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自販機

「ようやく終わったみたいだね。今いるメンバーこっちに来るっていってるけど、もう少し大丈夫かな?」



時計をみるとまだ7時過ぎだったので、2人と一緒に待つことにした。

しばらく待つと部屋の隅の移転陣がわずかに光り、次々と美女・美少女がやってきた。スレンダー美女・ロリっ娘・セクシー美女・モデル・メガネっ娘まで。メガネ取ったら超絶美少女ってやつですか?私を見てヒソヒソと「聖女キタ」とか「女神だ」とか言われた気がするけど、誰のことですか?皆さんのほうが聖女様や女神様という言葉がお似合いですよ。



少し落ち着いたのを確認してマスターが声をあげる。



「みんなお疲れ様。まずは紹介しまーす。本日加入したミーナちゃんです。ゲーム初心者なので、いろいろ教えてあげてください。ミーナちゃんも、分からないことがあったら質問してね」



「初めまして、ミーナです。戦うことはできませんが、皆さんの役に立てるように一生懸命頑張ります。よろしくお願いします」



「「えー!!」」 「「ダメ!!」」



全員から拒否された。なぜ?戦わないといけないんですか?そもそも加入自体がダメだったの?

驚いた私をみて、マスターが微笑んで教えてくれた。



「このクランの方針は、とにかく楽しむ!人の邪魔はしない!邪魔されたらやりかえす!なの。だから、ミーナちゃんもやりたいことを楽しんで欲しい。本を読むのは邪魔しないし、余裕があるときはポーション作ってくれると助かるけど。まずは、お金を貯めて誰にも邪魔されないマイホームの購入を目指すのはどうかな?そのために!自由に薬草やポーションの売買ができるよう自動販売機を設置しまーす!」



メンバー全員盛大に拍手する。私一人意味が分からず戸惑いつつも拍手をしていると、そっとリリアンが近づいてきて耳打ちする。



「指定したアイテムを納品しておけば、いつでも買うことができるんだ。さっきまでこの為に狩りしてたんだ。これでミーナが好きな時に好きなだけ作製できるよ。もちろん強制ではないけどね」



そんな話をしてる最中もマスターはステータス画面を触っている。すると部屋の隅がわずかに光り自販機があらわれる。



「値段の設定もできたし、これで大丈夫!!一人ずつ薬草と魔力草の納品お願いします。在庫がある程度貯まるまでポーションの販売はしないので自分用の材料は確保してね」



自販機の前に行列ができる。私もリリアンと一緒に並んでみたけれど、なんだかみんな手間取ってる。

操作が難しいのだろうか。心配になってきた。私の順番になった時、リリアンが隣について操作を教えてくれた。

薬草が10G・魔力草が50G・HPポーションが80G・MPポーションが300G。手持ちのポーションを納品して6800Gになった。操作も簡単だし、これから問題なさそうだ。リリアンは私の次に納品していたけれど、なぜか手間取っていた。


最後にマスターが納品のために自販機の前に立ったかと思うと大きくため息をつき、みんなの方を振り返る



「あんた達、どんだけ薬草貯めこんでたの?!いくらなんでも、6人で薬草5000個っておかしいでしょ?」



「エライでしょ~!午前中に休講だった日に頑張って1500個になったの~」

「マスターが対策考えるって言ってたから、ゲームスタートからずっと売らずにとっておいたよ」

「ごめんなさい、私200個しか集められなかった……」

「別に腐るわけじゃないし、問題ないでしょ」



全く悪びれずに自慢げにしているメンバーをみて



「ミーナちゃんが来てくれて嬉しいのはわかるけど。薬草取りしてる暇があったなら、少しでも狩りしていればクランポイントが貯まって、今日ゆっくりミーナちゃんと話ができたんだよ。薬草納品もクランポイントになるから、無駄じゃないけど。今度からは、ちゃんと考えて行動しようね」



「「「はーい」」」



まるで先生と生徒みたい。



「さあ、みんなそろそろ夕飯の時間だよね。終わりにしよう。ミーナちゃんは、この部屋は自由に使っていいからね。じゃ、解散~」


私はリリアンに10時頃にまた来るかもしれないとだけ伝えてログアウトした。

ふぅ。振り回されて少し疲れちゃった。

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