわいこわい 笑」





もぐもぐ




「…今日は大丈夫だった?」




 「うん…」



 「希さん、理解もしてくれてるし」


 「そんなに大勢の中ってわけじゃないから」




 「…大丈夫になってきた」


「そう」




 「それに…」



 「兄さんも心配してお店に顔出してくれるし…」

 

 「今日も兄さん、来てくれたんだ」

「悠斗、優しいからね~」



 「でも」


 「今日は珍しく1人だったけど」


 「…いつも隣にいる女性が違うから」



 「その対応には困る…笑」

「笑」

「それはぜったいお父さん譲りよ!!」



もぐもぐ





 もぐ もぐ





「…向こうの様子とかなんか言ってた?」


 「ううん…」


 「特には何も」



 「少し話して…」


 「「美味しいシチューが待ってるからぁ」って

 言って出てったから…」

 

「まぁでも、悠斗が自由に過ごせてるみたいだから…」


「大丈夫なのかもね」



 「そう、かもね…」


もぐもぐ



 「…ごちそうさま」


「洗い物置いといていいからね!

 あとでお母さんやるから」



 「うん、ありがとう」


「あと明日病院でしょ!

 診察券と保険証、忘れずにね!」




            「うん」




         「おやすみなさい」

「はい、おやすみぃ~」




            「あ…」


「ん?」




    「…テレビ観なかった効果、出るといいね」

「きっと出るわよ!」

「だって田中さんが教えてくれたんだもの 笑」

「寝坊しないように目覚ましかけとかなくっちゃ!」




    「そしたら、わたしが起こしてあげるよ」

「本当!」

「じゃあもしまだ寝てたら、さくちゃんお願いね!」



    



        「うん…じゃあおやすみ」


「おやすみぃ~」





           とん  とん… 





「…ふぅ」


焦らない、焦らない




           とん  とん…









                  パタン










            「スゥーーー……はぁぁぁ」







                  おやすみなさい




                      カチッ



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ