閑話 休憩室にて
運営会社の休憩室での開発スタッフAとメンテナンススタッフBの会話です
A 「このゲーム、いつまで持ちそう?」
B 「予想以上に速いぞ。最速攻略をしようとしてたユーザーが離れ始めてる。別ゲームから移住してきたクランがあるから、そこに期待したいけど……3か月もてば良いほうかな」
A 「だよな……」
B 「お前のとこの部長、なに考えてんの?アホなの?」
A 「ああ。あの人、自分の趣味に走ってるだけで何も考えてないな。中世ヨーロッパ建築が好きで、そのデザインしたいからこの会社に入ったらしい。ゲームの内容は全く興味がないっぽい」
B 「街のデザインする人も必要だし、それは問題ないよな?」
A 「ああ。でも街が完成して満足したら『この世界で暮らしたいユーザーがいるはずだ、日常生活で必要なものを全部用意しろ』ってホームセンターやデパート、スーパーにあるもの全部作らされた」
B 「ご愁傷様……」
A 「レベルやステータスに関わらないものをユーザーは求めてないのに、それが分からないんだよ。世界観だって、日常と違う場所が良いってだけなのにな」
B 「『ゲームの世界は中世ヨーロッパ風が多い=ゲーム好きは中世ヨーロッパ好き』って勘違いしてるのか。本当アホだな」
A 「少し愚痴ってたら、ヨーロッパ建築の良さがわかってないユーザーに理解してもらえるようにってユーザーを街に縛り付けるシステム作りやがった」
B 「クソだな」
A 「最初の1週間ユーザーが街に縛り付けられてるのを嬉しそうに確認して、3週間も有給とって家族でヨーロッパ旅行だと」
B 「ゲーム開始1か月記念のイベントには帰ってくるのか?」
A 「ああ、前日帰国するそうだ。イベント大失敗して、クビになればいいのに」
B 「その可能性、高いぞ。はじまりの平原を踏破してイベントマップにたどり着けるユーザー少ないだろうな。これからイベント発表されてもアイテム作製に時間がかかるから、レベル上げも出来ないし。無理してたどり着いたとしても、レベルが足らずに瞬殺という可能性も……」
A 「なにそれ、ヤバいな」
B 「ゲームバランス変更する?」
A 「個人的には変更したいが、責任者が不在で指示がないから出来ない。ってことにしていい?」